私の好きなもの 84 Charing Cross Road
「チャーリング・クロス街84番地」は、
NY在住の作家の女性と、ロンドンの古書店店主との20年以上にわたる手紙のやり取り、古書の購入、ギフトの交換という交流を描いた映画。
とても上品で落ち着いた雰囲気の映画です。
当時の時代背景、NYとロンドンの文化の違いなどが描かれているのもとても楽しい。
若かりし頃の(といっても40代後半)アンソニー・ホプキンスがまた、すっごく良い。
そしてこの映画は、本好きの方には特におすすめ。
本についての談義も面白いし、
ロンドンの古書店が、とてもいい雰囲気なのです。
革の装丁の分厚い本とか、本棚も素敵。
また、手紙の文面がセリフとなっている場面が多く、本からの引用文も使われていることもあって、言葉が美しい。
アクションもなければラブロマンスもない、とても淡々とした映画なのですが、
しんみりと、ほんわかと、なる。
現代とは違う時の流れ方、人々の機微の表し方、そういったものも感じられて、なくしてしまって久しい何かを思い出させてくれます。
ちょっと立ち止まって今を見つめ直したくなるような、そんな映画です。