筋肉痛でもトレーニングさせるか否か
みなさんこんにちは。先日クライアントに「筋肉痛なんですけど、トレーニングしても大丈夫ですか?」と聞かれました。
みなさんはどう答えていますか?
トレーナーさんや治療家それぞれの考え方があると思いますが、今回はそんなテーマで書いていこうと思います。
なお、今回扱うのは「遅発性筋肉痛」と呼ばれるものについてです。
いわゆる運動から数時間~数日後に痛みが出るタイプのものです。
「即発性筋肉痛」はまた、何かの機会にやりますので、お楽しみに。
それでは、いってみましょう。
筋肉痛の原因
まずは、筋肉痛の原因を知るところからですね。知っている方もいらっしゃるとは思いますが、復習にでも。
①トレーニングや日常生活以上の負荷がかかることで、筋繊維が損傷する
②その損傷を修復するために血液が集まる
③修復過程で刺激物質(痛みの原因)が発生する
④動かすたびにその物質が筋膜を刺激して痛みを感じる
という流れになります。
昔よく言われていた「乳酸が溜まって~」というのは科学的に否定的な立場となっています。たまに年齢高めの方からそんな話をされますので、広く伝わっていた話なんだな~とか思ったりします。
当然修復が終われば痛みは消えます。
また、修復時に超回復が起きますので、次回同じ負荷では筋肉痛が起こりにくくなっていきますす。
筋肉痛が起こっていてもトレーニングさせるか
それでは、本題に入りましょう。
筋肉痛がある場合にもトレーニングをさせるか否か。
答えは…場合による。となります。
もったいぶってのこの回答、すみません。
では、なぜ場合によるか。
例えば、昨日マラソン大会で、朝起きたら歩くのさえ痛みを伴うような筋肉痛の場合、当然トレーニングは休ませます。(まず、できないと思いますが)
別の例で、昨日は部屋の模様替えをして、家具の移動などで筋肉痛になった人がいたとして、動作によっては肩周りに痛みが出る程度の場合は、トレーニングすることに問題はないと考えられます。
ここでは、「痛みの有り無しではなく、痛みの度合いで判断する」といいかと思います。
理由は簡単で、痛みが強いとトレーニング時にフォームが崩れます。そうなると、無意識に可動域を小さくしたり、代償動作を使って動かそうとするので、狙った効果が出ないだけではなく、ケガのリスクが高くなってしまいます。
なので、痛みが強い場合・正常なフォームでのトレーニングが困難な場合は、こちらで止めてあげるのもトレーナーの大事な仕事になります。
筋肉痛の対処策
クライアントによっては週に複数回でプランニングしている場合もありますよね。そうなると、曜日の変更などでの対応が難しい場合があるかと思います。
その場合はいくつかの方法によって対処しましょう。
①部位を分けたトレーニングを行う
「分割法」と呼ばれる方法です。例えば上半身と下半身を交互の日に行う、胸・背中・脚・肩などパーツごとに分けて日を変えて行うなどです。
このやり方であれば、筋肉痛の部位を休ませつつも他の部位は強化することが可能になります。
ネックなのは、トレーニング頻度(日数)を確保しないといけない点です。
どこかで週1回のトレーニングなどになると分割で使っていない方はブランクが空いてしまう可能性があります。
なので、ある程度トレーニング習慣が定着している人向けになると思います。
②パートナーストレッチやマッサージを活用する
もう一つの方法はパートナーストレッチやマッサージを行って、筋肉を柔らかくすることで痛みや可動制限を緩和させてトレーニングを行えるコンディションを作るという方法です。
自分のクライアントであれば、自分がしっかりとケアしてあげることで、運動前にある程度痛みが引くのが実感できると思います。そこから、徐々に負荷をかけてトレーニングを行うことができると思います。
ただし、これは筋肉の緊張・こわばりを解除しているだけで、修復を進めたわけではない点に注意が必要です。
修復速度は変わりませんので、筋繊維自体には損傷があります。
なので、ここで、痛みが小さくなったからといって無理をさせすぎると、ケガにつながるリスクもありますので、ストレッチやカウンセリングでしっかりと状態を把握して適切な負荷をかけるようにしましょう。
まとめ
以上のように、筋肉痛があってもトレーニングは可能です。
クライアントがやる気であればモチベーション維持のためにもぜひ実施してあげて欲しいと思います。
ですが、先ほどもいったように、痛みによってフォームが崩れたり、ケガする可能性があることも理解させて、トレーニング種目や負荷の適切な調整と、事前のストレッチやケアによる準備を怠ることなく指導してほしいなと思います。
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