アクティビストのことがわかるブログ支配人

大手証券会社に入社し一貫して上場事業法人/金融機関の担当を務める。常務取締役法人担当で退任し、経営コンサルティング会社設立。証券会社在職時は主にバリュー系業界を担当し、M&A分野では通常の企業合併/買収FAから買収防衛FA、プロキシーファイトFA、敵対的買収FAまで幅広く歴任。

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大手証券会社に入社し一貫して上場事業法人/金融機関の担当を務める。常務取締役法人担当で退任し、経営コンサルティング会社設立。証券会社在職時は主にバリュー系業界を担当し、M&A分野では通常の企業合併/買収FAから買収防衛FA、プロキシーファイトFA、敵対的買収FAまで幅広く歴任。

最近の記事

政治家やヤメ検の方々のわきの甘さに思うこと

 船井電機はいち取締役が異例の準自己破産申請を行い、東京地裁から破産手続きの開始決定がなされていましたが、それに対し元衆院議員で大臣も経験した政治家出身の会長が地裁の決定が不服として即時抗告を申し立てたと報道されました。会長は事業再生は可能で民事再生法の申請を検討しているとのこと。それはその通りかもしれませんが、この会長は今年の9月に就任したばかりでした。そこで疑問に思うことは、そもそも企業の会長に就任するにあたり、当該企業のことを勉強しないのですかね。当時の財務をきちんと見

    • オアシスの研究(2024年11月作成)

      アクティビスト分析の第4弾としてオアシスの資料を掲載しました。当資料は大量保有報告書を分析することによって作成されています。資料の中にはファンドの概要、ポートフォリオ、投資金額・評価損益・実現損益の推移、投資開始時の銘柄バリュエーション、保有期間、EXIT手法、アクティブ度評点、投資をフォロー(提灯)した場合の成績が網羅されています。 2002年にセス・フィッシャー氏が立ち上げた頃は、彼のもともとのキャリアであるヘッジファンド的な手法で運用してましたが、2015年に三陽商会で

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      • 船井電機の破産に思うこと

         10月24日に船井電機が準自己破産申し立てを行い、東京地裁から破産手続き開始決定を受けました。私はこのニュースに大きな違和感を覚えました。と言いますのも、船井電機は2021年にTOBで上場廃止になりましたが、AVビジネスが厳しい状況にある中、バランスシートは非常に健全だったことを覚えていたからです。また、準自己破産という聞きなれない言葉にも違和感を感じました。準自己破産とは何らかの事情で取締役会決議できない場合に取締役個人等が申し立てをするものだそうです。取締役会で過半の賛

        • 私のお勧めするほったらかし株式バリュー投資

          ほったらかし株式バリュー投資コンセプト 私は証券会社の投資銀行部門で長らく働き、多くのM&A案件に携わってまいりました。そこで、事業会社やプライベートエクイティファンドのような買収者にとって極めて魅力的な企業の株式を自分でも買ってみたいと長年思ってまいりました。しかし、インサイダー情報あふれる職場で働いていたため、そうはいかず、退職後1年間は株式投資はできませんでした。1年を経過したころから念願の株式投資を始めました。結果的に投資先の多くは自分が携わってきたバリュー業界でし

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          村上ファンドの研究(2024年10月作成)

          アクティビスト分析の第3弾として村上ファンドの資料を掲載しました。当資料は大量保有報告書を分析することによって作成されています。資料の中にはファンドの概要、ポートフォリオ、投資金額・評価損益・実現損益の推移、投資開始時の銘柄バリュエーション、保有期間、EXIT手法、アクティブ度評点、投資をフォロー(提灯)した場合の成績が網羅されています。 1999年にM&Aコンサルティングを立ち上げたところから村上世彰氏の投資活動が始まりましたが、インサイダー取引で逮捕、起訴されて以降はファ

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          村上ファンドの研究(2024年10月作成)

          2024年8月市場トピックス(2024年8月作成)

          2024年8月に市場で発生したいくつかのイベントについて勉強会資料を掲載しました。 まず、石井鐵工所によるMBOです。同社は2019年から重田光時氏が株主となり、15.53%まで保有株を増加させてきました。また、アクティビストであるVASANTA MASTER FUNDが5.09%まで保有し、3年連続で株主提案を実施しています。同社の問題は主に工場跡地に建設した賃貸不動産ポートフォリオの莫大な含み益(時価総額の2.5倍)が市場価格に反映されていないという点と資本効率の悪さで

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          2024年8月市場トピックス(2024年8月作成)

          シルチェスターの研究(2024年9月作成)

          アクティビスト分析の第2弾としてシルチェスターの資料を掲載しました。当資料は大量保有報告書を分析することによって作成されています。資料の中にはファンドの概要、ポートフォリオ、投資金額・評価損益・実現損益の推移、投資開始時の銘柄バリュエーション、保有期間、EXIT手法、アクティブ度評点、投資をフォロー(提灯)した場合の成績が網羅されています。 シルチェスターは1994年創業で、物言うファンドとしては老舗ファンドです。私は多くの海外投資家を訪問しましたが、残念ながら同ファンドへ訪

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          シルチェスターの研究(2024年9月作成)

          コーポレートアクション発生時の運用戦略(2024年6月作成)

          上場企業による合併、株式交換による統合等が行われる際に、近年アクティビストによる買付と統合反対の意思表明により、当該企業に対して会社法に基づいて買取請求を行うケースがある。これまでの判例では買付者にとって有利な判断となっており、有効な運用手段なのかもしれない。当セミナー資料では法的根拠やケーススタディをまとめてあります アクティビストのことがわかるブログもあわせてご覧ください

          コーポレートアクション発生時の運用戦略(2024年6月作成)

          ダルトンの研究(2024年7月作成)

          アクティビスト分析の第一弾としてダルトンの資料を掲載しました。今後、同フォーマットで他のアクティビストを掲載していきますので、当資料は無償といたしました。 当資料は大量保有報告書を分析することによって作成されています。資料の中にはファンドの概要、ポートフォリオ、投資金額・評価損益・実現損益の推移、投資開始時の銘柄バリュエーション、保有期間、EXIT手法、アクティブ度評点、投資をフォロー(提灯)した場合の成績が網羅されています。 ダルトンは1999年創業で、物言うファンドとして

          2024年6月株主提案結果

          2024年6月総会の株主提案の結果をまとめてみました。確認できている限りで株主提案件数は84件でアクティビストによる提案が60%を占めました。総会で30%以上の支持を受けた件数は18件でアクティビストによるものは72%を占め、議案によっては一定数の他の株主の賛同を得た結果となりました。 その中で可決したのは1件のみで、紳士服アパレルのダイドーリミテッドに対してのストラテジックキャピタル(以下”SC")の取締役選任議案でした。SC提案の6名中3名が可決し、会社提案の6名中1名は

          アクティビストのアクティブ度評点

          各アクティビストの株主活動についてまとめてみました。株主提案や臨時株主総会招集等の株主活動につきアクティブ度掛け目をかけて、資金の回転度も勘案して評点を作ってみました。2024年6月時点では21ポイントで村上ファンドがアクティブ度最高得点でした。続いてオアシス、ストラテジックキャピタルと続き、やはりそうかなという感じでした。 アクティビストのことがわかるブログもあわせてご覧ください

          アクティビストのアクティブ度評点

          アクティビストの活動期間

          アクティビストがいつから投資を始めたのかをまとめました。重要提案を行う旨の記載がいつから始まったかもまとめてあります。特徴的なのは大手の投資顧問会社までもが、一部の投資銘柄ではありますが、重要提案を行う旨の記載があることです。 アクティビストのことがわかるブログもあわせてご覧ください

          アクティビスト一覧

          2015年6月~2024年6月に提出された大量保有報告書の投資目的に重要提案を行う旨の記載がある投資家の一覧です。投資家の中には当初は投資目的に"純投資"と記載し、一部の投資銘柄で重要提案を行う旨の記載に変更する投資家も存在します。また、逆に純投資に切り替える投資家もいます。2024年6月末時点ではエフィッシモキャピタルが時価評価投資残高1兆3900億円でトップ、次いでシルチェスター1兆3500億円、いちごアセット7600億円と続きます。 アクティビストのことがわかるブログ

          自己紹介

          1986年 大手証券会社に入社し、ニューヨーク、香港の駐在時を除き、一貫して上場事業法人/金融機関の担当を務める。2020年常務取締役法人担当を退任し、経営コンサルティング会社設立。証券会社在職時は、主に不動産を代表としたバリュー系業界を担当し、企業の資本/資金調達からM&A業務まで担当。2014年からはプライベートエクイティ業界も担当。特にM&A分野は通常の企業合併/買収や子会社統合FAから買収防衛FA、プロキシーファイトFA、敵対的買収FA、アクティビスト対策、またファン