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政治家やヤメ検の方々のわきの甘さに思うこと

 船井電機はいち取締役が異例の準自己破産申請を行い、東京地裁から破産手続きの開始決定がなされていましたが、それに対し元衆院議員で大臣も経験した政治家出身の会長が地裁の決定が不服として即時抗告を申し立てたと報道されました。会長は事業再生は可能で民事再生法の申請を検討しているとのこと。それはその通りかもしれませんが、この会長は今年の9月に就任したばかりでした。そこで疑問に思うことは、そもそも企業の会長に就任するにあたり、当該企業のことを勉強しないのですかね。当時の財務をきちんと見ていれば、よくわからないエステ企業の買収と売却や上場廃止以降のお金の流れに異常さを感じたはずです。
 そこで思い出したことがありました。かつてある企業を担当していた時に、その企業にプロキシーファイト(委任状争奪戦)を仕掛けてきた同業企業があったことです。その同業企業は株主の立場で取締役選任の株主提案を持ち出してきました。その取締役候補の名前を見た時にびっくり仰天したのは、なんと私の所属する会社の監査役が名前に連なっていたのです。私の所属する会社がその担当企業の重要なポジションにあることは社内の人間なら誰でも知っています。それがなんと敵対的相手の掲げる取締役候補になっていたのです。その監査役がヤメ検(元検事)だったのです。すぐにその監査役に話を聞きに行きましたところ、検事時代の先輩に頼まれたから深く考えずに引き受けたとおっしゃったのです。すぐに取締役候補を辞退いただきましたが、先輩に頼まれたらなんでもはいはいと引き受けてしまうのかと驚いた次第です。
 近年、東証の要求もあり、社外取締役需要が沸騰しています。企業の社外取締役を見ると、元政治家や元官僚なんかも多いですし、ヤメ検の方々なんかも人気のようです。私の知り合いや先輩でも、大きな問題があったり、怪しげな企業の社外取締役に就任しているケースをよく目にします。問題があるからこそ取締役に就任するんだという考え方はありますが、本当に理解したうえで就任しているのかは相当疑問です。つい最近でもアクティビストに解任の株主提案をされた当該社外取締役が逃げ出して辞任した例もありました。
 まあ、一般の企業の役員経験者ですらそうなのですが、特に元政治家や元官僚、ヤメ検のような方々は世の中の事情に疎く特にわきが甘いと感じる今日この頃です。

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