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夢破れたり!スウェーデン最高峰・ケブネカイセ
この時期は北海道に住む身としては、少し憂鬱です。
雨が降ったり、雪になったりの繰り返しが多く、外に出る機会がめっきりと減ってしまうから。
いつもは、忙しくなるスノーシーズンへ向けて元気をつけるために、脱出するのですが、今年はおうちで引きこもり。
なぜかと言うと、夏のヨーロッパ旅で大枚をはたいてしまったから…クスン。
しかし数年ぶりのヨーロッパは、とても刺激的でした。
イギリスフットパスのことを延々と書かせていただきましたが、今日は、もう一つのメインイベントである「スウェーデン最高峰・ケブネカイセ」をお伝えしますね。
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事の発端は、2014年前に甥っ子と行った「クングスレーデン(王様の散歩道)」でのこと。
7泊7日の行程で歩いたのですが、その時にスウェーデン最高峰のケブネカイセの近くを通過しました。
「いつか行ってみたいなぁ」
と呟いたことを、甥っ子が覚えていてくれてですね。
今回「一緒に行こうよ!」と誘ってくれたのです。
当時歩いたクングスレーデンの様子がこちらです。
スウェーデン最高峰と言っても、標高は2,096Mほど。
しかし侮るなかれ!
北緯67.8度の北極圏に位置するため、氷河はもちろんのこと、ワイヤーや鎖場を通過する中々難度が高い山なのです。(ちなみに東京は北緯35.6度)
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別棟でシャワーも入れます
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白夜ってキレイですー
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翌朝からはいよいよトレッキングスタート。
次なる目的地は、ケブネカイセ登山の基地となるステーションです。
ほぼ水平移動なのですが、約20kmほどをテクテクと歩きます。
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冬はスキー移動なんですね〜
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とはいえ、蚊が多いので、絶対に無理かと?
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ニセコにも多く生息するので、なんだか懐かしい気分になりました
私には一抹の不安がありました。
というのは、相当疲れていたんです。
イギリスのフットパスを5日間歩いた後、ロンドンも寄って夜中に帰ってきたのが、出発の前日。
希望としては、登山の準備もあるし一日ほど空けたかったのですが、飛行機の都合でどうしてもその行程となってしまったのです。
水平移動とはいえ、20km
そして翌日には登頂アタックという強行日程に耐えられるのだろうか??
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今日はその麓まで歩きます、、、遠いなぁ
10年前は私が先に歩いて引っ張って行ったのに、颯爽と前を行く甥っ子に月日を感じます。
思えば、前回から10年。
スウェーデン語が話せるけど、トレッキングの経験がない20歳の甥っ子と、トレッキングの経験はあるけどスウェーデン語が全く話せない日本のおばさんという組み合わせ。
見事に行動力が逆転してしまいました。
言葉は逆転しないけどー
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食堂や大部屋があるメインビルディングと、プライベートルームに分かれている棟があります
前回は大部屋だったけど、今回はプライベートルーム泊
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食事が始まる前に、今日のメインはなんだとか色々と説明があります
ただしスウェーデン語
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リンゴンベリーソースかなぁ??
かなり美味しかった!
食材類は多分ヘリで運んでいる
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北極イワナのソテー
いくらちゃんみたいなソース、これまた最高
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聞くとこによると、ロッククライミングが有名な場所だとか
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今回、氷河もあるのでガイドツアーに入ることにしたので、到着した日の晩に翌日の登山へ向けたレクチャーがありました。
同意書にサインしたり、アイゼン(氷河で滑らないように爪がついたものを靴につける)や、ハーネス(人同士をロープで結ぶために腰につけるベルトのようなもの)を借り、サイズを合わせたり装着の仕方を練習したりです。
グループは、ソロの男性と40代位の母親と娘という4人組、そして私たちの合計7名+ガイド2名。
母娘の4人組は、装備だけ持って早々に帰っちゃったんですよね。
装着準備とかしないで、、
まぁ部屋でやるんだな、くらいに考えていたんですが。
翌朝は雨。
しかも土砂降り。
私たちは翌日を予備日にしていましたが、予約がいっぱいで繰り越せないようです。
こんなんでやるの??
中止にしてよ、と思いましたが、どうやら決行の様子。
なんでもこの夏は、1回しか中止になってないというから、やるんでしょうね、はいはい。
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ここでまず最初のとんでもないことが起こりました。
集合時刻になっても、例の4人組親子がやってきません。
土砂降りの中、待つこと20分以上。
ガイドが、「来なそうだから、今日はスモールグループ」と言い、出発しかけたら、呑気にやってきたんです。
すでに私たちは、びしょ濡れ。
20分も待たせるんだったら、ガイドがしっかり判断して軒下に避難させるとかするべきでしょ!
そしてスタートしたはいいが、速いのなんのって。
ヨーロッパのガイドツアーはスピードが速いから大変とはきいていましたが、雨に打たれた寒さで身体はカチカチになっているし、足元は滑るしなのに、ほぼ小走り状態です。
やっと休憩になった時は、レインウエアの下は汗かいてグッチョリ。
その後、汗冷えはマズいから自分のペースで歩こうと思い、少しゆっくり歩いていたら、ガイドが寄ってきて「疲れてんの?そんなペースなら帰って」とひと言。
もう最悪です。
そして次のとんでもないことがやってきました。
氷河を縦断する前でのこと。
そこでハーネスとアイゼンの装着になります。
すでに気温もだいぶ下がり、汗冷えしていた私は寒くて仕方ありません。
行動食をつまみながら、なんとか装着し、気を引き締めるべく立ち上がると、、、
例の親子たちがモタモタしています。
そうなんです、嫌な予感が的中。
装備を合わせてなく、ガイドがそこで合わせるという事態が発生してしまいました。
最悪の上塗りです。
寒さで凍えながら、どのくらい待っただろう?
この時は本当に泣きたくなり、帰りたくなりました。
こんな状態で氷河を渡って、その後の岩場なんか登れるんだろうか…
ようやく準備が済み、全員がアンザイレン(ロープで繋ぐこと)して歩き出したはいいが、例の親子のアイゼンが外れてまた付けなおすなど、チチとして進みません。
結果的に、途中で風雨ともに強くなり、とうとう「ここで引き返す」とガイドが判断して下山となりました。
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行きは渡れた川が増水して、なんとかここで渡れました
私自身の準備不足もありましたが、悔しい気持ちがいっぱいです。
それに私も一応ガイドの身としては、こんな判断でいいの?という気持ちでいっぱい。
確かに登頂が目的のツアーだから、多少のことがあってもそこへ向けてツアーを催行するのでしょうが、そもそもあの天気で出発する決断をするというのは、どういうこと?あの親子たちにどれだけ迷惑かけられたかわかってんの?と疑問が湧きまくりです。
一つ言えることは、ケブネカイセの神様にNOと言われたんでしょうね。。。
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日向ぼっこしながら、靴を乾かしてます
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バッテンマークは冬のルート案内
最後になりますが、ショート動画を作ったので、良かったらご覧ください!
動画中のキャプションに「9年ぶり」とありますが「10年ぶり」の間違いです。