モテるお酢屋
宣伝会議のフォーラムに「富士酢」の飯尾醸造さんの回があったので聞いてきました!
お恥ずかしながら、富士酢は使ったことがなくて、商品情報全くなしの状態で参加。
飯尾醸造さんの理念として「モテるお酢屋」を掲げられているそう。
お客様や社員、その他会社に関わる関係先すべてからモテる。
わかりやすい!
ファンをつくるってことの重要性を第一に掲げられていました。
また、データから見えることではなくお客さんとの直接的なコミュニケーションを大事にしていて、商品や体験を通してファンになり、ファンの熱量を上げていく取り組みが面白かったです。
例えば、飯尾醸造は工場見学も受け入れているのですが、大型バスなどはお断りしているそう。
本当に富士酢が好き!という気持ちで来てくれるお客さんだけを受け入れたいからという発想。
それでも、3500人の方が年間で訪れるというのがスゴイ。
確かに、本当に興味をもってきてくれる人なら話しても熱い気持ちでお話したいですし、話も弾むし、富士酢の熱狂的なファンがどんどん増えていく。
大きなお酢市場全体を狙うのではなく、お酢界の超ニッチでお酢に高い価値を見出してくれる人に向けてのおもてなしを徹底する潔さに、飯尾醸造と富士酢の向かう先の責任感とビジョンを感じました。
少し規模は違うけれど、ヤッホーブルーイングさんと似てますね。
さらに、作り方のこだわりとして無農薬米を使った醸造をしているそうなのですが、そのお米からつくるという、大胆なプロジェクトもしてらっしゃいます。
約50年前から、無農薬のお米を使うことをスタート。
農家さんに掛け合って、栽培の難しい無農薬米をつくってもらっているそう。
ただ、農家の高齢化によってつくり手が減っていることに危機感を持ち、メーカー自らがその栽培をすることになりました。
でも、ノウハウも人手もないよ!
という探り探りの中、考えたのが「米づくりをイベントにして、お客さんに手伝ってもらおう!」ということ。
でも、飯尾醸造はただ手伝ってもらうだけではありません。
農業という、参加者にとって非日常なシーンで何かこちらからお返しできることはないか、と考えた結果「写真をプレゼント」してらっしゃるそう。
ステキ。
さらに、その日に食べるお弁当も人気で、山菜など山の恵みを豊富に使ったお弁当が振る舞われるそうですよ。
都会に住んでいる方にとっては、非日常で貴重な体験だし、農家さんにとっては助かるし、さらに飯尾醸造さんはファンが増える。
Win Win Winすぎますね。
本当にアイデアマンだと尊敬しました。
まだまだ、お話はこれだけではないのですが、マーケティングについてお話をお伺いしたのに、なぜかファンになってしまう。
これが「モテるお酢屋」なんだ、と身をもって体感しました。
小さいからこそできること、制限されているからこそ生まれるアイデア。
できない!ではなく、一旦考えてみる。
あきらめが早い私には胸が痛いですが、心に余裕をもって粘り強く考えたり相談したり、コミュニケーション取ったり、してみようと思いました。
本気で向き合うって素晴らしい。