理想のキッチン探し81検証編・引っ越し後
前の部屋からざっくり1年がかりで見つけた今の部屋。前の部屋とエリアが大きくは変わらないため、ある程度は土地勘を生かせる立地です。自転車があれば3線使える状況も維持。スーパーは微妙ですが、自転車を使ってあちこち行きます。前からうすうす気づいていたのですが、この辺り一帯は、農道をそのまま使ったと思われる路地が多く、散歩は楽しいですが、すばやく移動するにはややこし過ぎる、あみだくじのようなジグザグの道です。火事があったら、ちょっと怖いかもしれませんが、大家さんが地の人らしいので、地盤は大丈夫かと思います。
住まいは3階建てアパートの3階全部で、木造なのですが、メーカー住宅で耐震基準はばっちりクリア。2015年に建ったので、より厳しい基準にのっとっています。しかも、最近注目される樹脂サッシ+ダブルガラスなので、気密性が高く、冬はあまり寒くありませんでした。
3LDKなのは今までと変わらずですが、収納がたぶん全体の4分の1ぐらいはありそうな、96㎡の超広い部屋です。3階まで内階段で、1階と2階の収納もあります。1階と2階の他の部分は3部屋ずつあって、不思議な構造。お届け物の受け渡しが面倒なのと、疲れているときに3階まで上がるのが面倒。というのと、階段空間が狭いので、引っ越し時は大きな本棚を吊って入れてもらいました。素人には、90センチ幅以上の家具も冷蔵庫も出し入れができない。
多少の難はありますが、ここを選んだのは、何といってもキッチンが広いからです。トップにある写真の通り。また動画を上げますが、愛媛の料理家、やのくにこさんのご提案でホームパーティをした際、最大5人がキッチン内で同時に作業できました。
今回のキッチンは、初めての2列型引き出し式、そしてフラット換気扇。一戸建てを買う人がよく使うようなキッチンなので、検証のしがいがあります。フラット換気扇は、残念ながら音はうるさいです。しかし、もう不織布のフィルターを買わなくていいので、コスト削減ができます。換気扇の上に何か置いたっていいんです、まだ思いつかないですが。
引き出し式の収納は、開けると全体が一覧できるのが便利だと使って気づきました。使う前は、奥のモノが取り出しやすいことしかわかっていませんでした。そして、レールがおそらく海外製の上質なモノなので、大きくて重いのに軽く開け閉めできます。「阿古真理のキッチン探しストーリー」の取材で知った、ソフトクローズというやつですね。自分でしっかり閉めなくても、最後は自動的に閉まります。
一時置き場がたくさんできたのが、何といってもありがたいです。背面の棚はできるだけ空間を空けておき、オーブン料理をしたら、天板を横に置く、冷蔵庫から出した食材は横に置く、残った料理が入った皿や鍋も置く、など使い勝手は十分です。
3口ガスコンロは、ハーマンだからか、とろ火もできます。まだジャムを作る時間が取れないのが残念。ただ炎の色がかなり薄いので、見えづらいのが難点と言えば難点。ごとくは単独なので、鍋をずらすとかはできません。コンロの右横も前と同じく10センチ幅なので、大きめの鍋は置けません。コンロ奥に台を置こうと思っていますが、まだ買えていません。それがあれば、ちょっと鍋をよけておくことができるので、助かります。それにしても3口でもコンロが足りないときがあるのは、なぜなんでしょう……。
吊戸棚は手が届く高さですが、上のほうは届かないので、可動棚を動かして、2段目まで何とか届くようにしました。最上段は使っていません。何しろ広くてスカスカなので。
難点は、2つ。冷蔵庫がドアの位置の関係で、一番奥にしか置けないので、やりたくなかったコンロ前になってしまったこと。なるべく火を使っているときは開けません。食材などの出し入れは、横の棚に置けるから便利ですが、そうでなくても、階段で上る3階の一番奥の部屋で、その一番奥に冷蔵庫があるというのは、なかなか買い物後がしんどいです。
引っ越し前は冷蔵庫を手前に、コンロ前は無印のオープン棚を置いて鍋置き場に、と考えていたプランが崩れ去り、鍋はコンロ下の引き出し2つ、換気扇横の吊戸棚内と3カ所に分かれてしまいました。今までルミナスの棚で簡単に出し入れできたのが、いちいち引き出しを開ける、そしてその引き出しの選択肢が多い、というので、面倒です。また、先日夫が一度、鍋の柄に手を引っかけて、中に残っていた味噌汁を、引き出し内と床にぶちまけてしまいました。いつかはどちらかがやる、と思っていた失敗です。うーむ。私もきっとそのうちやらかすでしょう。
鍋はラックを入れて縦に並べている人がいますが、あれって便利なんですか? 現状は、柄つきの鍋を大きな引き出しに入れ、ふた類を100円ショップで買ったケースに入れています。重い両手鍋は下の引き出しに。どういう使い方がベストかまだわからないです。
対面キッチンになり、部屋が明るいので、キッチンも明るくなりました。奥にドアがあってベランダに出られますが、このガラス張りのドアもダブルサッシで窓枠が樹脂製なので、冬も寒くありませんでした。以前の雪谷の小さなルーバー窓とはまるで違う。窓の断熱性能の違いをまざまざと知ることになりました。あとは夏がどの程度暑いのか、ですね。
前の部屋ではドアから出てすぐ裏側の収納をパントリーとして使いましたが、今度は廊下を挟んで隣に納戸があり、その一部をゴミ箱置き場、ビニール袋置き場として使っています。キッチンで作業中に出るゴミは、生ゴミはシンクの上(中ではない!)に置いてビニール袋、広告紙を入れた三角コーナーにいったん入れ、夜にビニールごと取り出して縛り、生ゴミ箱に入れます。なので、生ゴミ箱は必ずしもキッチン内になくてもいいのです。すぐに出し入れしたいのは、プラゴミだけなので、このゴミ箱だけはキッチンの一番手前のシンクの斜め後ろの位置に置いています。このゴミ箱の大きさを、このままでいいのか検討中です。何しろプラゴミ、大量に出るので。
あと、うっかり内見時にチェックし忘れたのがシンクの深さ。なんと21センチもありました。これを計っていたら引っ越さなかったかもしれないので、測らなくてかえってよかったです。でも、引っ越しして2か月経ち、ついに洗い物を週5日担当する夫が、「腰が痛い!」と言い出しました。やはり深過ぎるのはよくない。すのこ的なモノを置くことも検討したいですが、汚れが溜まりやすくなるのが心配です。とりあえず、一番負担が大きい排水口掃除を私が担当することにしよう、と昨夜話し合いました。排水口はトラップが浅い設計なので、ラクです。
そんなわけで、現在のキッチンは、難点が少しありますが、だいたいは快適に使えているので、理想の9割に届いた、という感じです。苦労して探したかいがありました。引き続き、この理想のキッチン探しの書籍化、皆さんの理想のキッチンの取材記事の連載、版元さんを探していますので、どうぞよろしくお願いします!
今のキッチンの動画はこちら。
前の部屋のレポートはこちら。
前の部屋の動画はこちら。