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川は読み物、コーヒーと初詣、花。(日記)

フィルムカメラで写真を撮影しに出かけた。
撮影したことのない駅に降りた。
橋の多い街だ。

よく晴れた昼近く、
川からの照り返す光が眩しく、
影が濃かった。

通りのビルの窓越しにクロワッサンが見えた。
覗き込むとカフェだった。気になったけど、
景色を探す好奇心が歩き続けた。

なんでもない植え込みを撮る。
川を撮る。川は面白い。
川には自然があり、歴史や文化があり、
いろいろな観点から読み解ける読み物だ。

橋もいいし、坂もいい。
地名は読み物だ。
あるいはバスの停留所も。
人がしおりのように立っている。
それは写真には撮らなかった。

先ほどのカフェに入って、
小ぶりな豆パンとコーヒーを頼む。
「バターのいい香りがしますね」
お店の方に話しかけると、
クロワッサンが焼き上がったそうだ。
しかし、お腹のスペースがさほどなく、
次回だな、と内側で小さく再来店を誓う。

ゆったりしたソファの席で大切な人に
メッセージを書いて送る。
少し涙が溢れた。
わたしは、心が動くと泣く。
カフェの加湿器の湯気と観葉植物の緑。

30分ほどでカフェを出て、地下鉄に乗った。
乗り換えのため少し歩くと赤い門。
ついでなので、お寺で初詣。
チョコレートのサンプルをいただいた。
子供にあげます、と言ったら、
メーカーの人が顔をほころばせた。

また地下鉄に乗り、現像フィルムを取りに行き、
大荷物用の目当てのバッグを探したけど、
それはなくて、しかし、小さなお花屋さんで、
大好きなラナンキュラスを見つけた。
少し迷って、ピンクとベージュっぽいのと、
イエローのラナンキュラスをお迎えした。

花を持って家に帰るのは御機嫌だ。
家に着いたら、水あげして、その間、
コーヒーを淹れよう。
深煎りと中煎りのブレンドの豆。ミルク。





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