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「好きなことを仕事に」で苦しむあなたに、小商という生き方を届けたい

こんにちは。ヒロカズです。梅雨の低気圧のせいか、体調があまり優れなかったのですが、いろんな角度から「ご自愛」してみて矢印が上向きになりつつあります。

今日は、「小商」という言葉について書いてみようと思います。

一年前に社会から脱線して、ポエマーみたいなnoteを書く時期もありましたが、いろんなご縁や機会、人たちに恵まれて、「自分の中で揺るぎないもの」が作られつつあります。それが「小商」という生き方。

タイトルにあるように、「好きなことを仕事に」という言葉で悩んだり苦しんでいる人に届いて欲しい、そんな想いを込めて書きます。

僕らはNewsPicks世代なのかもしれない

96世代の僕は、ちょうど3年前あたりに就職活動を始めました。そのタイミングで少しばかり社会に興味を持ち初めて、「先進的なもの」に触れはじめていました。

その一つが「NewsPicks」。ちょっといけてるベンチャー企業に憧れを持った人は、一度は必ず目にしたことがあるのではないでしょうか。ホリエモンや落合陽一が普段考えていることが、ちょっといい感じのクリエイティブと編集がかかり、文章や時には動画として手元に届いてきます。

正直、当時も今も、彼らは考えはきちんと理解できません。難しい。僕の教養がないのも一理ありますが、生きている世界が違いすぎて困っていました。自分が実現したい未来をつくるプロセスにおいて、ビジネスや起業が出てくることはあるけど、それが一番の関心で全く持ってない。だから、これからのトレンドとかビジネスについてだけの話に関心がそこまで湧いてこない。

でも就活生の僕は、「自分が実現したい未来」を考えることをせずに、NewsPicksのようなメディアが流す、だれかのそれっっぽい考えばかりを目にしていたんですよね。

そうしている内に「好きなことを仕事にしないとダメ」という幻想が作られていったんですよね。その一つが「好きなことを仕事に」といった類の言葉たち。時代の流れもあり「ライフワーク」といった言葉が広く知れ渡っているからこそ、好きなことを仕事にしているような人たちがたくさん取り上げられる。そういったメディアのどこかに、「好きなことを仕事にしないとダサい」みたいな二項対立を引き起こす何かがあるような気がしているんです。だから、従来のマジョリティのような大企業に進む就活は「悪」と思ってました。仕事をやめた当初も、「せっかくやめたんだから、面白いことをしないといけない」と思っていた気がします。

そのどこかがしんどい。「したい」ではなく「ねば」の世界に生きているから、心と体はついてこない。でも頭が無理やり「ねば」の世界で頑張らせてくる。「好きなこと」にたいして苦しい気持ちが湧いてきました。どうして好きなことなのに、嫌いになっているんだろう、と残念さも抱いていました。こうしても僕は「好きなこと」を仕事にすることに多少の諦めも感じていました。

「小商」が僕を拾ってくれた

そんな僕の流れが変わり始めたのは、「小商」と出会った時から。

僕は「小商」を以下のように定義しています。

①好きドリブンで、②人を巻き込み対価をもらい、③小さく早く自分のモチベーションが保てる範囲、のビジネス(商い)

なぜこの定義が生まれていったのかを、僕の小商ストーリーに交えてお伝えしたいと思います。

ことの発端は一年前にスパイスカレーを作り出してから。住んでいるシェアハウスや、ソーシャルバーPORTOで、自分がつくったスパイスカレーを小さく提供させてもらっていました。感覚としては「作らせていただいている」というもの。お金も少しばかりで、トントンかちょっと上乗せくらいでしたが、それがとても楽しかったんです。

副業ではなく「小商」

まずは利益がどうとか気にする必要がなかったこと。ただ作ること、食べてもらうことが好きというのが一番の理由だったから、利益を出すためには〜なんて悩む必要がなかった。利益を考えることがダメではなく、利益>スキ、という順番ではなかったので、振舞うこと自体を心から楽しめていました。副業ではなく「小商」と思っていて、利益よりも自分が好きかどうかを最優先にすることが、小商のいいところ。つい大きな仕事だと、維持するための利益を避けることができないですが、小商だとそこまで大きいものを目指す必要がないんですよね。

趣味ではなく「小商」

次は、人を巻き込めていたこと。一人でカレーをつくって食べるのも楽しいですが、振る舞って「美味しかったよ」という返しをもらえた時の喜びは、何にも変え難いもの。どこか「自分」という存在が受け止めてもらえたような感覚がありました。

起業ではなく「小商」

対価を少しばかりもらえたことも、小商のGOODなポイントでした。対価がもらえるからこそ、費用的にも続けられる。カレーをより美味しくするための材料・器具の費用にも当てることができました。全く報酬をもらわずに提供することってサステナブルではない。好きなことを振る舞い続けるために、「小商」として対価をいただくことが、続けられる流れを生み出してくれました。

最後に、「小さく無理のない範囲で」という特徴。起業や事業にする必要はないからこそ、自分のモチベーションが保てる範囲でしかやらない。「やりたいからやっている」という状態で「好きなこと」ができていました。作りたい時に作るし、作れない量・頻度は「無理」と言う。小商だからこそ「No」が言いやすい。

あくまで僕が好きなカレーをふるまいたいだけで、カレー屋さんになりたいわけではありませんでした。むしろカレー屋さんにせずに「小商」として続けようとするからこそ、今の今まで作っているし、カレー教室にまでなってしまったと思っています。あえて「小さく」することが、「好きなこと」を仕事にする上で重要なポイントだと思っています。

「好きなことを仕事に」で苦しむ人に小商をして欲しい

「小商」は、起業や副業と対立するものではないと思っています。大きな事業もそれ自体は素晴らしいことだし、利益を得ることは社会で生きる上でとても大切。

僕が小商という生き方を伝えたいのは、「好きなことを仕事に」という言葉で苦しんでいる人たち。もっと楽しく仕事をしたい。仕事とか以前に楽しみたい。そんな人たちが小商をすることで、「好きなことをする楽しみ」「人に振舞う楽しみ」「何かが返ってくる楽しみ」を感じて欲しいと思っています。起業やイケてるベンチャーだけでなく、こんな生き方あるんだよ。そんな提言をしていきたいです。

ぼくがスパイスカレーの教室をやることも、「小商」という生き方を体現したいからです。これならできるかも?と、みてくれる人に思って欲しい。そんな願いも込めて、小さくカレーの教室をやっていきます。


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