動画編集の中で、やりたくないこと、やりたいことがわかった話。
10月末、近所の団地の集会場で、
「ファッションショー」が行われた。
私もそのファッションショーに気取って参加したうえ、30分にも及ぶ動画の編集を引き受け、つい先日完成した。
団地の住民の方が企画したイベントで、
「着なくなったけど捨てられない洋服に袖を通して、ランウェイを歩こう」というもの。
春頃から話すようになった、この団地に住む同世代の先輩夫婦がいて、
「長橋さんも出ない?」と9月末に誘われた。
そんな楽しそうなイベント…断るわけない。笑
住人じゃないけどいいの?と聞くと、誰でも参加してよいとのこと。
(実は元住人なんだけど)
聞けば、主にご年配の方が10名ほど参加予定で、先輩夫婦のご主人(以下、パパ友)も出るという。
何回目かの打ち合わせに1度だけ参加した際、当日の流れや、役割分担などが話し合われた。
さらに、
「ファッションショーに出る人は着用予定の衣装にまつわるエピソードを書いて欲しい」ということで、モデルたちは、配られた原稿用紙に、衣装をめぐる思い出を黙々と綴った。
私もどさくさに紛れて書いた。
当日、進行・ナレーションを務める方がそれを読み上げてくれるらしい。
撮影はそのパパ友がするらしく、
「出場もして、撮影もして大変ですねぇ」というと、
「撮影はいいんだけど、そのあとの編集がね」というので、
「私やりましょか」とすかさず安請け合いした。
仕事や地域ボランティアで自分のリソースはパンパンなのに、私ってやつはすぐに、「役立つ自分」を演出しようとして、引き受けてしまうところがある。要改善ポイントだ。
本当にアホだわ、と自分を呪いながら、11月、30分間の動画の編集に3日費やした。
テロップを入れたり、必要な場面でズームアップしたり、ナレーションの言い間違いが気になる箇所をカットしたりと、特に頭を使うこともない作業をしていたのだが、この「作業」には、信じられないほど、ときめかない。
私じゃなくてもいいよな、という「作業」には全く気分が乗らず、集中できないことが今回わかって驚いた。
とはいえ、動画編集のおかげで、出場者の方々の、衣装にまつわるエピソードをおさらいできたのは良かった。お名前も覚えられた。
80歳でもこんなに華があるってすごいな…
私なんてこの方の半分しか生きてないんだ。
まだまだがんばれるな!
とか、
98歳でここまで黒いドレスを美しく着こなせる方がいるなんて。天国のご主人とダンスを踊った思い出…こんな素敵な方の動画編集ができて幸せだ…
など、地域の人生の先輩方への思い入れは強まった。
途中、やってられん…という気持ちになったことは白状するが、最終的には満足していた。
11月末に、出来上がった動画をYouTubeの限定公開でアップロードして、代表の方にメールして確認いただいたところ、とても喜んでもらえたので、あとでDVDに焼きますね〜とお伝えした。
しかし、そこから連絡がないので、
11月中の約束だったけど、もしかしたらそんなに急いでなかったのかな?と思い、
とふと思いたち、勝手に作り始めた。
本当は、作りたいと一瞬頭をよぎったのに、時間がないからと諦めていたのだ。
「もしまだ待っていただけるなら、エンドロール作ります。いらなかったら消すので、遠慮なく言ってください」とメールした。
そこから、動画より名シーン画像を出場者の数だけ切り取り、作り方を調べながら、1時間半ほどで完成させた。
テロップをダラダラと入れていたときとは雲泥の差の集中力だった。
出来上がったエンドロールを観て、私は涙ぐんだ。笑
エンドロールがあるだけでこんなに感動的になるんだな…
そのとき、
同じ動画編集でも、
心を揺すぶるような、心の琴線に触れるような動画編集をしたいんだということをはっきりと認識した。
そして、そんなときは集中力も発揮するんだな、ということにも。
説明動画制作や切り抜き動画の編集などは、やってできなくはないが、心がときめかない。
やはりなんでも、やってみないと気づけないよなぁと思った。
代表の方にも、さらに喜んでもらえた。
年始に、出演した皆さんにお披露目するのが楽しみだ。
動画を載せることはできないので、せめて自分のパートの画像だけ…