アート/Tom Yorke
1人の人間が放つ音のアート。
チームラボのプロジェクション・マッピングの世界を堪能した気分。
トム・ヨークという館長が厳選した音の芸術品、ないし美術品を五感で味わった…
いや、本当に美術館でアートを愛でた気分だ。
ただいまレディオヘッドやザ・スマイルのフロントマンであるトム・ヨークの来日公演真っ最中。
本日11月12日、大阪公演(大阪府立国際会議場)のライブに行ってまいりました。
会場内を埋め尽くす多くの人々。
そして1人のアーティスト。
果たしてどのような世界が広がっていくのか…。
とりあえず細かいセットリストや、曲紹介とかはあまり触れないでおこう。
ええ。
ストレートにライブを味わった感想を記してみたい。
タイトルに記している「アート」。
まさしくそれだ。
音というのは1人のアーティストによっていかに芸術品へと昇華していくのか…。
その過程をライブというパフォーマンスを通じて、今までに体験したことのない領域のアートを全ての神経で体感した…。
うん、マジ凄かった💦
デジタルやテクノロジーの力。
そして会場の音の伝わり方!
四方八方から音が襲いかかってくる感じ。
さらにトム・ヨークが選び抜いた「音」に合わせて弾けるバックライトや、映像たち。
ここは真夜中のクラブ・シーンのよう。
時にトムはDJ のように音と戯れ、会場を揺れ動かす。
あらゆるテクノロジーを駆使してトムが作品を解体し、そして再構築していく。
その世界に没入した。
意識はその作品の内側に入り込んでいく気分だった。
この領域は中々他のアーティストでは感じれない世界観だ。
どのようなライブが良いかと言っているわけではない。
ただ今回のトム・ヨークソロツアー。
トム・ヨークというフィジカルを通じて放たれる「アート」は、テクノロジーに重点を置いているようで、その実生身の肉体を駆使して、無機的に生命の鼓動を伝えているかのようだ。
それだけ生命を感じないようでいて、生命のアートを刻銘に刻んでいた。
一見して機械的な冷たさが思考を支配するのか…。
いや、そこにはトム・ヨークという1人の人間の血の通った意思しか感じない。
デジタルやテクノロジーだからこそ表現できる世界観…。
もはや地球規模で、全ての生き物の呼吸や命の鼓動。
そしてあらゆるシーンでの地球の呼吸や、それに合わせて高鳴るテクノロジーの血脈といった、全ての事象に対して鳴らしている「アート」と自分には感じれた。
何言ってンのよって話だけど💦
例えば大都会の真ん中でそのアートが広がっていても違和感はない。
かといって大自然に溢れた森林の中でそのアートが鳴っていてもおかしくない。
どんな国だろうが
深海の中だろうが
砂漠だろうが
雪深い世界だろうが
トム・ヨークの「アート」は地球上のいたる所で、そのアートを感じさせてくれる。
生物の命
テクノロジーの鼓動
相反するかもしれないような脈打つリズムをトムは見事にアートとして昇華してくれた。
それはあらゆる森羅万象を1人の人間、そして人間が生み出したテクノロジーを駆使して表現したともいえる。
地球規模の音の営みを代弁してくれたかのようだった。
それだけ圧倒的だった。
時折見せるトム・ヨークの、トム・ヨークたる前衛的にも感じられるダンス(勝手にトムダンスと思っている。)
それすらも古代からの人類の歩みを感じられるようで。
その全てに感銘を受けました。
圧倒的なトムのフィジカル。
無機質なテクノロジーという名の祝祭…。
いや、マジその2つがかけ合わさったら「アート」であり、「祝祭」でもあるんですね。
後、忘れてはならないのがトムが見せた弾き語りでのパフォーマンス。
これがムッチャ良かった。
ギターの音も。
トム・ヨークの声も。
トムの声は感情に突き刺さる。
色々な感情を内包して、その声は聴く者の心を震わす。
凄く良い声でした。
今回のセットリスト的に弾き語りでの演奏は少なかったが、かえってそれがアクセントになり、生身の肉体的な音をより感じれた。
アートの世界に飛んだ意思を、また地に足をつけてくれるというか。
最初から最後まで圧倒されっぱなし。
美メロでもあり
ノイジーでもあり
理路整然でもあり
混沌ともしており
無機質で
有機的で
前衛的で
人としての血の通ったアート。
そこにはデジタルから生み出される音の洪水など関係ない。
それは1つの手段。
トム・ヨークがアートとして選んだ「テクノロジー」という手段は、かくも地球上の生命の躍動を表現するのか。
そんなことをアンコールが終わった後の、観客からの万雷の拍手を一手に浴び、深々と頭を下げるトム・ヨークの姿を見て感じた。
希代のエンターテイナー。
いや、マジ凄かった。
その興奮を忘れない内に記事にしとかないと…。
これから続くトム・ヨークソロツアー。
どうか行かれる方々には本当に楽しんで頂きたいと心から願うばかり。
とりあえず自分のライブ感想はそんな感じで。
自分の中での話だが、今年見たライブで一番良かったかも…。
いや、それだけトム・ヨークが音と戯れる様子が印象に残りました。
以上です。
最後にライブで披露していた楽曲「オール・アイ・ニード」のレディオヘッドバージョンを。
よろしければご視聴下さい。
記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます!