私の中のインナーチャイルド④
結婚して一ヶ月して夫が
会社をクビになりました。
理由は転勤を拒否したようでした。
「お前のためだ。
妻がいるに引っ越しなんてできるわけねぇーだろ。
バカな会社だ。
俺のことなめやがって。」
とお酒を飲みながら毎日同じような話をするようになりました。
機嫌が悪い相手に対して、
ご機嫌を取ってしまう私の悪いくせがここで発揮されてしまい、
毎日夫の機嫌を取っていました。
夫の言っていることは間違っていると思っていても
恐怖で何も言えませんでした。
壁や家具を蹴飛ばすようになったので
恐くてさらに逆らえなくなっていました。
※※注意!※※
ここから暴力的な表現が多くなります。
過食症の話も出てきます。
苦手な方もご遠慮下さい。
興味のある方だけでお願いします。
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よく聞かれるのが
結婚前に分からなかったのか?
ということでした。
正直いうと分かりませんでした。
今思えば
彼はおそらく
目的達成のために
全力で優しさを持ち寄っていたのでしょう。
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結婚してクビになったものの
次の仕事は決まりなんとか生活の目処はつきました。
変だなと思い始めたのは
段々おかしなルールが
設けられてきたことでした。
・俺がテレビを見ているときは家事をしてはいけない。
・休みの日、俺が起きるまでは洗濯機を回してはいけない。(起きてくるのは12時くらい。)
・夕飯は食べるか食べないかは分からないが、作っておかなければならない。(食べてもらえたことはほとんどないです。)
・俺がしゃべってるときは座って黙って聞いてなくてはいけない。トイレも許可が必要。
などなど
わかりやすいものでざっとこのような感じでしょうか。
それから
私をとても混乱させたが
夫の中に両極端な二つの人格があることでした。
優しいときは
「梢ちゃんはそのまんまでいいんだよ。梢ちゃんのために買ったお家なんだから、梢ちゃんの好きにしていいんだよ。もうそんなルール気にしないでいいからのんびりしててよ。梢ちゃんがのんびりしてると思うと仕事頑張れるよ。もう二度と怒鳴ったりしないよ。」
寒気がするくらい優しいのです。
しかし一度スイッチがはいると
「俺に口答えするんじゃねぇ。お前なんて誰も相手にしねぇんだよ。俺が怒ってるんじゃない、お前が俺を怒らせてるんだぞ?わかってんのか?誰のお陰で飯食ってんだよ。そんなに俺のこと気に入らねぇならお前が明日俺の会社行ってこいよ。夫の代わりに来ました、私になにかできることありますか?ってお前が頭下げてこい!それができねーんだったら二度と俺に逆らうなよ!」
↑これのスイッチというのが
ルールを守れなかったときや
例えば、些細なことで
電気がつけっぱなしだったとか
やかんにお湯がちょっと残っていたとか
チルドが少し空いていたとか。
確かにどれも経済的な面から言うと
良くない点です。
しかし
おそらく夫のなかできっかけはなんでもいい。
目的は怒ることみたいでした。
優しさもそのための手段なのでしょう。
一度地雷を踏んでしまうと
もはや何を言っても
何も言わなくても
謝っても謝らなくても
“叱責の時間”が始まりました。
それは怒声、怒声に次ぐ怒声。
なぜ私は家をでなかったのか。
なぜでしょうか。
おそらく
結婚さえすれば幸せになれる
という母親の呪縛が
このときはまだ解けていなかったのでしょう。
とにかく私は
ここにおさまっていないと
周りに迷惑がかかる。
そう。
“周りに迷惑がかかる”。
それは私にとって
最も避けなければいけないことでした。
ずっとそうして生きてきたのです。
親をなぐさめ
親に愛を注ぎ
誰にも迷惑をかけないで
親に満足してもらう。
そのことが私をずっと縛っていました。
しかし夫になじられる日々は
私の精神に異常を起こしました。
過食症の症状があらわれました。
夫のいないところで
お腹も空いていないのに
とにかくお腹をパンパンにしたくて
涙を流しながら
無我夢中で食べ物を胃に押し込んでいました。
苦しくて苦しくて
もう食べられないはずなのに
家にあるものを片っ端から食べないと
気が済まなかったのです。
最後は泣きながら
疲れはてて眠りました。
そうして起きると少し
気持ちが楽になる気がして。
こんなことをもう二度としちゃいけないと
いつも心に誓うのです。
しかし結局
週に2回程度このような生活を
およそ5年にわたり続けていました。
過食症に悩む日々のなかで
アダルトチルドレンという言葉に出会いました。
夫はこれかもしれない。
そう思いました。
このときはまだ自分のなかにもアダルトチルドレン的要素があることには気づきませんでした。
ただ、夫は間違いなくこれだと思い
夫に話をしてみました。
すると意外にも、
夫はそれを認めてくれました。
夫は今まで辛かったこと
親との関係にずっと悩んでいたこと
親からトラウマに苦しんでいること
怒鳴りなくないのにスイッチが入ると自分でも止められないこと
突然怒鳴ったりするのをやめたいこと
私に吐露してくれました。
私は夫のためにと
アダルトチルドレンの本を読み漁り、
私は夫を救うのだというと正義感と使命感に
溺れていました。
それで一時期は少しよくなったように思いました。
しかし甘かった。
私はかりそめの達成感に身を委ねていました。
夫の闇はこんなことでは晴れることはなかったのです。
そしてまた
事態が一変する出来事が起こります。
子供を出産したことでした。
⑤へつづく。
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