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『人間の建設』No.34 人間の生きかた №2〈ドストエフスキー〉
岡 ……ドストエフスキーの小説も、どこへ発展するか分かりませんね。
小林 ええ。その点では、文学者のうちで極端にそういう型の人でしょう。ドストエフスキーをお好きな様ですね。どこかで「白痴」のことを書いていらっしゃいましたね。私はドストエフスキーのことはずいぶん書いたんですが、いまだってわかっているわけではないのです。最近「白痴」を書きました。
岡 ドストエフスキーの特徴が「白痴」にいちばんよく出ているのではないかと思います。
上の会話に出てきた「白痴」、わたしは未読です。おぼろげですが、昔実家の本棚にあった世界文学全集の一冊を手に取って読み始めた記憶はあるのですが、あまり進まないうちに頓挫してしまいました。
ドストエフスキーの特徴が一番よく出ているのが「白痴」ですか。読んでみたいという気持ちが出てきそうです。
さて、対談の方は20代に人生の方向が決まるかという点に移ります。
小林 ドストエフスキーは自分で「白痴」が一番好きなんです。私も好きです。ドストエフスキーをよく見ますと、始めに方向が決まって、死ぬまでほかのことはしていませんな。……岡さんも20代にそういうことをおやりになって、方向は変わっていないでしょう。
岡 変えられませんよ。
小林 僕らも不思議なことだが、振りかえってみますと、20代でこれはと思ったことは変えていませんね。それを一歩も出ないのです。ただそれを少し詳しくしているだけですね。
20代で始めた仕事とおなじことをわたしも続けています。まあ、会社員ですからそれが普通のことかもしれません。定年後、再雇用の身分となったいまもおなじことです。
この会話のあとに、小林さんがつづけて「私は人というものがわからないとつまらないのです。だれの文章を読んでいても、その人がわかると……おもしろくなります」といい、岡さんは「個人の存在が底までわかり、従ってその全体像がわかってはじめて、その人の残した一言一句も本当にわかるのですね」と継ぎます。
ここでおふたりが言っているのは、ひとつは、伝記や評伝を読んで作者のことを知る。ひとつは、作者のことを分かるまで作品を深く読む、ということでしょうか。後者の方は難しそうですが、それも読書の楽しみかも。
「未成年」「悪霊」などの未読の小説も、「白痴」とあわせて今後読んでみたいという気はあります。ただ、他の小説家を読むのとは少し違い「気合」が必要な気はします。いや、あまり意識せずチャレンジしましょう。
小説は、現代語訳で読めますので、小林さんのドスエフスキーに関する著作は、読むとしたらそのあとにしますか。本居宣長の場合とは逆順にしましょう。
―つづく――
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※mitsuki sora さんの画像をお借りしました。
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