大腿筋膜張筋のスタティックストレッチ[sstr-hj-002]
走るための身体の準備の専門家
ABCR菅原航陽
によるコンディショニングシリーズ
今回は
・股関節の外旋筋群の機能制限の緩和
・股関節の内転筋群の機能制限の緩和
といった目的で使えるスタティックストレッチを紹介します。
少し難しく書いてしまいましたが、走っている時の状態として
・膝が内に入りやすい
・身体の外側に体重がかかりやすい
・外方向に向かって蹴ってしまいやすい
等を感じられる方には、多分ある程度必須のストレッチと言えるでしょう。
走りの中ではあまり使いすぎたくは無い筋肉ですが、動きのエラーがあるとかなり張りやすくなってしまう筋肉なので、そのケア方法を知っておくと良いでしょう。
☆伸ばす筋肉☆
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
☆やり方☆
①椅子に腰かけるのが一番やりやすいと思います。出来れば腰かけた時に膝が90°程度になる椅子が一番ストレッチ感を感じやすくなります。
②伸ばす側の足首を逆脚の膝よりも少し上に乗せます。
③背筋を伸ばしながら、伸ばしたい側の膝を同じ側の手で床方向に向かってしっかりと押さえつけながら、上半身は逆方向前方約45°(時計で言う10時もしくは14時の方向)に向かって倒れこんで行きます。
※倒れこみの方向は骨盤の角度等によって個人差がありますので、一番伸び感を感じられる方向を探しながら行ってみて下さい。
☆ポイント☆
1.倒れこみの深さよりも背筋が伸びていることを大切に。
※背中が丸まってしまうと伸びを感じにくくなります。
2.膝の押し込みは結構強めに
※膝を押し込む = 股関節を外旋させることでストレッチになります。膝の押し込みが弱いと十分な伸び感を感じられない場合があります。
☆+ワンポイント☆
やり方の似たストレッチに
があります。ランナーが痛めやすい「腸脛靭帯」は、この大腿筋膜張筋と大殿筋の2つの筋肉が筋膜様の組織に変化して走行しているものなので、腸脛靭帯のケアとして併せて行っておくと良いかもしれません。
また、伸ばすだけでは荷重した際にまた元の動きに戻ってしまう場合がほとんどですので、
・Clam shell excercise
で股関節外旋機能(筋力)を高めることも同時に行うと良いでしょう。
☆但し書き☆
身体の構造的な個人差や様々なパーツとの連動、タイミング等、走りを作る要素は非常にたくさんありますので、全てのエクササイズや動きの説明については、あくまでも一般的なこととして記載しております。
全ての方に同じ説明・同じ方法が当てはまるものではございませんので、ご質問等ございましたら
までお待ち致しております。
「ただ走る」だけでなく、「走るための身体の準備」も併せて行うことが、より走りを楽しむために大切なことを広く伝えて行きたいと思っております。 よろしければサポートをお待ちしております!