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炎症は悪者?
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こちらの記事は 2024年8月17日 に信州Lycaonsのページで公開した記事を一部内容を改変して転載したものになります。
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二週間空いてしまいましたが、火曜担当の栄養チームと相談して、火曜と金曜を隔週更新とすることにさせていただきました🙇♂️
正直なかなかビュー数の上がらない火曜金曜の専門スタッフチーム発信noteですが、引き続き知っておいて欲しいこと、お役に立てそうなことをお伝えできるように頑張ります!!
さて、今回ですが、前回のRICE処置改めPRICES処置の中にも出てきた
「炎症」
ってやつを取り上げてみたいと思います。
炎症、なんか嫌な響きというか、多分基本的には敵だったり悪だったりなイメージだと思うんですが、炎症ってなんなのか、ちゃんと理解できてますか?
目次
炎症はどこで起きるのか
【第一段階その1】一次的炎症反応
血管の反応
細胞の反応
【第一段階その1】二次的炎症反応
神経の反応
【第ニ・第三段階】線維増殖と瘢痕形成→瘢痕成熟
炎症はどこで起きるのか
炎症は身体のある一部の器官で起きるわけではなく、損傷を受けた組織、例えば骨格筋であれば、その中に存在する「血管」「細胞」「神経」等、さまざまな組織が関与するものです。
それは「炎症=痛み=悪」ということではなく、炎症とは
組織修復のプロセス
なので、痛みというのももちろんその一部であり不快なものかもしれませんが、組織修復に必要な大切な反応であることを意味しています。
【第一段階その1】一次的炎症反応
血管の反応
基本的に組織の修復プロセスである炎症反応を考える時には、「手を切っちゃった」みたいな皮膚表面の傷とかで考えるとわかりやすいかと思います。
ちなみに傷のことを専門的には「創(そう)」と言います。
で、包丁とかで手を切っちゃうと、血が出ますよね?
肉離れだったり捻挫だったり、体表面では見えない組織でも同じように出血が起こります。
筋肉にも靭帯にも血管が通ってますからね。
靭帯組織は筋組織に比べて血管が少ないですが。
この出血(内出血)が炎症が起きた時の組織の腫れの原因の一つでもあり、また熱感だったり発赤(赤くなったり赤黒くなったり)の原因でもあります。
血は赤くて熱を持ってますよね?
そこに血管を修復する血小板とかが集まってきて、まずは止血をしようと試みるわけです。
この時に損傷の程度がひどくて出血量が多かったりすると止血しきれず周囲の組織が血の海に溺れてあっぷあっぷして窒息死してしまうというのは前回お話しました。
それを防ぐためにまずは冷やして血液の運搬を一時的に止めてしまいましょうというのがアイシングであり圧迫でありという処置なんですね。
細胞の反応
血管の反応と同時に(厳密には血管反応に続いて)、細胞レベルでも組織修復のプロフェッショナルが動き始めます。
この時活躍するのが白血球、好中球、リンパ球、単球などです。
火災現場での連携を想像してください。
白血球が消防署への通報を、好中球が先陣を切って現場に駆けつけるレスキュー車のような役割を、リンパ球が消火能力が高いハシゴ車みたいな感じで後から駆けつけ、単核球はマクロファージとなって現場のゴミを食べて処理してくれるような役割を果たします。
このように色んな細胞がリンパ液に乗って集まってくることによっても患部の腫れが見られます。
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なので、急性期(急性外傷による大きな出血を伴うもの)には赤っぽい色をした腫れ方をしていたものが、慢性期では赤くならないけど腫れていたり、オーバーユース系の慢性障害でも腫れが見られるのはこのためです。
そう考えると慢性障害ではアイシングをする意味はなくない?と考えられるかもしれませんが、そういう場合もありますし、後述する理由により、慢性障害でもアイシングをした方が良いケースもあります。
色々わかりやすくするためにちょっと違う例えをしている部分もありますが、あくまでもイメージ優先でお話をしています🙇♂️
【第一段階その1】二次的炎症反応
神経の反応
そんな感じで白血球によって
「ここで組織が壊れてます!ヤバイっす!」
という知らせを受けると、それ以上の災害にならないように防災無線が鳴ります。
それが「痛み」というわけです。
神経が伝えるものですね。
防災無線とか田舎発想ですみません笑
緊急地震速報でもJアラートでもなんでもいいので、とりあえずなんかの警報が発せられるってことで。。。
伊那市は火災が起きると防災無線が鳴り響きます笑
痛み、、不快ですが、これがなければ損傷を受けた状態でも動き続けちゃう可能性が高いですし、なんらかのエラーを知らせてくれるありがたいメッセージなんです。
ただし人間、痛みを抱えて生きていると、それに耐えるために食いしばるようにして身体が固まりますよね?
これを「筋スパズム」と言いますが、このスパズムが強いと可動域が強烈に制限されてしまい、前回お話した早期リハができなくなってしまいます。
できないというか、しようと思ってもうまく動かせない感じですね。
なので、この痛覚を抑えるためにアイシングというのも必要で、これは急性慢性関わらず、「痛み」が動作に対して何らかの障害になっている場合、冷却と運動を組み合わせることもまた一つの手段になってきます。
アイシングで痛覚を抑えた状態で行うストレッチを「クライオストレッチ」なんて言ったりしますが。
いずれにせよ、スヌーズ機能を持ったエラーメッセージでありエラー存続の指標でもある「痛み」に感謝して、必要な治癒のプロセスを進めて行く必要がありますよね。
【第ニ・第三段階】線維増殖と瘢痕形成→瘢痕成熟
ここからはめちゃくちゃ端折って説明します。
瘢痕(はんこん)とは、簡単にいうと「かさぶた」のことだと思ってもらえれば良いかと思います。
修復が進むにつれて新たな線維ができてきて、かさぶたになってその新たな線維を保護し、線維が一人立ちできるくらいになったらかさぶたはその役割を終えてどこかへ去るのであった…。
… THE END
なんて感じでスムーズにハッピーエンドを迎えられれば最高なんですが、まぁなかなかそう上手くは行かないものですよね💦
なかなか正常な可動域が回復せず、それでも仕事して生きて行かなきゃいけなかったり、ある程度治ったと思ってリハの段階を進めたらまた痛みが出てきたとか。
特に慢性期だったり慢性障害の場合、エラーを知らせる痛みがなかなか取れないことも多いですが、それは実際に動作等のエラーが残り続けている場合もありますし、神経的に「スヌーズ解除の仕方がわからん!!」となってしまっている場合なんかもあったりします。
心理面が影響したりなんてこともあったり。
まぁその辺りはもはや個別の事例の話になるので、今回は一般論としての
炎症
のメカニズムを知ってもらえればと思います!
炎症や痛みは敵ではなく好き友、というか家族というか、仲間として素直に言うことを聞くようにしてくださいね笑
すがわらこうよう
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