小円筋のスタティックストレッチ[sstr-sa-003]
走るための身体の準備の専門家
ABCR菅原航陽
によるコンディショニングシリーズ
今回は
小円筋のスタティックストレッチ
をお届け致します。
ランナーの皆さんには、下半身の筋肉の名前は何となく聞いたことがあるものも多いと思いますが、これら肩甲骨周りの筋肉の名前というのは、耳慣れないものが多いのではないでしょうか?
ランナーに限らず一般的にそうかもしれませんね。。
以前紹介した、 肩関節内旋筋群のストレッチ の中で出て来た「大円筋」という筋肉とほぼ同じ走行をしているのですが、上腕骨の表側に停止しているか裏側に停止しているかの違いで、同じような名前なのに逆の機能を持つという面白い筋肉です。
今回紹介する小円筋に関しては、走るという動作やその姿勢を考えた時に、固まり過ぎて制限になるというよりは、上手く使うために良い状態にしておくために伸ばしておきましょうという意味合いが強いです。
またこのストレッチは同時に広背筋や大円筋等も伸ばすことが出来るため、肩関節の内転内旋方向への引っ張りを緩める効果も同時に得られます。
今後徐々に紹介して行く、胸椎の回旋可動域を高めるための準備要素も含んでおり、非常にマルチな効果を得られるストレッチですので、なるべく継続的に行うようにして欲しいもののひとつになります。
☆伸ばしたい筋肉☆
小円筋(小円筋)
その他、大円筋、広背筋等も
☆伸ばし方☆
①膝を曲げた状態で膝同士の間隔を広めに開いて座り、伸ばしたい側の手を身体の中心線ライン遠くの床に置きます。
手の位置を決めたら肘までつき、更に頭を肩の上に乗せるようにして、逆の手は肘を曲げて地面を抑えるように適当な場所についておきます。
②その状態から、
a.肘を曲げている側の手で地面を押すことで身体をツイスト(息を吸いながら)
b.脇の下、体側のスペースを潰すような動き(息を吐きながら)
これらの動きを、一回一回ツイストが戻らないようにしながら無理のない範囲で深くして行きます。
そうすると、肩甲骨の下側の体側ラインが伸びる感覚があればOKです。
☆ポイント☆
1.手の母指球側を地面から離さないようにする。
→離れてしまうと肩関節の内旋がキープできず、伸び感が弱くなってしまいます。
2.膝同士の間隔は一番リラックスできるスペース感に。
3.ある程度深めたら胸式呼吸で深呼吸することでリラックスしながら伸ばす。
☆+ワンポイント☆
このストレッチですが、あまりにも硬すぎる場合は地面に手をついて胸椎を回旋させることが難しくなってしまいます。
そういう方は、
机等の上に、伸ばしたい側の手を置き(肘を伸ばした状態で、手は身体の中心線上)、その上に逆の手を重ねておき、そのまま身体を「く」の字の折りたたんで頭を下方向に沈めながら、伸ばしたい側に腕の付け根から身体全体をスライドする
という方法から始めてみた方が良い場合もあります。
また、このストレッチとセットで
上腕三頭筋のストレッチ
も行ってみると、ポジションが近いのでスムーズな流れになると思います。
☆但し書き☆
身体の構造的な個人差や様々なパーツとの連動、タイミング等、走りを作る要素は非常にたくさんありますので、全てのエクササイズや動きの説明については、あくまでも一般的なこととして記載しております。
全ての方に同じ説明・同じ方法が当てはまるものではございませんので、ご質問等ございましたら
までお待ち致しております。
「ただ走る」だけでなく、「走るための身体の準備」も併せて行うことが、より走りを楽しむために大切なことを広く伝えて行きたいと思っております。 よろしければサポートをお待ちしております!