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◆ABC物語◆ビューコート開発秘話 ~三位一体で作り上げた塗り床材~

硬質ウレタン樹脂系塗り床材 ビューコートは工場や倉庫など、生産・物流施設に最適なエービーシー商会定番商品のひとつです。硬質ウレタン樹脂系塗り床材の先駆けとして1998年に発売され、今日に至るまで進化を続けています。

開発のきっかけ

ビューコートが開発された1990年代、工場や倉庫の床と言えばエポキシ樹脂系のケミクリートEが代表的存在でした。エポキシ樹脂は非常に硬く、重量物が走行する場所に適していたからです。

しかしながら、耐衝撃性や下地追従性などの硬いからこそ生じる問題や、低温度での硬化反応などに課題を抱えていました。

1995年、高硬度のウレタン樹脂が欧州で開発されたことを技術部門の社員が聞きつけます。当時のウレタンは柔らかくて耐荷重性が無く、とうてい生産施設には使えないと思われていたため、衝撃的な出会いでした。

「これを応用すればエポキシ樹脂の弱点を補え、産業床に最適な塗り床材ができる」その社員はこう確信し、ビューコートの開発に取り掛かりました。

開発コンセプト
●ケミクリートE相当の塗膜の厚さ、耐久性を有すること
●低温度での硬化性にすぐれること
●多湿環境で発泡しないこと
●下地コンクリートのひび割れに追従し、塗膜がひび割れしにくい伸び性能を有すること

水分との戦い ~製造中~

※イメージ

樹脂系塗り床材の開発経験が豊富なエービーシー商会ですが、硬質ウレタン樹脂は新たな材料処方だったため、自社研究所も製造工場も知見はありません。次から次へと大きな壁にぶつかりながらの開発になりました。

特に大変だったのは水分との戦いです。
硬質ウレタン樹脂系の材料は水分と非常に反応しやすく固まりやすい性質を持つため、特殊な配合技術を必要とし、発売前も後もその対策に追われ続けました。

※イメージ

塗り床材の製造において重要なことのひとつに均一分散※があります。
それまで一般的だったエポキシ樹脂系の商品は製造容器にフタをせず、オープン状態での分散工程が可能です。しかし空気中の微量水分にも反応してしまうビューコートではそれが難しく、特殊な機器やノウハウが必要でした。
※粒子が一様にほぐされて均一に存在する状態

そこで製造工場が一念発起します。密閉、減圧、高速分散、加熱ができる専用製造装置を導入し、さらに工場内を低湿度の環境にするため、空調設備を増強。そして原材料の選定や厳密な水分管理などの検証を幾度となく行ない、十分な性能を発揮できる製品をいかに効率よく製造するか、研究所と工場で連携しながら方法を模索しました。

水分との戦い 新たな技術の誕生 ~施工中~

水分と反応しにくいケミクリートEなどの攪拌は、王冠のような形の歯を高速で回転させて行ないます。しかしそれでは空気中の水分を大量に取り込んでしまうためビューコートには向かず、新たな攪拌方法の開発を迫られました。

幾度もの試験を重ねて生まれたのが低速攪拌ダブルミキシングです。スクリュのような三枚羽根を低速で回転(低速攪拌)、そして混ぜ残しを無くすために容器を入れ替えてもう一度攪拌(ダブルミキシング)するのです。

施工要領書より

今日では当たり前のように使われている方法ですが、実は何年にも及ぶ努力と工夫の末に生まれた技術なのです。

私たちの挑戦は続きます

開発着手から販売開始、そして施工性と貯蔵性の安定化を実現した改良タイプ完成まで、水分との戦いは10年間続きました。
技術部門、製造部門、営業部門の3部門が培ってきた結束力や技術力がエービーシー商会に揃っていなければ、今日のビューコートはなかったかもしれません。

その後もクラック追従性をさらに高めたハイブリッド工法や、工具の落下など衝撃により強くなった自動車整備場工法の登場など、進化を続けるビューコート。

時代の流れとともに変わる多様なニーズに応えるため、私たちの挑戦は続きます。

ビューコートについて詳しく見る

SHOWROOM

ビューコートはもちろん、たくさんの塗り床材を展示しています!



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※本記事の掲載情報は2024年3月時点のものです。


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