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部屋をきれいに保つライフハック
休職している26歳男性の1日は掃除から始まります。
お掃除ロボとタッグを組んで、奥さんが帰ってきた時に気分良くなってもらえるよう、せっせか動き回っています。
これは一人暮らしをしていた頃の自分には考えられません。
結婚前に暮らしていた北山の下宿は、あっちこちが散らかった、それはもう汚部屋でした。
ザ・男の一人暮らし。
彼女がくる日だけ急いで掃除をするというスタイルで生活しておりました。
ただね、下宿が汚部屋と化していても、誇れることが一つありました。
それは、虫が出ないということです。
窓の付いた家とはいっても我々が住むのは地球の上、嫌でも虫は入ります。
とりわけ我が家はアパートの一階で、しかも目の前には公園で隣は畑ですよ。
絶対虫出るじゃないですか。
にもかかわらず、ある日を境に、我が北山の下宿ではまあ虫を見なくなった。
それにはちゃんと理由があって、とある秘策を講じたからなのです。
きっかけは
私はあまり勤勉な学生ではなかったので、大学の講義の一般教養科目は楽単(楽に単位を取得できる講義)を探して履修していました。
(甲斐性のない人間だったので、しばしば落単して落胆していわけですが。)
それはさておき、そんなクサレ学生のスクリーニングに引っかかった授業の中に「生命の科学」という講義がありました。
この科目は動植物の生態を広く浅く勉強するもので、世の虫取り少年、それから重松にはめっちゃめちゃに楽しい授業でした。
中でも衝撃的なライフハックを学んだ回がありました。
伝説の講義
京都大学の農学部を定年退職して我が大学で気楽に教鞭を取るおじいちゃん先生が熱を入れて話します。
「こいつは実に優秀ですよ。」
教室のプロジェクターに映し出されているのは、一匹のクモでした。
相場のクモより小さくて、かつ胴体の大きさに対して手足の短い種類のやつ。
本来ならここに写真を貼っつけて名称とともにご紹介したいところですか、そこは人の子、重松ジョウ。
虫たち、特にクモなんかは世間からの風当たりが厳しいことを知っています。
記事を開いてもらったからには最後まで読んでいただきたい、コメントまでもらえたらハッピー、というモチベーションで書いているので、ここでみすみすクモの写真を載っけてページを閉じられてしまうわけにはいきません。
話を戻しましょう。
壇上の教授は、クモを指して話を続けます。
「みなさん、こいつを見たことがありますか?
よく家の中に出てくるんですけどね、クモのくせしてピョンピョン跳ねてやがるんです。」
たしかに重松邸では何度も見たことがあって、幾度となく捕獲し部屋の外に放り投げていました。
「こいつの何が優秀かって言うと、家に住み着く小さな虫を全部食い尽くしてくれるんですよ。それでいて、クモの巣は張らないし、サイズはちっちゃいし人間に危害も加えない。勝手に掃除をしてくれるっちゅうわけです。わっはっは。」
なんと。そんな便利屋がいるとは。
それは実践するしかない、と心に決めました。
クモ出てきたよ
キャンプ場にでも住んでんのか、と言われそうですが、講義の後すぐに我が家に例のクモが出てきました。
サイズは直系0.5センチにも満たない小さな体です。
いつもならすぐさまキャッチアンドリリースですが、今回ばかりはそうもいきません。
もちろん放置です。
そいつはビジュアル的にクモ界の中でましな方でしたし、子供の頃から割と虫に触れ合っていたので、部屋にクモががいるとわかっても平気でした。
※※※
数日経ち、明らかに効果を実感します。
季節が夏だったこともあり窓を開けて網戸にしていたので、よく蚊とか小虫が入ってきていたのですが、それらが全くいなくなった。
寝ようかという時に耳元でぷーんと羽ばたく蚊とか、天井の電気近くを飛び回る小虫たちのストレスがなくなったのです。
しかも、それらを食べてくれているであろうクモは姿を見せない。
隠れて虫を駆逐してくれる仕事人ですよ。
なんてありがたいんだと感動したものです。
クモとの別れ
この画期的な掃除方法には唯一の穴がありました。
僕がこのクモとの共同生活を受け入れていた理由は、彼のビジュアルが許容範囲だったからです。
とても小さくて手足も短い、ぴょんぴょん跳ねる姿は可愛らしいとすら感じていました。
しかしですよ、ある日突然姿を現したそいつは、初めて会った日に比べて明らかに大きくなっていたのです。
たくさん虫を食べてくれたのでしょう。
彼からすればお礼を受け取っても良いはずです。
しかし、その大きさは一緒に暮らすにはとても気持ち悪かった。
直感的に無理!って思い、すぐさまティッシュで掴んで窓から外に放り投げました。
恩を仇で返す典型です。クモさんごめんよ。
そんなわけで、いつまでも同じクモにいられては肥大化してしまうことがわかったので、
①クモを室内で初めて見つけたら最初は放置
②肥大化しすぎない程度でリリース
というサイクルで共同生活をすることにしました。
今の家から考えると何でそんなに次から次へとクモ入ってくんねんって感じですが、当時の下宿は立地的に虫が多かったんですね〜。
さあ、これが私の部屋を綺麗に保つライフハック。
もちろん同棲を始めてからは、奥さんの「きしょい、ありえん」というお言葉でこの方法は廃止しております。
勇気のある方はお試しください。
くれぐれも肥大化させないように。