ACK02 -蔵,古民家×現代アート -磯谷博史, 濱大二郎,松井照太,中村壮志
Art Collaboration Kyoto(ACK、10/28-30、国立京都国際会館)。現代美術のアートフェアの枠を超え、連携したプログラムが街に展開していた。すべてはとても回り切れなかったが、鑑賞できたプログラムを紹介していく。
磯谷博史「今日と、持続」
まずは、中京区の蔵を改造した空間で開催されていた展示から。宿泊先の近くだったので、徒歩で訪ねた。
ACKの看板が目印だ。
2階建ての建物の2階を中心に、作品が展示されていた。
奥の空間は、2席限定のカフェとしてくつろぐこともできる。
白壁と木のぬくもり。広くはない空間なのに、心理的な窮屈さを感じさせない。
改めて1階を見れば、たしかに「蔵」の面影が残る。
時の流れ、をテーマとした展示なのだろうということは、空間の中で感じてはいた。ただ、説明文を読んでみて、作品に込められた意味を知った。作品たちが、テーマに沿ってぎゅっと結びついていることも。
濱大二郎,松井照太,中村壮志「和を以て物語をなす」
こちらの作品には、定期運行されているシャトルバスを利用した。まず、ACKの会場である新館から、本館へと移動。
国際会議場そのものが、アーティスティックだ。
バスは約15分間隔で運行。
この日の空は、とにかく印象的だった。
作品は、この建物を使ったインスタレーション的なもので、来訪者は順路図を渡され、それに従って作品を観ていく。まるで、オリエンテーリングのような感じだ。
庭を渡り、茶室に入っては抜けたり、
再び庭に出て、蔵を目指したり。
蔵では、音によるインスタレーションも。
受け取った言葉が、自分のなかでくるくる回っていくようだ。
再び建物に戻り、
2階へと上がる。
ぐるりと1周を終える。少し不思議な、ひとつの物語を読み終えたような気分になっていた。
キュレーターからの言葉を、拡大して。
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もちろんアートの観かたは観る人の自由だ。でもわたしは、仕掛ける側の意図をあとで知り、自分の感想と照らし合わせることもとても好きだ。