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ACK02 -蔵,古民家×現代アート -磯谷博史, 濱大二郎,松井照太,中村壮志

 Art Collaboration Kyoto(ACK、10/28-30、国立京都国際会館)。現代美術のアートフェアの枠を超え、連携したプログラムが街に展開していた。すべてはとても回り切れなかったが、鑑賞できたプログラムを紹介していく。


磯谷博史「今日と、持続」

 まずは、中京区の蔵を改造した空間で開催されていた展示から。宿泊先の近くだったので、徒歩で訪ねた。

 ACKの看板が目印だ。

 2階建ての建物の2階を中心に、作品が展示されていた。

 奥の空間は、2席限定のカフェとしてくつろぐこともできる。

 白壁と木のぬくもり。広くはない空間なのに、心理的な窮屈さを感じさせない。

 改めて1階を見れば、たしかに「蔵」の面影が残る。

「今日と、持続」
「時間」は、近代以降もっとも合理化と標準化の進んだ概念の一つであると言えるでしょう。日本の近代史の始まりである明治期の蔵を改装したARTRO、この会場で開催される「今日と、持続」と題された本展で、磯谷博史は歴史ある京都の静謐で親密な時空間に呼応するように作品を設え、「時間」についての多様な解釈を再考します。出展作品は、5000年前の土器の破片を再利用し、素材のもつ時間軸を再配置する陶芸作品や、過去しか撮影できない写真というメディアを現在につなげる試みなど。本展のすべての作品が京都では初めて公開されるものとなります。
展示作家:磯谷博史
キュレーション:Galerie Supermarkt
開催日時:10月26日(木)−11月25日(土)
     11:00−18:00(月・火休)
会場:ARTRO(京都市中京区貝屋町556)
入場料:無料
主催:有限会社服部商事
E-mail:info@artro.jp
TEL:075-585-4554

ACK Associated Programs より

 時の流れ、をテーマとした展示なのだろうということは、空間の中で感じてはいた。ただ、説明文を読んでみて、作品に込められた意味を知った。作品たちが、テーマに沿ってぎゅっと結びついていることも。


濱大二郎,松井照太,中村壮志「和を以て物語をなす」

 こちらの作品には、定期運行されているシャトルバスを利用した。まず、ACKの会場である新館から、本館へと移動。

 国際会議場そのものが、アーティスティックだ。

 バスは約15分間隔で運行。

 この日の空は、とにかく印象的だった。

 作品は、この建物を使ったインスタレーション的なもので、来訪者は順路図を渡され、それに従って作品を観ていく。まるで、オリエンテーリングのような感じだ。

 庭を渡り、茶室に入っては抜けたり、

 再び庭に出て、蔵を目指したり。

 蔵では、音によるインスタレーションも。

  受け取った言葉が、自分のなかでくるくる回っていくようだ。

 再び建物に戻り、

 2階へと上がる。

 ぐるりと1周を終える。少し不思議な、ひとつの物語を読み終えたような気分になっていた。

「和を以て物語をなす」
築100年を数える木造2階建ての民家と蔵からなる会場である瑞雲庵にて、絵画・彫刻・映像インスタレーションという異なる表現でありながら、日本の文化や感性に影響を受け、思考している3名の作家による展覧会を開催いたします。彼らの作品と日本家屋特有の空間が織り成す「和」によって、人それぞれが”ある物語”を想像することができるでしょう。また、参加作家やキュレーター含め、鑑賞者各々が想像した物語を共有する「和」によって、日本特有の美意識や価値観、文化的視点を再考する場となることを目指しています。
展示作家:濱大二郎、松井照太、中村壮志
キュレーター:渡邊賢太郎
開催日時:10月25日(水)−11月26日(日)
     10:00−18:00
     *11月1日(水)以降、平日はアポイントメント制
会場:瑞雲庵(京都市北区上賀茂南大路町62-1)
入場料:無料
主催:108 artworks
助成:公益財団法人西枝財団「瑞雲庵における若手創造者支援事業」
E-mail:info@108artworks.com

ACK Associated Programs より

 キュレーターからの言葉を、拡大して。

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 もちろんアートの観かたは観る人の自由だ。でもわたしは、仕掛ける側の意図をあとで知り、自分の感想と照らし合わせることもとても好きだ。



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