某日、六本木。
@comprex665
伊藤彩展「PASSING WIND」(-9/7)
色彩の渦のなかで
白い空間に、きらきらとした画面が浮かび上がる。
「精神の休暇」の場
奥の展示室では、
横たわる存在と、
まるでナースのような雰囲気の、女の子?の像。
静かで幸せに満ちた空間
「全てをやり尽くした人」、すなわち「I AM DONE」は静かに横たわる。目からあふれていたのは、涙だったのか。
ちょっと離れた距離にいる、毛糸の髪の毛の粘土の子「LUCY」は、DONEに「Are you ok?」と問いかける。あくまでも、離れた距離から。
その前には、巨大な、ふかふかの存在が横たわる。
触れてもいいものかどうか躊躇し、会場では触れないようにしたけれど、解説によればこれは「巨大スリーピングストーン」であり、寝そべってもいい存在なのだった。
ただ、同じく解説にあるように、わたしには、伊藤作品の一部のように思われた。
「全てをやり尽くした人」、「I AM DONE」は涙目で横たわり、毛糸の金髪の「LUCY」は「Are you ok?」と静かにささやき、その横では無防備に、巨大なスリーピングストーンがあおむけに、大の字になって眠っている。
なんて、静かで幸せに満ちた空間なんだろう。
まるで、すやすやと眠る子どもたちの部屋を、覗いたときのような。