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記憶のなかの夜景 -[ZONE-TOKYO] YUSUKE KITSUKAWA (-7/13)
6月29日、品川から天王洲。
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YUSUKE KITSUKAWA個展「ZONE-TOKYO」初日(-7/13)
Yusuke Kitsukawa / 橘川裕輔
1988年 神奈川県生まれ
2012年 日本大学芸術学部 美術学科 首席卒業
2019年 BSフジ「ブレイク前夜」出演を皮切りにプロとしてのキャリアを歩む、夜を描く事に特化した現代アーティスト
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作家のKITSUKAWA氏から声をかけていただき、お話することができた。わたしは薄暮の時間の湾岸の写真を撮ることに熱中していた時期があり、作品を前に自分の経験も蘇ってきた。伺いたいことは山のようにあった。
本稿の前半は個展のようすを、後半は、伺ったお話から蘇ってきた、私的な経験や感想も含めて記していきたい。
東京湾岸、みなとみらいの夜の風景
会場を訪れたものは、まずこの東京タワーと対峙し、
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作家の描く、夜の風景へと導かれていく。
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観ている者は、そこに自分の記憶や思いを重ねて、作品世界に入り込んでいく。
絵画だから、できる
既述のように、わたしは薄暮の時間を狙って、東京湾岸を撮りにいっていたことがあった。
またずいぶん前になるが、仕事で、プロカメラマンの夜景撮影に同行していた期間も長い。
都心の夜景と東京タワー
東京都心の夜景には、紅い東京タワーが欲しくなる。
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電波塔としての役割は終えても、その存在は生き続けているし、もしなくなったら、悲しむ人は多いだろう。
ぼやけた筆致、の意味
Kitsukawa氏の作品を拝見していて、訊いてみたくなったのは、まず、夜景のクリアさについてだ。
作品のなかには、このように、ピントがかっちりと合ったようにクリアに描かれたものと、
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スマホで夜景を撮影したときのように、輪郭がぼやけているものがある。
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もちろん、敢えて、だろう。
写真なら「装備がないと、夜景って撮るのが難しいね」となるところを、絵画的な表現だと、それは記憶のなかのスマホ写真や、夢のなかの夜景に変換される。より感情が呼び起される。
そんな意味のことを伺ってみたところ、ロケハンに行って撮影した写真を観ながら作品を描くにあたって、絵ならではの表現を随所に入れている、ということだった。
例えば、さきほどのこの大クレーンを描いた作品。
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下からスポットライトで煽られている場合、写真ではここまで微細に全体は映らないし、星空を一緒に映すのは不可能だ。しかも、これだけの数の星は、首都圏湾岸からは観ることができない。
そうした、加工なしの写真では不可能なところを、絵画で補う。しかしそれは人の心を巧みに刺激し、決してリアリティを損なわず、むしろその真逆に働いていく。
航空障害灯
そして、東京の夜景を語るうえで、高層ビルの屋上に設置が義務付けられている航空障害灯の存在も欠かせない。
その静かなまたたきは、あたかも静止しているように見える夜景が、目の前に存在していて、確実に時間を刻んでいるということを教えてくれる。
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Kitsukawa氏いわく、作品の雰囲気重視で、不要な個所の航空障害灯は省いている、とのことだった。なるほど、言われなければ気づけない。
観ている側は、作品に身を任せればいい。そこには作家の手によって、より入っていきやすく配慮された、やさしい夜景が広がっている。
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唯一無二の記憶へ
作家が描いた、とある夜の光景が、観ているものの記憶と混ざり合う。
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そして唯一無二の「自分が観た夜景」へと、昇華されていく。
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