某日、渋谷。
セルバン・イオネスク「Lisi」(– 7/7)@NANZUKA 2G
ポップなフレームに目を奪われて
今回の展示は6作品。
作品は原色の赤、青、黄のフレームに入っており、否応にも目を引く。フレームは帽子のようにも山のようにも、建物のようにも見える。
家と、その内部
ところで、描かれている人物?というか存在なのだけど、
目を奪われがちなフレームから視線を外して描かれているそのものを見るならば、そこにはまた別の印象がある。
描かれている彼(彼女?あるいはどちらでもない?)は「Lisi」。その姿は子供のお絵描きが持つパワーを持続しているかのように、力強く描かれている。「家」に見立てたフレームとLisiから受けるふしぎな印象の明かしは、上記の展覧会概要の中にあった。
だからフレームはここまで堅牢で、絵画から彫刻への橋渡しもしている。
遠目に眺めれば、おしゃれで一風変わったポップアートとして見過ごしてしまいそうだ。しかし近寄れば、いかつい「家」と、それに守られたLisiの秘められたエネルギーが気になって、目が離せなくなってくる。