「押す」で生まれる参加意識 -大嶋奈都子[ゴロゴロスタンプ](-7/7)
某日。北参道から外苑西通り。
一度通り過ぎ、そして気になって戻ってきた。
大嶋奈都子 個展「ゴロゴロスタンプ」(-7/7)
昼どきのせいか、ギャラリー内にはだれもいなかった。
やがてスタッフの方が出てきて、展示してあるスタンプは自由に押すことができるので楽しんでいってくださいという。
作家さんが手掛けたスタンプ。観ているともちろん、押したくなる。
スタンプラリー開催中。こういうのには弱い。
独創的に押してみたが……
違う、違う。設問をよく読もう。
会場のなかに、スタンプが隠されているのだ。
こういうことか~
……って、紙を無駄にしてごめんなさい……。
などと、ひとり遊びが好きだった子ども時代にすっかり戻っていた。
その姿を、外から戻ってきた作家の大嶋奈都子さんに見られてなんとも恥ずかしかったが、とても素敵なスタンプで作品にひきこまれ、つい、童心にかえって真剣にスタンプラリーもしてしまったことは伝えた。
「自由にゴロゴロする」
作家のステートメントに戻る。
ああ、本当に、ゴロゴロ。
絵柄の雰囲気が、インクの付け方も押し方も自分流でいい、スタンプのちょっとアバウトな感じにマッチしている。
スタンプの「ゆるい」魅力
お試し自由のスタンプたち。そこには、いろいろな人の姿があった。
複数組み合わせると、シーンも作れそうだ。
オリジナルグッズ販売と、
作家が手掛けた書籍の展示も。
「押す」で生まれるふしぎな参加意識
スタンプには、ふしぎな達成感がある。
押すという動作もそうだし、きれいに押せるとうれしい。そして押した画面の印象は、スタンプひとつでおおいに変わる。
紙にしみこむインク。じんわりとにじむ、そこに味わいがある。
ぺたっと押すことで、何かに参加している気分にもなってくる。
不意打ちのように出逢って、なぜかぺたぺたとスタンプを押して、考えたことがなかったようなことまで考えてしまった。
心は、じゅうぶんゴロゴロできた。
ありがとう。
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