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文化の発信地から放たれるアート作品 -P.O.N.D(PARCO MUSEUM TOKYO-10/14)

 某日、渋谷PARCO。

渋谷PARCO 4FのPARCO MUSEUM TOKYOでは、多様なバックグラウンドを持つ12名のアーティストたちによる展示を開催。絵画、映像、写真、インスタレーションなど、ジャンルを超えた作品が集結し、見る者の感性を揺さぶります。今年は6名のコントリビューターを迎え、それぞれが持つ独自の文脈から1名の作家を推薦いただきました。建築コレクティブ・GROUPが作り上げた、渋谷PARCOの歩みとアーカイブの断片が漂う空間構成も合わせてお楽しみいただけます。

同上

 渋谷PARCOのカルチャーフェスティバル、P.O.N.D(Parco Opens New Dimension)開催。

 特に印象的だった作品を中心に振り返っていく。



「Relay」yoh murata

 7枚の紙焼きの写真が置かれ、その上からプロジェクターで映像が投影されている。

 それは「写真と全く同じ画像」だ。

 投影はモーター仕掛けによってゆらぎ、観ていると視界ぐらくらしてくる。7枚がランダムに動いているようすは、不思議で引き込まれた。


「The Itchings」LOVEDAVID

 「インターネットによって腐敗した集中力を追悼するシングルチャンネル映像」。

 実写とアニメーションが自然に組み合わされながらシュールな世界が展開する。ネット世界のモヤモヤを「痒み」というのは言いえて妙で、面白いアニメーションとしても満喫した。


「耳を凝らして暗闇を聞く 目を澄まして音を見る」黒田 澪

 もうひとつの映像作品。

 映像がとにかく美しい。そして、目の前で眺めているかのような焚火も。重たいテーマを扱いながら静謐な作品で、余韻が残った。


「Human0」「Dot#03」

 繊維の交わりによる立体的な構造。織の構造図が「0」と「1」の情報を用いていることを用い、単純な立体を作ることに挑戦した、という。


「Polyphonic Palimpsests」奥村美海

 抽象画をモビール状に切り取った作品かと思いきや、

 さまざまな人々の書いた、描いたものたちの集積だった。

 情報の重量を感じるインスタレーション。


来場者による投票

 来場者による投票も。1作品を選ぶのにかなり迷った。

 PARCOそのものが文化の発信地としての場でもある。

 その中で各々のアーティストが自らの世界を展開し、鑑賞者は気の向くまま、寄り道を愉しむようなイベント感もあった。



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