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ビクターAX-V1-Nプリメインアンプ
2022年夏に手に入れたビクターのアンプの記事です。下書きのまま半年ほど公開しないままでしたが、B&Wのスピーカーを手に入れたことで組み合わせるアンプの第一候補のつもりです。
2022年の夏、1996年発売の日本ビクター製プリメインアンプAX-V1-Nを2台手に入れました。
写真の奥の黒い筐体はdbxのXL234チャンネルディバイダーです。
AX-V1-Nは、ビクターがHMVシリーズとして販売したスピーカー、CDプレーヤー、カセットデッキ、ターンテーブル、アンプのシステムコンポーネントのアンプです。
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日本ビクターと言えば、首をかしげる犬、ニッパー君を思い浮かべます。
日本ビクターはJVCと名乗り、HMVレコードもピンク色のロゴだけでニッパー君はいないので、だんだんとニッパー君が記憶から離れていました。
HMV
HMVは、His Master's Voiceの略なんですね。
ニッパー君が彼のご主人の声に耳を傾けるシーン、HMVレコードはまさにビクターの運営するレコードショップなのに最近までその繋がりに気付かないでいました。
今回、ビクターのアンプを購入した際あらためてビクターのことを知ろうとニッパー君の絵本をビクターのオンラインストアから購入してみました。
His Master’s Voice、病気で亡くなってしまったご主人の声を録音した音が蓄音機から流れてきた時の彼(ニッパー君)の反応をニッパーを引き取っていた主人の弟さんが描いたもの。本を読むとちょっと涙ぐんでしまう悲しいお話しでした。
当初蓄音機は筒状のものを、後になって円盤レコードに描き直したとか。
AX-V1-Nプリメインアンプ
横幅36センチのミニサイズながら、重量は13.5キロありビクターを代表するアンプME-1000やAX-900の開発で培った技術を投入して作られているそうです。
他のHMVシリーズは、スピーカーSX-V1-M、CDプレーヤーXL-V1やカセットデッキTD-V1。スピーカーは時々オークションに出ていますが、なかなか落札出来ない価格になります。
当初スピーカーSX-V1-Mを手に入れたくてもなかなか落札出来ずにいたときにアンプに入札したら競わずに落札出来たというのが実際でした。
フロントとトップのパネルを厚みのあるアルミ材で一体整形した局面的でマッシブなフォルムが所有欲を満たしてくれる外観でした。
リコール
2007年このアンプAX-V1-Nにリコールが出ています。2022年夏に手に入れた時でもリコール対応してもらえました。ついでに機能チェックもしてもらい安心して使っています。ただし外装部品はもう無いので中古品を購入される時にご注意ください。
このアンプをなぜ選んだのか?
「良いアンプなのにあまり知られていないから比較的安く買える」「リコール対象ということでメーカーチェックが受けられる」さらに、左右対称に拘っているし「13.5キロ」とそこそこ結構重いこと、チャンネルディバイダーで3チャネル構成にしたい(1台はもともと持っているマランツPM5003を使うとして)、3台のアンプのグレードがそんなに違わないこと、それでも、ちょっと良いグレードを選びたかった。
それでも2台で5万円の予算とすることでオーディオにかける総額10万円以内にしたかった。(その後、ターンテーブルを購入したことであえなく総額10万円の壁は崩れ去りました)
「日本ビクター復活」のニュースがあったことも一つ大きかったです。
現状はiPhoneからApple MusicとAmazon MusicとSpotifyをBluetoothで飛ばしているのですが、AmazonMusicをHDやUltraHDで聞きたいのだけど、そうなると今の環境を超えてしまう。
ネットワークオーディオをより良い音で聞きたい。QUADのネットワーク入力できるアンプかなーとずっと思っているのですが、DACが入っていると思うといずれ買い替えたくなるのは間違いない。それだったらネットワークストリーマーとDACはアンプとは別でも良いのではないか。それに別体ならば組み合わせて楽しめます。
アンプを3台欲しかったのは3チャネルのマルチで聞いてみたかったから。
もちろん1台で済ます方法はありますし3チャネルを実現した後に電気代を考えるとHEOS対応のAVアンプが1台あればそれが一番かとの思いはいまでもあります。その単価を出すならば無限の組み合わせが出来ちゃうことも事実。
だとすればRCA接続で統一して、古典的な3チャネルのチャンネルデバイダーから3台のアンプと3セットのスピーカーへ接続することを試してからでも良いだろうという考えでした。
スピーカーで聴く時にはアナログの作りの良いアンプが必須だなと思ったこと。光デジタル入力があるとよりクリアな音が聞こえる。しかしそれだけではないことに気付いてしまった。
そう思わせてくれたのがこれまでメインのアンプとして使ってきたマランツのPM5003でした。
このPM5003はオーソドックスなRCA接続しかないのにも関わらず、光デジタル入力のあるBOSEのミュージックサーバーよりも余裕のある落ち着いた奥行きのある音を再生してくれました。
実際には光デジタル入力の方が解像度が高いクリアな音ではあるはずなのにPM5003の音はそこまで解像度が高くなくてもずっと聞いていられる音質と音像がより広く見えたのでした。
それならPM5003を後生大事にしていれば良かった一方、スピーカーで試したいことがありました。
うちのスピーカーセットは
①高音に強いROCKSOLID
②中低音に強いPARCAUDIO
③低音専用サブウーハーのROCKSOLID
という3セットあることにあります。
③の延長線上に①を配線することは可能なのですが、②と一緒に鳴らすと音が被ってしまいました。
そこで、チャンネルデバイダーのXL234を導入。
ところが、アンプは2台しか持っていなかったので3セットを鳴らすことが出来なかったのです。
サブウーハーには雑誌の付録のアンプをあてがうとして、高音用のROCKSOLIDはPM5003を使う。
となると中低音に強いアンプが良いかな。なんだか勿体ないなぁと日々アンプを物色する日々でした。
個人的にはビクターを避けてきた理由が一つありました。
あえて避けていた
小学生に入る前に父が流行りに乗って購入したのがビクターのオーディオセットだったのですが、置いてあるだけで全く聞くことがなかったのでした。その流れからか中学生の頃お年玉を投げ出して買ったステレオセットもビクター製だったのです。ところがスピーカーは流行りに乗ってBOSE101Mにしたのですが、これが良く無かった。ある程度大きな音を出せばそれなりになりましたが、集合住宅で出せる程度の小さな音では全然良くなかった。また当時流行りのエアチェックをする時にカセットデッキで録音出来る音があまり高音質ではなかったのです。
だからこれまでビクターには手を出して来なかったのでした。
マッシブなデザインに一目惚れ
ビクターAX-V1-Nのシンプルかつマッシブなデザインを見て「これだ!」と思ってしまったのです。
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配線を底面中央から取り、左右シンメトリーに2つの電源部そして背面パネルまでも左右シンメトリーに作りを徹底した機能的なデザイン。
電源ケーブルはボディ底部中央から出ており筐体内引き回しによる干渉を排除。
3.3ミリ圧の厚いアルミ鋼板を成形したフロントからトップ一体成型のキャビネットと、厚い底面鋼板、さらにリアは銅板張り。
13キロを超える重量という昔ながらのオーディオアンプのセオリーに沿っている作りなのに、横幅はなぜか少し短めなコンパクトサイズ。
プリメインアンプで20キロ越えとかありますが、30キロの米袋は重すぎて厳しいけど、10キロの米袋ならなんとか持てることを経験しているので、これくらいまでなら持てるぞと思ったわけです。
![](https://assets.st-note.com/img/1656356486226-oVinEiVqNB.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1656356504345-eHPPv2mzRB.jpg?width=1200)
マランツPM5003と聴き比べると2グレードぐらい音の密度に張りがある感覚でした。ただ、最高級グレードとまではいかない何かが足りない感じもあります。それが何かを表現する力が私には足りないのがもどかしい。
それは端的に横幅36センチのシステムコンポに押し込めたが故の割り切りがあることなのかもしれません。
RCA接続だけで良くて発売から四半世紀以上経過している10万円程の価格だったのに現代のアンプより高級感がずっと高くメーカーでチェックも受けられ中古価格が安いバランスの良いアンプをお探しならばおすすめかと思います。
中古品として安値になっていますが、もう少し再評価されても良い機種だという意味ではこれ以上値下がりしないはず。買った値段で売れる価値ある一台だと思います。
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