しまだあおい

読むのと書くのを少しだけ。 小説は必ずバッドエンドにします。理由はまだ内緒です。

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最近の記事

体温の詩

人間が冷たくなれる温度は-143℃までらしい。 いつも何気なく喋っていた彼や彼女に、今日もいつも通り話しかけるが反応は無い。 ただの屍のようだ。 僕が観測できていたのは、ただの人工衛星か、それともハーレー彗星だったのか、正解は誰にも分からない。 僕が知っている星は、観測されたことに気づかずに通り過ぎて行ってしまった。 過ぎ去る姿に向かって心の中で言った、またね。 外気温が低いせいか、少し体温が下がる。 温かい抹茶ラテを飲んでも温まることはなかった。 家に帰って体温を測った。3

    • 月の詩

      貴方に会いに行くときには、必ず三日月のピアスをするの。 別に気づかなくてもいい、でもいつか気づいてくれたら嬉しい。 14番目の月のような私の気持ちも、いつか気づいてくれたら嬉しい。 月のお話をしているときの貴方と、いつか一緒に月を観てみたい。 人工衛星を飛ばしては、貴方の気持ちを探ってばかり。 384,400kmよりも0.1kmの方が遠く感じるのは何だか不思議ね。 私が貴方に辿り着くには、いったい何号のロケットに乗れば良いのかしら。 もし、貴方に辿り着けたら、そこはきっと毎日

      • 桜の花言葉

        「ねぇ、桜の花言葉って知ってる?」 「知らないし、興味も無い。」 このいかにもどうでも良い話題を、この時期になると話し出す女性の名は「山井 咲良(やまい さくら)」 俺と同じ18歳の高校3年生で、家が隣同士で両親の仲も良いということもあり、咲良とは腐れ縁である。いわゆる幼馴染と言うやつだ。 俺の名は「御手洗 弾碁(みたらし だんご)」 最初に言うが俺は自分の名前が心底嫌いだ! 両親は真剣に考えたと言っていたが、だからと言って、弾碁はないだろう! 生まれてからずっと、この名

        • 星に恋をしてしまった話

          ある日、夜道を散歩をしていたら知らない場所まで来てしまっていた。 目の前には橋向が見えないほどの長い橋がある。 古くからあるように思えたその橋に勇気を振り絞って1歩を踏み出すと橋は軋む音を立てた。 石橋を叩いて渡るじゃないけど、恐る恐る前に進む。 手摺に捕まっていないと落ちてしまいそうで怖かった。 少し下を覗くと巨人の寝息のような風が下から吹き上げてきた。 この橋を渡ろうと決意した自分を恨んだが、後戻りしたいかと言われたらそうでもないので取り敢えず進む。 30分程歩いただ

          ゾルトラーク

          最近、自分は人の気持ちが全く理解できなくなってしまったらしい笑 だけど相手が望んでいる答えは分かるし、それで会話を繋いできたのも事実。 相手の気持ちを理解しなくても会話は成立するのもまた事実。 まるで某アニメの魔族と変わらないのかもしれない。 『自分自身を踏みつけて大人になるんだ』と 『嫌いな自分を消そうとしないで 消してしまったらあなたはいつまでも大人になれない』は矛盾しているけど、どちらも同じ曲の中にある歌詞である。 何が言いたいかと言うと、自分自身を守る為に嘘