#短歌 落としもの係とされし狛犬が手袋をくわえ帽子をかぶる
北風に頭突きくらわす少年のあとに続いてゆく奴凧
※ 奴凧(やっこだこ)
母が子に魚の骨を取るように御籤の筒の凶を抜きおく
※ 御籤(みくじ)
競り市場めく初詣おみくじの番号叫ぶ声が重なる
合戦のごとし破魔矢を授与所から臨時授与所へ抱えて走る
元旦は人を押しのけカンダタが鈴緒を振るうしがみ付きつつ
「おまもりな三つ買うからおまけして」半跏思惟のポーズ取りたし
※ 半跏思惟(はんかしゆい)
新年の団体祈祷後列に時差かズレつつ拍手を打つ
銘柄のラベルを熨斗に隠されて神も利き酒なされておらん
※ 熨斗(のし)