熱が出そうな読書
『ビブリオフォリア・ラプソディ』高野史緒さん
フォロワーさんから是非と勧められた本。
「ダブルクリック」というタイトルのプロローグから始まります。見開きだけの短い文章なのですが、著者の本や小説に対する深い愛情、大切にする姿勢がビンビン伝わってきました。
これ、絶対好きな本です。
読了しました。
「木曜日のルリユール」
五篇ある短編の内の一つです。
今、自分はどこにいるのか。そして何をしているのだろう。
いや、ここにいる。ここにいて小説を書いている、はずだ。
そんな自問自答。
身を置いている頼りない世界線を確認するような読書。
見下して、見下されて。いつの間にか同じ目線に。
熱が出そうな本、読書でした。
本が好きな人、創作が好きな人に読んでほしいと思います。
著者はプロローグとエピローグ両方で、ダブルクリックが回りもので旅をしていると語ります。
これ、私が持っている最大と最小のダブルクリックです。最大のはどこから回ってきたのか?
思い出しました。ある小説新人賞に応募したとき、手元にあるダブルクリックでは綴じられないほどの長編になってしまい、伊東屋という大型文房具店に駆け込んで、購入したのです。
これはその余りだと思います。
では私が懸命に書いた原稿を綴じたあのダブルクリックは、どこに行って、今、誰の手元にあるのでしょうか?