ネガティブの種を発芽させて摘み取る(発芽編):りくとんちの家族エッセイ
一昨日、気持ちがうまくコントロールできないくらい揺らいだことがありました。今回はそれを題材にりくとん自身のリフレーミング日記を書いてみます。
私の場合のリフレーミングは、不満を感じたら納得がいくまで一度言語化(文章化)します。ちなみに、その場でリフレーミングできないほど揺らいでいる時は最初からリフレーミングしない事がポイントです。一度思うがままに書いて、書きながら自分の胸の内を知る。そのあとで、「捉え方」を変えられるところがあればリフレーミングする。まず、当日私が書いた日記を「発芽編」として再編します。
不満の種の発芽:七五三の後撮り前日
七五三の後撮りの日の前日の11月26日。翌日の写真撮影に興奮し、なかなか寝付かない娘にほとほと困り果てて、先に炊飯器の予約スイッチを入れようと階下に降りた。時間は1時すぎだった。
それから少ししたタイミングで帰宅した主人は、娘はどうしたのかと私に聞く。「まだ起きてる、変な時間に昼寝したせいでなかなか寝つかなくて」。
ちなみに炊飯器の予約は終わり、翌日のご飯の下ごしらえを終え、食器洗いを終え、子供のおもちゃを片付け終えて、やっと一息ついているそんなタイミングだった。
夫はそんな私を見て、娘のいる静かな寝室を見て「まだ用事があるの?」と聞いた。「特にないよ、それは何かあったら手伝うよという意図?」と私は聞いた。「そういうわけじゃなくて」と彼は言って、「用事がなければ一緒に寝てあげたらいいのに」と言った。
私はその言葉に急に頭の芯が冷えた。このままここで主人と話していたら、疲れている主人に怒鳴り始めるかもしれない、そう思って寝る挨拶もほどほどにさっさと寝室に引っ込んだが、モヤモヤは消えず、しばらくその感情の処理に時間を取られたのだった。
不満の種まき①
そういえば、1週間前の20日もこんなふうにモヤモヤした。それは七五三のお参りに行った日、私と娘だけがきちんとした服を着ていたからだった。時間がないから現地集合にすると主人から連絡があったのは、当日のお参りの一時間前。この前日体調を崩し救急車で運ばれたばかりで、無理せず主人と合流してから自分の支度をしようとしていた矢先のことだった。
お参りに行ったのは地域では一番大きな神社。お参りは洋装と決めていたので気楽なお参りではあったものの、やはりお参りはお参りだ。私もそれなりにスーツを着て、子供にはフォーマルのワンピースを着せた。いつもと違う服を娘は嫌がり、ママvs娘という横槍の入らない対戦形式になってしまいひどく苦労したのだった。
現地集合した際、主人の服は勿論仕事上がりのそれだった。薄手の黒い長袖シャツにグレーのウィンドブレーカー、仕事上がりでよれたズボンにほつれ始めたスニーカー。
宮司さんは親戚なので快く迎えてくれたものの、やはり他のお参りの方を見ると肩身が狭かった。言ってくれれば、スーツを持って神社に行ったのに。前もって言ってくれれば、私も娘だって、もう少しラフな服装にできたのに。
なんとも言えず、恥ずかしいとも違う気持ちになった。腹立たしい、悔しい、悲しい、そんな気持ちが混ざった感情だった。
不満の種まき②
七五三の後撮りの日を数日後に控えたある日、主人から急に『仕事の都合で撮影時間を1時半に変更した』と言われた。『特に問題なかったよね』と当たり前のように言われた事が、私の気持ちをモヤモヤっとさせた。
私と写真店に行って、時間の調整をしたのはなんだったのだろう?あの時だって、仕事の都合は現状と何も変わらなかったはずだ。その日の話の中で、娘の調整はするから何時でも大丈夫と私は言った。でも直前に変えても大丈夫という意味ではない。ご飯の時間とか、保育園とか、お着替えのタイミングとか、いろいろ調整していたものが全て練り直しになってしまう。事前確認もなくそれをするのかと思うと、なんだか凄く疲れた気分になった。
不満の種まき③緊急搬送時の対応
11月の19日、七五三のお参りの前日。私が胃腸炎で職場から病院に運ばれた時、救急隊の人は『旦那さんは後から別で来るそうです』と話していた。病院でも、いつ旦那さん来られます?とずっと聴かれ続けていた。病状説明などを行うためだ。もう少し、もう少しと待っている間に鎮痛剤で眠気が来て、数時間が経った。でも彼は最後まで来なかった。
病院スタッフによると、主人は私の病状は電話確認で済ませようとしたらしい。病院スタッフの方から、「病院としては、電話での病状説明はできないので、ご主人さんに奥様から状況の電話をしてもらっていいですか?」と聞かれた時は情けない気持ちでいっぱいになった。
主人に電話をかけた。いつものように原因不明で、いつものように鎮痛剤で痛みが引いたことを説明した。そうなん、よかったねと吐き捨てるような言い方に聞こえた。忙しかったのだろう。それ以上の病状は言わなかった。彼の今後に関係ないことだ。
娘の保育園の迎えは行けそうかと聞かれた。搬送先の病院からどうやって職場の車を取りに来る?とも聞かれた。状況はわかってると思うけど、自分は迎えに行けないからと言われた。タクシー使うのはお金かかるしとも言われた。
忙しかったのだろう。職場で吐いて倒れて、救急車で運ばれた人間にそんなことを言える程度には。運ばれる最中、「昔うつ病やってるんで、ストレス性ってことも十分考えられます」と勝手に話していたし、彼の中では腹痛の既往というよりもストレス耐性が弱いと捉えられているんだろう。
芋づる式に噴出する不満
昨日一人で組立家具作ったのに。
一昨日も一人あなたの埃がたまったギターケース磨いたのに。
この数ヵ月、ほとんど一人で子供の面倒見ていたのに。
一人でご飯作って、一人で子供に食べさせて、一人で子供のお風呂をして、一人で家事をして。家族への来客対応だって私1人で全部準備したのに。
いろんなこと、いろんなとこ、頑張ってたのに。子供を1人で寝かせていたと言うこのたった一回を見て「一緒に寝てあげないなんて」って顔するなんて、あんまりひどいじゃない。
発芽編まとめ
不満の発芽編はここまで。次回は、不満が増幅されるに至った土壌について着目して、最終的にリフレーミングに至るところまでを書いていきます。
ちなみに、こんな風に書きだすだけでも気持ちの整理が付くメリットがあります。『不満の書き出し』は状況の客観視の助けになりますし、読み返すだけでも解決の糸口が掴めたりするものです。ポイントは、感情だけを書かず、状況がわかるように書くこと。
何か嫌な事があった時は、一度文章など自分の頭の外に出してあげましょう。