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草野マサムネ参加に驚いた秦基博コラボアルバム

秦基博×草野マサムネ「ringo」がとても素敵なので、秦さんの豪華コラボアルバムを聞いてみました。雑記です。

『HATA EXPO -The Collaboration Album-』
01. 秦基博×草野マサムネ 「ringo」
02. 秦基博×sumika 「ハローサーリアル」
03. 秦基博×TOMOO 「青葉」
04. 秦基博×又吉直樹 「ひとり言」
05. 秦基博×リサ・ローブ 「Into the Blue」
06. 秦基博×ハナレグミ「No Where Now Here」
07. back numberと秦基博と小林武史 「reunion」*
08. 土岐麻子 & 秦基博 「やわらかい気配」*
09. ストレイテナー×秦基博 「灯り」*
10. KAN+秦基博 「カサナルキセキ」*
(*は既発曲)



🔸マサムネさんの声に釘付けに

秦基博×草野マサムネ 「ringo」


ラジオからふいに流れて来て、「なんだこの良い曲は⁉ 誰の曲(声)だろう?」と耳を奪われていたら、途中からマサムネさん(スピッツ)の声が聞こえて来たので「うわああああ!」と、急激に名曲の度合いが上がる快感を味わいました。(秦さんの声にはすぐ気が付かず。すみません。)

マサムネさんの声って、耳に飛び込んできて瞬時に「うわああああ!癒しの声ー!」って身体が反応する。もはや日本人のDNAに「好きな声、心地よい声」だと刷り込まれているのではないか。
秦さんがサビを歌っている時、マサムネさんがハモっているのも贅沢だと感じてドキドキしながら聞きました。

秦さんインタビューによれば、コラボアルバムを制作するにあたり、好きな人にどんどん声をかけたそうです。

「マサムネさんは誰かとコラボするイメージがないし、共作なんて無理かも、でもバカなふりをして聞くだけ聞こう」という姿勢だった、OKが来てむしろ驚いた、と。
マサムネさんがフィーチャリングではなく、ほかのアーティストと楽曲共作を行うのは初めてなのだそう。ダメ元でもバカなフリしてでもチャレンジは大事ですね!

曲は秦さんが作り、マサムネさんから歌詞の共作を提案され、文通のようにやり取りしながら制作。

私は秦さんに詳しいわけではない(聞いてもすぐ気づかないレベル)、バラードのイメージが強いので、心弾むポップな曲調に驚きました。アレンジ(特にシンセ)が好き、ビブラートをきかせたひょうきんな音色が。アレンジャーはトオミヨウ氏だった。

そして、ベースは大好きなXIIX (テントゥエンティ)すってぃ(須藤優)だと、後から知って嬉しくなりました。米津玄師、aiko、ゆず、宮本浩次を始めとするミュージャンのサポートや、楽曲提供・プロデュースなどもしている名ベーシスト。

でも聞いただけでは、すってぃだとわからなかった。自由なプレイを求められる時は、オリジナリティ全開となる主張が強めのベーシストですが、秦基博×草野マサムネではバランスを見てベーシックな音作りになったんだろうな、と妄想してにやける。
とは言え、サビで動き回って良い仕事しているのが、すってぃのプレイらしくて好き。
特にラスサビはマサムネさんと秦さんの声がユニゾンするので、ベースがより一層際立つ気がします。


🔸英語が上手な秦さん

秦基博×リサ・ローブ 「Into the Blue」

思春期に初めて買った洋楽のCDがリサ・ローブ(米国のシンガーソングライター)だった秦さん。そんな憧れのリサとも共作を果たす。
こちらも、バカなふりして共作をお願いしてみたそうです。バカなふり作戦、最高だな!
基本的にオンラインでやり取りしていたが、ふと我に返ると「俺リサ・ローブとZoomしてるんだな」という感慨も湧いてきたそう。

思春期の頃からずっとファンの海外ミュージャンと、オンラインで曲作りするの、想像つかないですね。すごい。
リサの家族がたまたま日本へ旅行する機会があったので、スケジュールを合わせて一緒に東京でRecもできたそう。なんだその神エピソード。

リサ・ローブ、声が可愛らしい。若々しい。
そして秦さんの英語歌唱がうまくてびっくりしました。帰国子女じゃないよな?知らないで聞いたら「洋楽かな?」って思っちゃいそう。

ギターの鳴り(リサのギターだと思うのだが)が爽やか、L.A.のスタジオの香りがする(妄想)。良いー!


🔸「何言ってるのかな?」重なった軌跡の1曲

KAN+秦基博 「カサナルキセキ」

この曲も初めてラジオで耳にした時、「なんだこれは!」とたまげてしまった。
同じコード進行で、別のメロディー&歌詞を歌っている。聞いたことない試みだけど、絶妙に気持ちが良い。たまに歌詞がシンクロしたり重なるというマジック。

リリース済みのKANさんの「キセキ」と、秦さんの「カサナル」を合わせた、まさに重なる軌跡であり奇跡の1曲。2人とも声が似ていないですか。それも相性が良い理由のひとつなのかな。

発端はKANさんから、「まずそれぞれ同じコード進行の曲をリリースし、後に2曲が重なったコラボ曲を出し、『実は同じ曲でした、すみません』と謝罪会見したい」と持ちかけられた秦さん。

秦さんが提案したメロディーに対し、重なるメロディーをKANさんが作成。すごい要素は全部KANさんが作った、とのこと。

病室で最後にKANさんに会った時、秦さんは武道館を控えていた。秦さんにストリングスアレンジを提案したKANさん。
「ピアノも弾けないのに」と、とまどった秦さんだが、「やれることは全部やった方がいいよ。その方が楽しいんだから」と言われ、「その言葉がKANさんを表していると思った」と、「EIGHT-JAM」で語っていました。

摩訶不思議な共作を持ちかけられた時は、「はい?何言ってるのかな?」と思ったそう。普通はそうだろう(笑)

「キセキ」の後に「カサナル」がリリースされると、「2曲は同じ曲では?」とSNSがざわついたそうです。
謝罪会見までの間に問い詰められたらどうすれば?と心配する秦さんに、KANさんは「プライベートは本人に任せています」としらを切ることを提案。
人も楽しませ、自分も楽しむ。最高のエンターテイナー魂だなぁ。

KANさんと言えば、中学の時に8cmのシングルCD「愛は勝つ」を買ったことを思い出す。
ライブを初めて見る機会を得たのは、だいぶ後の2019年「ARABAKI ROCK Fest」でした。むちゃくちゃユニークで楽しいステージで(派手なお衣装からも人を楽しませたい気持ちが伝わった)、またぜひ見たいと思ったのです、でも最初で最後の1度となってしまった。

近年では、「TRIBUTE TO TRICERATOPS」(2020)でのトリビュート曲「トランスフォーマー」が大好きで、よく聞いていました。ピコピコのアレンジが可愛らしくてたまらない。KANさんのキュートさが最大限に表現されていると感じます。

KANさん、たくさんの素敵な音楽をありがとうございます。


🔸冬の名曲入りした「灯り」

ストレイテナー×秦基博 「灯り」

長年のストレイテナーファンなので、2018年のこの曲が、新作多数のコラボアルバム入りして大変嬉しかったです。

当時、テナーが誰かを招いて曲を出すということが意外でした。ホリエくんが秦さんのファンで(ソロの弾き語りで「アイ」をカバーしていた)、「秦さんがいい」とコラボ相手に決まったそうです。

秦さんは声をかけられてめっちゃ嬉しかったけど、ロックンロール畑の人から見たら「秦基博?はん!あんな軟弱な音楽、聞かねぇよ(スペシャでの秦さんのセリフ原文ママ)と勝手に思っていたから驚いた、と(笑)
わからんではない、でもテナーはゴリゴリのロックもあれば、美メロも得意なので似合っちゃったね。
最初はfeatでも嬉しいと思っていたホリエくんですが、秦さんからの提案でガッツリ共作となりました。双方の良さが余すことなく組み合わさったのではないか。

2019年にテナーが幕張でワンマンをやった際に、秦さんがゲストで来てくれて「灯り」と、秦さんの「鱗」(「灯り」のc/wでテナーがカバーしている)をやりました。秦さんは、「鱗で拳が上がっている…!」と初めての光景に驚いた、というのが良いエピソード。(私も上げましたよ!)

冬の凛とした空気と、じんわりと心と身体に広がっていくオレンジ色のぬくもりに溢れている曲。
コロナ禍のオンラインライブで、ホリエくんが「皆さんのささやかな幸せを願って」と、歌詞にかけて曲振りしていたのも、「そんな優しいことを…!」と、ジーンと来たものです。(若かりし頃は尖っていてMCすらなかったから。いにしえのロックバンドだから。)

テナーのライブでは、ギターのOJがハモリを担当しているのですが、ホリエくんとOJのハモリもいいのよ。

春はくるりの「春風」が、夏の終わりにフジファブリックの「若者のすべて」が、秋はきのこ帝国の「金木犀の夜」がラジオから流れるように、冬になると「灯り」が聞こえてくる。冬の名曲入りしたな、と冬が来る度に思います。
リリース時よりも今の方が好き。名曲はこうして育って後世にまで愛されていくのか、と実感する。好きなバンドにこんな名曲が生まれて嬉しいです。秦さん、ありがとう!

たまたまスぺシャで秦さん特番をやることを知り、何気なく録画しておいたら、ホリエくんがゲストで出ていて喜びました。ゲスト出演するの知らなかった。緩くて面白かった。


🔸秦さんカメレオン説

秦さんが広く知られるようになったのは「ひまわりの約束」(ドラえもん主題歌)なのかな。「灯り」もしっとり曲だし、個人的にバラードのイメージがありました。

back numberと秦基博と小林武史 の「reunion」は、依与吏さんと共作したものを小林さんがアレンジ。秦さんは、アレンジされたイントロを聞き、「今まで聞いてきた小林武史だ!」と思ったそう。
私も一聴して、「あ、『Tomorrow never knows』(ミスチル)だ!」と思いました。依与吏さんと秦さん、声の相性良いな。

sumikaとのコラボもめっちゃsumika節で、片岡くんとの声の絡みも良い。片岡くんはいつも通りだが、秦さんがsumika色に上手く染まっている感じ。

ハナレグミとは個性が違うけど空気感似てる。永積さんの声とも合うな。
(ハナレグミも好きだけど、SUPER BUTTER DOGが大好きでした。復活してくれ!) 

秦さんって、コラボ相手に共鳴する才能があるのだろうか。バンドは組んだことないそうですが、逆に染まるの上手いのかもしれない、と思いました。

日本の女性ボーカリストは、土岐麻子とTOMOOという、キャリアは違えど双方とも落ち着いた声質で、秦さんとピッタリで癒されます。
TOMOOの醸し出すベテラン感、すごい。ドラマ「ソロ活女子のススメ」OPの「夢はさめても」で初めて知ったシンガーソングライターですが、20代だとは思わなかった。

異色なのは又吉直樹(歌詞で参加)とのコラボでしょうか。突然、又吉の朗読で始まるのでちょっとびっくりします。
又吉的には「朗読箇所いらんのでは?」と思ったそうですが、秦さんは欲しかった、と。あった方が個性的で良いと思います。

「僕のひとり言なんて 誰も聞いていないから 思ったことが言えるんだ」という歌い出し。又吉の人物像と重なり、物語の世界が浮かびます。




そんなわけでとっても豪華で素敵なコラボアルバムでした。

初めて秦さんの曲を色々聞いてみたので、今後は一聴して秦さんの声に気づけるようになったかなー。

秦さん、初めて知った時は「そこはかとなく色気がある人だな」って思ったけど、今はすっかり貫禄が出て可愛らしい雰囲気になっている(好き)。ますます岡崎体育と似て来た(笑)

🔸参考インタビュー

・ナタリー


・スペースシャワーTV 特別番組「V.I.P. ―秦 基博―」


・EIGHT-JAM


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