「俺たちどうぶつだ〜いすき!」THE KEBABSの"暮れの元気なご挨拶"
Tasty Rock Band、THE KEBABSの「暮暮(くれくれ)」ツアのー感想です。東京の神田明神ホール2DAYS(2023年12月19日・20日)に参加しました。
このハコでケバブスがやるのは初めて。以前スクービードゥーのワンマンで来たことがありましたが、コロナ禍で座席有りの時期だったので、イスが敷き詰められた状態ですごくコンパクトなホールだと感じました。キャパ足りるのかな?って思ったけど、スタンディングだと700人も入るのですね。蓋を開けてみたら意外と入るし、ギュウギュウにもならずで良い感じでした。ちょっと横長で奥行きが浅め。
先行で2日目だけ当選(200番台)、1日目は何度か落とされて最後のe+で当たって(500番台)ホッとしました。田淵が「東京はすぐに売り切れた、俺たち人気出てきた」とMCしてたけど(ネタトークだけど)、マジレスすると昨年の豊州のキャパが3,000人なので(完売してないが)、700×2なら余裕で完売なのです。都民はいつもヒヤヒヤです。
ドリンクカウンターにお酒がないことを、お酒好きな佐々木と田淵が気にしていました。神聖な場所だからノンアルの甘酒を置くのはどうか?と田淵が提案。甘酒はアルコール入りタイプもありますが、私はアルコール無しが好きなので、ノンアル甘酒があれば嬉しい。沖縄のライブハウスに泡盛があるように、神田明神に甘酒があったらご当地らしくて面白いかも。飲む点滴と言われるほどに栄養価は高いのでライブ後に良いような、でも喉がカラカラに乾いている時にはむせそうなw
全体の雑感
ツアー初日と言うことで、新井さんの仕上がりが気になりましたが、珍しく(失礼な)気負わず元気いっぱい、絶好調な新井さんを拝めたので嬉しくなる。夏の「熱熱」ツアーの初日では、一生懸命に曲を思い出そうと自分と戦っている様子が見て取れましたが、今回は一切ナシで快調でした。
2日目の、確か「ジャキジャキハート」の時に、ギター弾き間違えたのか一瞬変な音が出て自分で笑っちゃってて、それを見た浩之さんも笑ってたのが微笑ましかったな。そんなのはどうってことない。
田淵に先駆けてガンガン下手に飛び跳ね、田淵を隅っこに追いやるパワフルさ。華麗にギターを操りながらも、積極的にお客さんの顔をあちこち覗きに行く新井さんは、以前よりずっとオープンハートだなぁと感じます。
初日も良かったけれど、4人とも2日目の方がリラックスしていて、自由度もグルーヴもグッと増しているのを感じて楽しかったです。浩之さんは定位置だからそこまで変化を感じることが難しいけど、佐々木も田淵も明らかに可動域が違ったし、田淵は2日目の方が笑顔が多かったかも。
佐々木は2日目のみフロアに降りていた。最近「ロバート・デ・ニーロ」で降りることが多いですが、1日目は降りず。2日目はヒロトジャンプもしていて熱量を感じました。
相変わらず髪の毛は伸ばしっぱなし。10月のafocとストレイテナーの対バンで、「人生どうしようもない時は髪切りに行こうとも思わない」って言ってて大丈夫かなと勝手に気にしているんだけど、今もまだそんなモードなのかもしれません。MCの端々からも、低空飛行モードなのかなと感じました。人生そんな時もある。私も今そんな感じだから共感します。
2日目のMCだったかな、佐々木が「いつもケバブスはライブがある日は一緒に遊ぶ、餃子食べたりとか(宇都宮かな)。でも最近みんな忙しくてやってなくて、久しぶりにライブ前に集まってレコード屋に行きました。こういうの大事だなって」って微笑んでいたので良かったなと思ったよ。そういうの大事。
ツアーファイナルは東京のイメージですが、今年は新井さんと田淵のレディクレがあったから東京が先になったのかな。多忙の中スケジュール調整おつです。
新曲「どうぶつがいっぱい」
事前に新曲「どうぶつがいっぱい」の歌詞の1部と、どうぶつコンセプトのグッズが発表されていました。イラストレーターのくさだ さやかさんによる、メンバーがどうぶつ(佐々木:シロクマ、田淵:シマフクロウ、新井:プードル、鈴木:トナカイ)となったイラスト。みんな雰囲気に合っててモフモフしていてとっても可愛い。
くさださんのXによれば、それぞれ2種類の提案があったそうで、新井さんのナマケモノも好きだなぁ。新井さんと言えばナマケモノTシャツですし。佐々木のクジャクっていうアイデアも面白い。
そんなわけでどうぶつ推しのツアー、1曲目から新曲「どうぶつがいっぱい」で幕開け。
TBC少年「パパ、あっちに象がいるよ」
(新井さんがギターで🐘ぱぉーん風味の音を出す)
TBC少年「こっちに猿(2日目はライオン)がいるよ」
(新井さんがギターで🐵きゃっきゃっ/🦁がおーっ!風味の音を出す)
浩之パパ「こらこらお前たち、順番、順番!」
TBC「なんたって俺たち」
SSK&TBC「どうぶつ、だーいすき!」
という、最近のケバブスで取り入れられるミニコントを経てからの本編へ。もちろん会場からは笑いが。新井さん、動物の鳴き声ギターも上手、器用(笑)
そういえば、本編の途中でこんなMCもありました。佐々木&田淵「どうぶつたちはかわいいよねー」「バクは夢を食べるんだからかわいいよねー(笑)」
その流れで、再び象や猿など動物の鳴き声をギターで表現することを強要された新井さんが、さらに「バクは?」という佐々木からの無茶ぶりに、困った末に苦し紛れで適当に鳴らしていたのが最高でした。
(バクの鳴き声ってどんなのか知らないので、調べたらピィ!っていう可愛らしい声だった。)
新曲「どうぶつがいっぱい」は、Aメロが「かわかわ」を連想するようなキュートなサウンドでありながら、どことなくZARDっぽいポップな雰囲気も。
そして何よりサビの部分に既聴感が。1日目に聞いた時、「あのメロディー絶対に聞いたことがある、なんだっけ…」とずっと気になっていて、帰宅してお風呂に入っている時にふと「ゴダイゴの銀河鉄道999ではないか」と思い当たり、2日目に確認したらビンゴで笑いました。最高。
1日目は歌詞を聞き取る余裕がなかったのですが、「銀河鉄道999」のラスサビ「A journey to the stars」と全く同じ歌詞であるように聞こえました。あと「上野にjourney」と歌っているように聞こえた箇所も。恐らく上野動物園のことを指しているのではないか。
最後の「Zoo Zoo Yeah~♪」は、ちょびっとだけECHOESの「ZOO」を思い出したし、タイトルの「どうぶつがいっぱい」は「想い出がいっぱい」(H2O)みたいだなぁ(こじつけ)などと妄想が繰り広げられて楽しい。ECHOESとH2Oはともかく、ゴダイゴは明らかに引用だと思うので愉快です。遊び心大好き。一気に「どうぶつがいっぱい」がお気に入りになりました。
披露する時は毎回冒頭のコントやるのかな。浩之さん、すっかり台詞を読むのが板に付いてきた(笑)
「みんなもどうぶつ好きでしょ?」って聞かれる場面がありましたが、私としては動物も大好きですが(上野動物園の年パス保持)、こういう時は「俺たち、ケバブスだーいすき!」って言いたい気分です。何なんでしょうこの愛くるしい人達は。
その他の曲の感想
・「どうぶつがいっぱい」から「夢がいっぱい」へ、「いっぱい」繋がりが気持ちいい。ケバブスのキュートな面が押し出された立ち上がり。3曲目も「かわかわ」で可愛い繋がり。
・「かわかわ」が終わった後、一瞬間が空く。そして「あ、次はメリージェーンだと絶対に快感だな」と思ったら本当に「メリージェーン知らない」で喜ぶ。この流れを私は知っている、「熱熱」ツアーの時に大好きだった流れじゃないか、わーい!「かわかわ」の締めのドラム1発からの「メリージェーン」のイントロ3連発のフィット具合よ。
・「ジャンケンはグー」では、サビの「フッフー!」で新井さんが顔を上げてマイクの上から声を当てるような、見下ろすようなかっこいい角度でコーラスしてたのがツボ。後奏の「オンギター!新井弘毅!」からのギターソロも絶好調で、長めに弾いてくれて楽しい。ケバブスは自由度が高いから楽しいのです。
・ツアー名が「暮暮(くれくれ)」と言うことで、佐々木が1日目も2日目も曲中に「♪暮れーの元気なご挨拶(日清サラダ油のお歳暮CM。若者はきっと知らない)」をぶっこんで来たので、大人達が笑っていました。さらに2日目は、「♪くれっ くれっ くれっ」と。とんねるずのチョコボールのCM「クエックエックエッ」のリズムだったように解釈して笑ってしまった。佐々木のこういうセンスが好きです。
・「ホラー映画をみよう」がすごく嬉しい。大好きなのに登場頻度が低いのでレア。イントロが音源のおどろおどろしい雰囲気というより、澄んだ綺麗な音だったので(新井さんのアドリブ)、すぐに何の曲かわからなかったです。あと、Aメロの佐々木のリーディング箇所では、新井さんが弦楽器(バイオリン)っぽいシンセっぽい揺れのあるエフェクター使っていたので、響きが新鮮でした。音源と全然違うことやるから、新井さんのギターは毎回聞きどころがたくさん。
この曲はケバブスの凄みや実力やキャリアが発揮されるような、ケバブスの他の曲にはないタイプだから特別に思います。静寂からの浩之さんのカウントに痺れる。静と動、間を楽しむ曲。
「ホラー映画」をやるのであれば、アルバムの順序通りそのまま「メリージェーン知らない」に突入するのも爽快だなと思ったけど、後奏のカオスな流れからベースが主役となり、佐々木の「オンベイス、田淵智也!」から「THE KEBABSは忙しい」のイントロのベースソロに繋がった流れも美しかったです。
曲にまたがってベースのかっこ良さを際立たせる見せ場があるの、かっこいいな。ベースってどうしても音色的にギターより地味になりがちだからな。
・すっかり存在を抹消されたのかと思っていた「パリはもえているか」が披露されました。聞いたの昨年の年末ツアー以来。
初めて聞いた時は全体の流れに今いちピンと来なかったのですが、時を経てアップデートされて仕上がっていると感じました。具体的にどうと言えるわけではないけれど、例えば以前はコーラスがやや突飛で違和感があったのだけど、それは感じなかったり。
何かの洋楽にすごく似ていて、なんだろうとずっとモヤモヤしていたのですが、ようやく思い当たりました。THE OFFSPRINGの「Pretty Fly (for a White Guy)」を感じます。Paris is cutie!!! uh huh- uh huh!!!って脳内でマッシュアップされる(個人の感覚です)。
ラストのドラム、重みがあってかっこいい。浩之さんお得意の感じ。
佐々木が、「神田明神からパリ、ベガスへ飛ぶー!」と叫んだので歓喜。「ベガスでカジノ」が大好きなので嬉しいと同時に、「新井さん速弾き頑張れー!」と祈る気持ちも(笑)
2日目の「台風ブンブン」では、新井さんがAメロ(ギターお休みパート)で、両腕を後ろにえいえい!とストレッチして気合を入れてから、ステージ前に飛び出てギターソロに臨んでいたのがめっちゃかっこ良かったな。
・今日の「てんとう虫の夏」も間奏が長めで楽しかったです。どこで切るかは浩之さん(カウント担当)次第なのかな。
浩之さんのドラムは、他のどんなドラマーよりも1音1音が重たい、と同時にリズミカルであるから、そのバランスにいつも魅了されます。疾走感のある曲調よりも、リズムが揺れる曲の方が真骨頂な気がします。(だからSchroeder-Headzでの浩之さんのドラムは格別)
パリ、ベガス、てんとう虫、あつあつ肉まんのオルタナ強めの流れが激アツ。感覚でしかないけど、「あつあつ肉まんパーティー」も若干良い感じにアップデートされていたような。
・すっかりケバブスのバラード代表格という立ち位置の「ともだちのうた」は、今日も王者の風格で沁みました。ぱぱっと作ったシンプルな曲なのに、これほどどっしりずっしりと心に響いてくるのすごいなぁ。そしてイントロはいつもマッキーの「もう恋なんてしない」を思い出します。
・「THE KEBABSを抱きしめて」は、タイトルにまんま「くれ」と入っているので、佐々木がここぞとばかりに「くれ♪ くれ♪ 俺たちは欲張りだぞー」と、ツアータイトルにかけて「くれ」を連呼していて面白かったです。
・どうぶつ推しのツアーに最適な選曲「猿でもできる」、本編よりもむしろイントロ部分がメインでは、と思うところもあるぐらい、イントロでわちゃわちゃするステージが楽しい。田淵がゴリラのドラミングみたいなのやってて、野性味溢れているのが最高。野生万歳。野生って大事。
・「猿でもできる」でなんとなく終わりかなと思ったところに、不意打ちで「ロバート・デ・ニーロ」が来て、ちょっとやられる。さらにダメ押しで、なんと2回目の新曲。以前はよく「THE KEBABSのテーマ」を頭とお尻にやっていましたが、同じ感覚なのだろうか。2日間で新曲4回も聞けたのラッキー。
・アンコールは4曲。1日目と2日目は1曲だけ違いました。「ガソリン」は、ギターソロを聞いて「これさっき聞いたやつ(「デ・ニーロ」とほぼ同じ)」ってニヤニヤするのが楽しみの一つ。
アンコールの曲数がたっぷりで嬉しいけど、初期に偏ったラインナップの意図は?と不思議に思ったのですが、MCで「新井くんができるやつを選んだ」と説明があったので合点がいったのでした(笑)
「やさしくされたい」は、新井さんのタイトルコール付き(佐々木にやらされた)で。
セットリスト
とっても楽しいセットリストでした。可愛らしい新曲から始まって、「ホラー映画をみよう」でがらりとハードな空気になって、また「パリはもえているか」から激アツの流れで、「ともだちのうた」でクールダウンするのが好きでした。こうして見ると、やっぱりアンコールの並びがなんだか気が抜けた感じ(笑)(個人の感想です)
ライブ前に2021年の冬ツアー「椅子」のライブ音源をずっと聞いていて、「サマバケ」で「12月だぜー!」って佐々木が叫んでるのがミスマッチで好きで、12月にまた「サマバケ」聞きたいなぁというモードだったので、やってくれたらさらに嬉しかったかな。
あと、新井さんがONIGAWARA対バンの後にリベンジしたいって言っていた「まばゆい」は一体いつ聞けるのか、新井さんが「まばゆい」を再びマスターしてくれるのかw、ワクワクしながら来年は待とうと思います。「まばゆいpart2」も大歓迎だよ。
今年もたくさんTasty Rock Bandのライブに行くことができて楽しかったです。センキューセンキューうれしいきもち!