ユニゾン20周年ベストツアーが空前絶後の高カロリーだった
UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2024「20th BEST MACHINE」(全13か所)の静岡、石川、栃木、神奈川(2日目)に参加しました。ごちゃ混ぜの雑感です。
自分がどう感じたのか書き記しておきたいので、事実を詳細に綴ったレポートではありません。
🌟全体の感想
最初のMCで「オールタイムベスト、世にも珍しい有名曲だけのライブ」と説明がありました。ベストアルバムを引っ提げたツアーなので、ほぼシングル曲というレアなセットリストです。
頭では理解していたものの、予想以上に濃かった。お祝いの年だし、もう2度とこんなツアーもないだろうから貴重でした。
🔸カルビだらけで満腹
私が初めて参加したユニゾンのツアーが「プログラムcontinued」だったのですが、念願のライブハウスツアーに参加できた感激から、序盤で「やばい、腹いっぱいすぎて消化が追いつかない」という初めての体験をしたのですが、その腹いっぱいの感覚を思い出しました。
たいていのライブは「え?もう終わり?あっという間!」であるけれど、今回は「え?まだあるの?カロリーがすごくてペースが掴みづらい」と言う感覚。楽しいけど、面食らう、とまどう、みたいな。
通常のツアーは「この曲を久しぶりに聞けた」と言う喜びがありますが、そこに重きがないので、そういった意外性による高揚はない。
お客側として「カルビ、カルビ、またカルビか…そろそろロースとかキムチが食べたいです」と思うのだから(たとえがなんか下手くそ)、ステージ側の大変さを思うと頭が下がります。
宏介も「序盤のテンションじゃない(笑)」と、早い段階で自虐していました。ユニゾンは有名曲ほどあれこれ詰めるクセがある、と。
ついて来てもついて来なくても良し、好きに見て、と語りかけてくれたので「はい、お言葉に甘えます!」という気持ちで臨みました。
そういえば「CIDER ROAD」のリバイバルツアーで、宏介がアルバム「CIDER ROAD」のことを「お肉で言うとカルビ」と例えており、なるほどと思ったことがありました。シングル曲だけ集めたライブは、さらにハイカロリーだったなぁ。
🔸各会場の印象
静岡は、ツアー3か所目と序盤だったこともあり、前半は3人ともまだ身体や感覚が慣れておらずきつそうに見えました。
特に、自分を鼓舞するかのように、気持ちを入れて表情を作って"ユニゾンの斎藤宏介"を作り上げていこうとする宏介の姿が印象的。アスリートが自分を追い込み、役者が集中して役に入り込むようなエネルギーを感じました。
田淵には緊張の色が濃く、貴雄は勢い余って負傷をしたようです。
(曲間の暗転が長めでメンバーがひそひそ話しており、どうしたのかな?と思ったら、宏介が「気持ちを込めすぎて負傷者が出ました(笑)」と告白)
5か所目の石川では、静岡に比べてリラックスしている様子が見て取れて、ツアーが育っていると実感。3人ともアスリートでありプロフェッショナルですごいなと、いつもながら感心しちゃう。
田淵が宏介にちょっかいかけに行く回数が増えると、だいぶ緊張が解けていそうと思う。ツアー初期は、終盤にならないと宏介と向かい合わなかったのに、栃木ではオリオンで早くも絡みに行っていた。たまたまかもしれないけど。
宏介も、田淵の行方を興味深そうに目で追う頻度が上がっていました(栃木)。余裕がないと、田淵の動きも気にしていられないからね。
自分も少しばかりペースをつかめました。通常のツアー以上に、ステージの上も下も、アスリートになって共に駆け抜けるツアーなのだなぁと思う。
10か所目の栃木では、とにかくドラムの安定感と芯の強さに驚かされました。ツアー中の変化が目覚まし過ぎる。最近の貴雄、すごくない?「俺がリズムの神だ」と言わんばかりの頼もしさと神々しさと。
そしてめちゃくちゃ楽しそうです。3人の中で一番ずっと笑っている。ファイナルでは、スティックの真ん中を咥えて嬉々として片手で叩くパフォーマンスも見られました。
ドラムって縁の下の力持ちじゃなくて、舵取りの役割もあるよなぁとしみじみしてしまいました。
3人ともファイナルでは、「出し切るぞ!」と言わんばかりの熱に溢れていて圧巻のステージでした。
個人的に、ロックバンドを楽しむのに広すぎる会場(キャパ1万クラス)は好きじゃないんだけど、ユニゾンがこのツアーで積み重ねてきて最大値となった熱量が、大きなホールを余すことなく埋め尽くしていて、その美学や佇まいに感動する。言葉や理屈で表現できない凄まじさを感じました。
3階から俯瞰していて、自分の知らない凄い人達を観ているような感覚にもなりました。
スクリーンが左右に設置されており、宏介の表情からだいぶ疲労が蓄積されていそうだなと思いましたが、声と音を聞いてる分には完璧だという。あのクオリティーが当たり前だと思ってはいけないよな、と正気に返るような。
貴雄は意地でもずっと笑顔だし、田淵の覚醒しきったような表情も目を引きました。2人とも可動域と運動量が尋常じゃない。
ツアーを通して、3人ともそれぞれ「俺を見ろ!」のパワーが違って面白いと今回も思う。宏介はクールな装いで人を惹きつけるし、貴雄と田淵からは「こっち見てー!」という無邪気なパワーを感じます。
貴雄はパフォーマンスが入るけど、田淵はよりピュアで予測不能。こんなピュアな生き物を他に見たことがあるだろうか(いやない)。表情も豊かなので、一体次はどんな私の知らない表情が?と思って、つい目が離せなくなってしまう。
貴雄は、特にフロントの2人が絡んでいる時に「俺もここにいるー!」のオーラを発しているのが好きです。貴雄もちゃんと見てるよー!
そう言えば今回はドラムソロがなかったな、と初日(静岡)に帰宅してから気づく。現場では全く気付けなかった、情報過多で。セッションの中で、それぞれ短めのソロはありましたが。
🔸「マスターボリューム」と「cody beats」が聞きたかった
シングル曲でセトリ落ちしたのは「マスターボリューム(2nd)」「cody beats (3rd)」「スカースデイル (4th)」「harmonized finale (9th)」「Silent Libre Mirage (配信限定2nd)」でした。
「スカースデイル」は年間通して出番が多いので外れたのもわかる。724でもやったし。「harmonized finale」も、オーケストラ武道館という大舞台で晴れ姿を見れました。
「マスターボリューム」と「cody beats」はご無沙汰だから、すごく聞きたかったです。特に「cody beats」(レア度高い)。大好きなのにどっちも入らなかったなんて。(調べたらマスターボリュームは「極まる渋谷」でやっているが、私はチケットが取れず不参加。)
「Silent Libre Mirage」もしばらく聞いていない気がするけど、新しめのシングル曲はこれからもライブでやる確率が高いから、こんな機会にこそ昔の曲を期待してしまうのがオタクです。
724武道館のセトリが、意外と新しめのシングルが多くて、ベストのツアーもそんな感じかなと思っていましたが、印象としては遠くない感じ。
ベストのツアーとしては正しいセトリなのだとはと理解できるけれど、自分はB面ツアーに恍惚を感じる捻くれものなので、通常のツアーが恋しい気持ちにもなりました。
栃木で、宏介が「初めて見る人には優しいセットリストだけど、『meet the world time』じゃないと興奮できない人にはつまらないかも」と気の利いたことを発言して笑いを誘っていたので、「見透かされているw」と気まずい気持ちに(笑)
ファイナルのMCでは、曲名が『CAPACITY超える』になっていました。味を占めたのか、栃木以降は日替わりでレア曲を言うパターンになったようです。CAPACITYはまだやる頻度が多いから『meet the world time』の勝ちですね!(面倒くさいオタク)。
🔸未発表曲を聞けると思っていた
ベストアルバムの限定版には未発表曲が入っています。最新曲「アナザーワールドエンド」は披露されると予想されましたが、他の未発表曲も1-2曲ぐらいやるかなと勝手に期待していたのです。
でも、なかったからちょっとだけ残念に思いました。サブマシーン収録曲は、ベストツアーの趣旨からズレるだろうし、ツアーには限定版を買っていないお客さんもたくさん来るだろうし、セトリのバランス的に難しいだろうけど。
「月と天秤」はbus stop mouseとの対バンで演奏されたのだろうけれど、全国ツアーレベルの規模でもやってくれないと、なんというか「つまんない」「もったいない」という気持ちがあります。「星追い達の祈り」もQueではやったよね。
「急かすなよ、他でやるから」という計画があるのなら嬉しい。先日発表された最新シングルのツアーとか、FCツアーとかで。そもそも、未発表曲はライブでやるつもりがないのなら仕方ないけれど。
🌟印象に残ったこと
・開演前、ステージの背景にはカラフルなベストマシーンのロゴが掲出されていました。その後、曲に合わせていつものユニゾンのロゴ、20thのロゴなどに入れ替わり、曲を彩る演出となっていました。
神奈川は会場規模が大きい分、演出が豪華でした(大阪城ホールも同じだと思われます)。照明の狙いがはっきり伝わってきて、幻想的で見とれました。
🔸センチピの虹
・1曲目はベストのツアーにふさわしく1stの「センチメンタルピリオド」でした。宴の幕開けを強く感じさせる、おなじみドラマチックなライブバージョンのセッションから。何度聞いてもいいなぁと思う。
淡いクリーム色の照明の中に浮かび上がる3人に、場内の期待が高まっていく。宏介の「●●(県名)、こんばんはぁ!」という発声に、大歓声が上がります。お客の興奮が爆発する瞬間。
静岡では、開演前に虹がかかっているのを目撃。完全無欠のロックンロール宣言かな?と縁起良く思ったのですが、「形あるものだけを空に映したレインボウ」の歌詞を耳にして、そっか、虹は1曲目のセンチメンタルピリオドの序章だったのか、と解釈して楽しい気持ちに。虹も祝福してくれるなんて持ってるバンドだね。
照明もレインボウを意識してカラフルに瞬いていました。
🔸カルシファー🔥出現
・3曲目に早くも「カオスが極まる」が来て、嬉しいのに何故か焦る。SEの爆音で心の奥底から滾る曲のはずなのに。カロリーを使いまくって全身全霊で楽しむ曲だけに、「ちょっと待って!まだ準備が!」と、とまどってしまった初めての体験。
イントロや間奏でスモークの演出がありましたが、静岡ではあまりにも量がすごくてちょっと笑いました。座席が前の方だったので、余計にスモークの迫力を感じたかも。「田淵、どこ消えた?」と思ったら、ふっとモクモクの中から現れて、マジックショーかな?と思うオモシロ体験。
後のMCで、宏介が「煙の量、合ってた?(笑)」と笑っていたので、予想外に多かったのだろう。スモークの演出が初めての日だったのだと後から知りました。(1・2か所目の大阪城ホールではスモークの演出は無し。) ツアー序盤っぽくて良い。その後、石川と栃木では適切な量でかっこよく演出されていました。
神奈川ではスモークではなく、ステージ前方の仕掛け穴(20個ぐらい横並び)から炎がポンポン吹き上がって大迫力。「わあ!カルシファーがいっぱい!w」と思って興奮しました。3階席だったのに温度を感じるほど。
宏介が「熱いw」「20年バンドやってると炎を起こせるらしいw」「そっちも熱くない?」と言っていましたが、3階でも温度を感じたのだから、ステージは相当熱いだろうなぁ。
「fake town baby」でもカルシファー(炎)が大量発生しましたが、メロディーに合わせて左サイドのみ、右サイドのみ、グリッサンドのように流れる、といった動きをしていて器用だなーと感心。こういうド派手な演出に縁がないので、物珍しかったです。花火と音がシンクロするショーみたい。メンバーそっちのけで見ちゃいました。
(炎:公式X右下写真🔥)
🔸一等賞:流星のスコール
・今回のツアーで一等賞のお気に入りは「流星のスコール」でした。上空のミラーボールが白と青の眩い光を放ち、会場に降り注ぐ。背景のユニゾンのロゴが少しくすんで、ロゴに重なって流星が流れるのがエモーショナルで、口をポカンと開けて見とれました。
最初のMCが終わって、ちょっと一息ついて厳かにスタートする雰囲気もピッタリで好きでした。
ファイナルはミラーボールが3つも回っており、放射状に伸びて会場を満たす光があまりに美しく、楽曲の雰囲気にぴったりで感動したため、気がついたら涙が流れていた。胸が震えた素晴らしい光景でした。
また、スクリーン越しに見るメンバー&ロゴ(流星)の映像が、肉眼で見る以上にドラマチックに見えたので、スクリーンに釘付け。メンバーの後ろに流星が降り注いでいるみたいだったよ。
中でもギターソロに息を飲む。宏介にピンスポが当たって、揺れのある幻想的なギターの音色が、まるで流星が遠くから華麗に流れてきて、目の前をさーっと通り過ぎて遠くへ消えていくように感じました。
そうか、流星をイメージした音作りをしたのか、とファンになって10年近く経って初めてそう解釈し、ライブ会場で静かに圧倒され感動する。
小さな流星(ユニゾン)が、覚悟を持って鉄砲玉のように夜空を駆けていく。後戻りはできない、時間は少しずつ無くなってくから。力強く美しいギターの音色に、そんな有り余る思いが詰まっているように感じて、今さらながら胸を打たれました。確固たる意思が静かに燃え滾る曲。
ギターソロを、ベースが支えるように追いかけていくのも面白い。別のタイプの星が、後ろからピッタリ付いていくような。ラストに向けて、流星を鼓舞するかのような勇ましいドラムに高揚し、アウトロの余韻を残すギターの響きにもうっとりしました。
私がファンになった以前の曲なので、後追いでCDを聞き、もちろんライブで何度も聞いている曲です。でも、ベストアルバムに新しいmixが収録されて、最新のユニゾンがツアーで演奏しているのを聞いて、今また新たな魅力を知り、曲の解像度上がった気がしました。
ユニゾンは昔の曲も比較的セトリに組み込んでくれるから、お陰で今なお新たな発見があるし、進化しているバンドだなぁ惹きつけられるなと改めて思う。
「流星のスコール」を新たに解釈できただけでも、このツアーに参加できて良かったと思うほど。もともとお気に入りの曲ですが、さらに好きになりました。
静岡では、サビの歌詞がちょっと怪しい?と思いました、2人のコーラスが重なるから、なんとなく違和感があった。でもライブにおける歌詞の間違いは私には些末なことで(私は歌詞を正確に覚えられない)、曲の世界にどっぷり浸かることに意識が持って行かれ、とても良いエネルギーをもらえました。
S.B mixと元の曲を聞き比べると、若々しさや清らかさを残したまま、洗練された音になっていると感じます。ドラムがめちゃくちゃどっしり落ち着いていて安心する。今のユニゾンが歌っても似合う。ユニゾンの根底にあるものが揺るぎないからだろう。
ラスサビのギターの主張(ブォーン)がでかくなってるのは、今のユニゾンの自信と、当時の自分達へのエール(そのまま進めばいいんだよ)かな?って思っちゃう。
ラスサビの裏コーラス「流星よ 願いを叶えて 流星よ 想いを伝えて 流星よ 君のところへ」も、S.B mixの方が聞き取りやすいですね。ライブだとコーラスは難しいだろうから田淵がハモっていますが、ハモりも好き。田淵のハモりって、綺麗というか美しいというか、イケメンだなと思う。
・背景が20thロゴになり、「リニアブルーを聴きながら」が始まったのですごく嬉しかったです。個人的に久しぶりに聞いたので。
イントロでタイバニのキャラクター達の姿が一気に頭に思い浮かんでくる、なんだろう、この懐かしさと親しみ。元気だった?とても会いたかったよ。
シングル曲の中でもお気に入り上位なのですが、リニアブルーでしか味わえない喜びと高揚があるなぁと改めて思う。
・ハイカロリーの楽曲が続く中、聞き覚えのある大好きなセッションのギターが始まってときめきました。このセッションは「Numbness like a ginger」だ。ギターの音作りがロマンチック(アームふよふよしていた時と、していなかった時があったような)。セトリ入りは予想していなかったのでキュンと来ました。
暗めのオレンジの光が雰囲気たっぷりで、会場が一気にジャズクラブになったみたい。空気が瞬時にしてガラッと変わったのが快感だなと思う。
何かと詰め込みがちな曲のオンパレードの中で、シンプルに3つの楽器が鳴り響く、音数の少ない曲だからこそ光り輝いたなと感じる。ベースが歌っているのも好き。セトリ入り大歓迎の曲でした。これからもたくさんライブでやって欲しい1曲。
神奈川では、スクリーンに映る宏介の後ろに1点の赤い光が広がっていているのがフォトジェニックで、その美しい切り取り方に見惚れました。
🔸「20年分の感謝を込めて」
・「20年分の感謝を込めて」と言う前置きと共に、期待していた「アナザーワールドエンド」が披露されました。やった。
暗めの照明の中で、緊張もありつつ気持ちを込めてくれている、と感じて聞き入りました。BメロのキラッとしたSEが好きというか、初めて音源を聞いた時にそれが泣けたので、脳内で補完。
「どこかで多分潰えてても 不思議じゃなかったから」という歌詞に「そんな可能性もあったのかなぁ」「いやそんなことないよ」と、いつも脳内が勝手に反応します。
ライブでは、2番に行く前のギターを長めに引っ張って歪ませていたのがすごく好きでした。往年のギターヒーローのような野太い響き。
あと、神奈川ではより一層歌が胸に染みてきた気がしました。回数を重ねたのと、音が良かったのもあったからなのかなぁ。(他の席はわかりませんが、3階は良かった)
「もう君に会えない」もそうだけど、こういうバラードに説得力や迫力があるのも、20年続けてきたからだろうなぁ。
神奈川では、最後に貴雄が立ち上がって叩いていた、立ち上がるタイプの曲ではないのに。締めのドラムの響きが20年分の重みを感じるようにずっしりしていて、ハッとさせられました。
(そう言えば今ツアー、2曲目の「Invisible Sensation」から立ち上がっていた。)
同じく神奈川では、スクリーンの映像がモノクロ加工されていてエモかったです。肉眼だとフルカラーで、スクリーンはモノクロ。リアルタイムなのに、スクリーン内だけ過去の映像?と幻を見ているような。
過去映像を含めた、ドキュメンタリー仕立てのMVのことが脳裏をよぎるので、そう感じたのだろうな。それが演出側の狙いだったのかもしれません。
雑誌「MUSICA」のインタビューで、なぜ武道館で「アナザーワールドエンド」をやらなかったのか田淵が説明していて、その理由も理解するけど、それでもやっても良かったのに、という思いもあります。ライブで新曲聞くの好きだし。
でもベストのツアーで聞けて良かった。この先、ライブでやる機会はあまりないかもしれないからな。
・客席が明るめになり、短めのセッションから「桜のあと」へ。セッションのギターに「i wanna believe、夜を行く」っぽさを感じる、と思ってしまったけど、いやそもそも桜の間奏のギターが「君は君のままで」のところとちょっと似てるのか、と気づく。やるわけないのにi wannaを聞きたすぎるせいか脳内が勝手に期待するのです。
今回はドラムソロがないためか、セッションで貴雄がスパークしていました。
・「MR.アンディ」のイントロが始まって、最高にテンションが上がりました。ミラーボールが月のように黄色く輝き、会場が宇宙空間になったみたい。間奏で宏介と田淵が向かい合うのが微笑ましい。
ハイカロリーシングル群の中でも、比較的ゆったりの楽曲なのでほっとする感じもありました。
私が最初にユニゾンに興味を持った曲(速い曲を聞いてもピンと来なかったけど、アンディみたいな曲もあるんだ?と気になった)なので、思い入れが強いです。
🔸笑いが止まらなかった夜な夜な
・「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」では特殊効果がありました。ステージの背後にいくつもの火柱が上がったので、会場からは「おおおー!」と感嘆の声が上がりましたが、私は笑いが止まらず。
火の演出、20周年武道館でもやらなかったのに、ここでやるんだ?と思って面白くて。笑いのツボが変なのは自覚している。
定期的なタイミングで上がる公園の噴水とか、手動で上げる小さな花火みたいな、アナログっぽい可愛らしさがありました。
田淵の足上げと同じタイミングでシュー!っと火柱が上がり、また「ワタシドコ ココハダレ」のタイミングに合わせてシュー!っと上がるシンクロ具合が面白くて。
貴雄は、火柱を片手で指し、片手で叩くパフォーマンスを見せていましたが、メンバーの勇ましい姿に反して火柱がキュートな装いなので、ギャップに笑ってしまったのでした。
神奈川では豪華な演出になるのだろうとワクワクしていたのに、夜な夜なで炎の演出はなかったのでズッコケました。
演出は、地方ではスモーク(カオス、fake)&キュートな火柱(夜な夜な)、大阪と神奈川では豪華炎(カオス、fake)&銀テ(シュガー)だったようです。地方のホールは消防法などで派手な火を使うことが難しそうなので、キュートな火柱だったのだろう。笑えたのも良き思い出。
そんなキュートな火柱にニヤニヤしている間に、間奏で田淵が派手にジャンプをして、宏介が中央でソロを弾きまくるカオス状態に大興奮。ここはいつ何度見ても高揚が止まらないど迫力シーン。
栃木では、間奏でギターとドラムの掛け合いが面白くて「おっ!」と聞き入りました。ギターとドラムが向き合い、ドラムがアグレッシブに仕掛けて、ギターも奇抜な音を出していた、ジャングルの奥から聞こえて来る獣の鳴き声?みたいな。ちょっとラテン系っぽくて好みでした。
宏介はギターの音作りに集中したせいか、Yeah…の入りが少し遅れたように見えました。貴雄の絶好調さが、ギターの良さを引き出したのかも、と思う(主観です)。
その間、田淵はマイクスタンドを自己流に設置して、下手のお客さんへサービスする光景がよく見られました。
田淵は相変わらず両足を上げてヘロヘロになって走り回ってるのがキュートだし、モニターに座って弾いたり、石川では床に寝転んで弾く場面も。田淵が寝転ぶ時はご機嫌メーターが高いのだろうと勝手に思っています。
田淵が座って弾いている姿を目にすると、ユニゾンのアコースティックライブツアーも見てみたいなぁと妄想。暴れていない田淵も好き。
🔸「マントマン斎藤」爆誕
・アンコール無しのツアーでしたが、実質本編ラストの位置だったと言える「シュガーソングとビターステップ」。ベストマシーンのカラフルなロゴが掲出され、ライトアップも七色で、客電も点いて幸福に満ち溢れる空間でした。
神奈川では、イントロで銀テープが華やかに噴出。3階席から見下ろす銀テのシーンもなかなか良かったです。
栃木でベーストラブルがあったのか、途中でサブのベースに変えるシーンがありました。トラブルの瞬間を見ていなかったからよくわからないけど、はしゃいでたからかな(次の曲でオレンジのベースに戻った)。
神奈川では、途中で貴雄が椅子を投げ捨てるという猟奇的な行為がありました。シュガーのラストで立ち上がって叩くことが多いけれど、立ち上がるだけじゃ飽き足らないと言わんばかりの衝動。(椅子は曲終わりに回収)
・栃木で、シュガー終わりで宏介がMCをしていると、貴雄が立ち上がり、飲み物を持ってドラム台(田淵の横辺り)にこしかけるというパフォーマンスを。
宏介が気づいて「なにしとん?w」と話しかけると、オフマイクで「だってドラムの椅子が小さいからずっと座ってると疲れるんだもん!」と貴雄が子供のように叫び、会場から笑いが。
宏介が「わかった、もう最後までずっとそこに座ってていいよw」と言葉をかけつつ、お客さんへ感謝の気持ちを述べるMCを。
貴雄と田淵はダラっとしながら聞いていました(お疲れちゃん)。
そして次の曲に行く前に、貴雄がおもむろに宏介の肩に、自分が着ていたロングの上着(背面にユニゾン20thのロゴが大きく入っている特注品)をかけました。おおお!!!客席が沸きます。
宏介が「濡れてる…!(笑)」ととまどいつつも、肩に羽織りながら「crazy birthday」を演奏するという激レアな事態に。
宏介の見慣れない姿に、「え?ブラックジャック?ドクター・ストレンジ降臨した???」と思って興奮しました。アメコミのヒーローっぽさを感じたのよ。かっこ良かったです。(↓公式X右下写真)
椅子が小さいだなんだかんだ理由をつけつつ貴雄が前に出てきたのは、宏介に20thロゴを背負わせたかったからだろう。栃木では収録のカメラが入っていたようなので、映像に残したかったのかも。
ドラムも超絶好調に感じたのは、映像化されるということで余計に気合いが入ったのかもしれない。貴雄の性格的に。
あと今回のツアー、貴雄がこんなに鮮やかなブルーのシャツをチョイスしているの珍しいな、と思って目を引きました。良いお色。(↑左下写真)
曲終わりで、宏介が上着を勢いよく上に放ったものの、貴雄のように放り慣れていないためか、真下に落ちてマイクスタンドに絡み、会場から笑いが(笑)お疲れヒーロー!
どうでもいいけど「濡れてる…!(笑)」ってファーストリアクションが宏介っぽいと思って笑いました。
以前、何かしらのライブ後に田淵が絡みついていった時も(詳細は忘れましたがインタビュー映像だったかな)、「汗くさい、汗くさいw」って笑ってた。まず気になるよね、生理現象として(笑)(照れもあるかしら。)
その後、ちゃんと貴雄とお客の期待に応えるところも、さすが宏介です。
神奈川でも似たような流れとなりました。
何しろ神奈川はスクリーンがありますので、宏介のMCに備えてリラックスしてドリンクを飲んでいる貴雄や田淵の顔が大写しになると、工事現場で疲れきったおじさんの休憩シーンかな?とw
冷静に考えてとんでもない疲労だもんな、と我に返る。
宏介は、曲終わりではなく途中で上空へ上着を放り投げて、今度はバッチリとキメていました。
・ラストは、724武道館で1曲目だった「Catch up, latency」を持ってくる辺り、田淵の中で意味があったのかもしれない(偶然かもしれない)。
栃木は、今まで聞いた中で一番気持ちが良かったかも。とにかくドラムのリズムとパワーが強力でめちゃくちゃ乗せられた気がします。
いつも楽しいけど、ドラムのにキレに引っ張られて踊らされてトランスするような快感がありました。本当に貴雄がノリに乗っていたなぁと。
・全曲について触れていませんが、どの曲もいつも通りかっこ良くて楽しかったことは記しておきます。
・シングル曲以外にセトリ入りしたのは、「Numbness like a ginger (Ninth Peel)」「アナザーワールドエンド (SUB MACHINE, BEST MACHINE)」「徹頭徹尾夜な夜なドライブ (DUGOUT ACCIDENT)」「crazy birthday (CIDER ROAD)」「スペースシャトル・ララバイ (Ninth Peel)」でした。
一番意外だったのはスペースシャトルかな。ちょっとだけ通常運転のツアーを思い出して、軽やかな気持ちになりました。
この曲では、必ず間奏で3人が向かい合うのも良いんだよな。初心みたいな初々しさを感じます。
(と思っていたけど、神奈川では田淵だけ前向いていたな。)
私が知っている3ピースバンドの中で、最も歪で最も美しい三角形だなぁと、矛盾したことを思う。でも、そういう表現をしたくなるバンドなんだよな。
🌟MC
ノーMCのツアーもあるので、今回も無いかなと思ったら、最初と最後にありました。ハイカロリーなツアーだし、MC(休憩)があった方がお互いに良かったですね。公演はいつも通り1時間半ぐらいかなと思っていたら、今回は2時間近くありました。
最初のパートは大体同じことを言っていたけど(「有名な曲しかやりません」)、最後のパートは言葉をきっちり決めずにフリートークしていた気がします。
以下ざっくりニュアンス。(私の旅の思い出と、公式TikTokも貼っておきます。私が見返して楽しみたいので)
🔸静岡
「いつも通り見せに行くつもりだったけど、ライブをしてみて、すごくありがとうの気持ちにさせられた」
🔸石川
「20年続けて来れたのは、僕らがすごい(←笑うところw)ことと、皆さんが良い人だから。石川県は大変なことがたくさんあるだろうけど、またライブしに来ます」
「石川県は大変なことがたくさんあるだろうけど」という気遣いの言葉に、思いのほかジーンと来ました。地元の方は、より一層嬉しかったことだろう。
🔸栃木
「ライブがしたくて曲を作ってライブを続けて来ただけなのに、見に来てくれる人がいるから20年続けて来れた、ありがとうございます」
🔸神奈川DAY2
「ライブしたくて始まったバンドが、20年経ってもたくさんの人に見てもらえるのはまぐれみたいなもの、お客さん1人1人の力だと思う、ありがとうございます」
🌟セットリスト
私的ハイライトは、流星のスコールからのリニアブルーでした。桜からのアンディも好きだったな。
アンディからのfakeは温度差あり過ぎて切り替えが難しかったわ…ステージの上のひとたち、本当にすごいな(語彙力)。
どの会場も楽器の音がすごく気持ち良かったし(ホールの気持ち良さ)、ボーカルも伸びやかでした。ユニゾン史上、貴重な超ハイカロリーツアー、目撃できて幸せでした。
今年は武道館もあって、その後にこんなハードなツアーをやるなんて、今なお信じられない不思議な感覚。シングルのリリースもして、さらに年末に労力のかかるイベントが控えている。宏介と田淵は別の活動もあるし、マジでとんでもねぇ人達たなー。
個人的座席メモ。
静岡は発券して4列目だったのでびっくりしました。平日の地方公演はたまに良番が来る。
遠い席はステージを丸っと焼き付けられるし、音が割れたりしない良さがありますが、近かったら近かったで3人のエネルギーをより強く浴びることができて楽しかったです。
日常生活で、あれほどのエネルギーで輝いている人を間近で見て感動する機会はなかなかない。なんでこんなにやわらかくてあったかい気持ちをくれるんだろう?と心が震えるような体験ができて、良きエネルギー交換は自分の波動が上がるなぁと思います。
ライブの醍醐味は、音楽体験だけでなく、ステージに立つ人の生き様や佇まいや表情を感じることも含むので、ユニゾンのライブはいつも良いものをたくさん受け取れる。
静岡で隣の席の人が、田淵が前に出て来た時の近さにびっくりしたのかアタフタしていたのが可愛かった。こちらもそのピュアな様子に感動してしまうなど。
この夏は体調が悪い日が多かったのですが、振り返ると静岡公演の日が最もベストな体調でした。ベストで楽しめて良かったなー。
4か所参加しましたが、景色がだんだん遠くなっていったのも面白かったな。色んな楽しみ方ができました。
神奈川はお客さんの数が桁違いなので、トラックの写真を取るのに行列待ちでびびりました。人混みが苦手なので、入退場に時間がかかるのも疲れる。やっぱり小さめのホールが好みです。
なお、静岡ではトラックのことをすっかり忘れており撮影できず。代わりに虹を撮影できてラッキーだったということで🌈
良き思い出になりました。
🌟「窓枠」店長さんのnote
ライブハウス「浜松窓枠」の店長さんのnoteを読み、ユニゾンが浜松のホールでやるのは初めてだったのか、と知りました。
清水のマリナートと富士のロゼシアターの公演は行きましたが、窓枠は行きたいと思いつつ行く機会を得ていないなぁ。
小さなライブハウスを細かく周るのが難しくなって来たと思うので、今後ユニゾンが窓枠でやることはあるのだろうか。
私がユニゾンのファンになったばかりの10年ぐらい前、店長さんのこのブログ↓を読んだことを思い出す。懐かしい。
ライブハウスだったりメディアだったりイベンターだったり、バンドを心から応援してくれる人が業界にいるって、素敵だよね。