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くるり ライブハウスツアー2024 渋谷DAY2 『ヒット曲満載』の豊かなひととき

くるりのライブハウスツアー2024、6/14に開催された東京DAY2(ツアー2日目)の感想です。1,000人以下のライブハウスで見るのなんていつぶりだろうか。コロナの頃は有明ガーデンシアターでもやったし、最近は羽田や台場クラスで見ていたので、クアトロという小規模なライブハウスがとても嬉しい。現在はFC「純情息子」に入会していないので、3月のFC限定リキッドルームは行っていません。今回は会員の友達がチケットを取ってくれました。一般だったらキャパ的に厳しかったかも。

特に何も引っ提げないツアーなので、「ヒット曲満載」(最近の繁はんの決まり文句。もちろんジョークです)=「インターネットの再生回数が少ない曲」を中心に(笑) 
私がファンになった初期(2002年)は、ライブハウスで見る機会が多かったので、ライブハウスで昔の曲を聞けるのもとても贅沢です。

サポートメンバーは、石若くん(Dr)、ノッチ(Key)、まっちゃん(Gt)といういつもの安心安定のメンバー。MCで、石若くんはくるりとやり始めて7年だと言う話が出ました。もうそんなに!と、時の流れに驚く。


🔹ライブの感想

・出囃子はなく、お客の大歓声と拍手に迎えられ5人が登場。背面には「QURULI」というでっかいロゴ。やたらとでかかったのは、すなわちクアトロが小さいということですね。整理番号500番台で、一番後ろの段で見ました。柱のせいでノッチが全く見えず。若様(石若くん)は、マ社長の陰からたまに見えるぐらい。まあまあの視界です。

・繁はんがバンジョーを持っている。1曲目は「鹿児島おはら節」でした。音源ではさほどリピートして聞いたりしない曲なので、しばらく聞いて「ああー」と思い出すレベルですが、ハアヨイヨイヨイヤサあたりで調子が出てきます(私の)(遅い)。出だしがなんとなく「奇跡」っぽいから、そっち系の曲かなと勘違いしがち。

・バンジョーと言えば「Race」を期待してしまうのですが、始まったのは同じアルバムから「Hometown」でした。おお、こっちも嬉しいですが。間奏で渦巻くグルーヴが心地よく、クアトロクラスだからこそ浴びれる音だなと嬉しくなる。「リルレロ」への繋がりがナチュラルで良かったなー。

・10年以上前の曲が並ぶ中、昨年リリースの「In Your Life」が始まる。オリジナルメンバーであるもっくんと3人で作ったアルバム「感覚は道標」の曲は、最新でありながらも、懐かしい匂いがするんだよなぁとしみじみ。

・「シャツを洗えば」のイントロで声が出てしまう、懐かしい!ユーミンとのコラボ曲、思わず笑顔になっちゃうほど好き。イントロは恐らくBlurの「Parklife」オマージュなので、「In Your Life」からの「Parklife」だぁ、とにやりとする(選曲した方は全く意識していないでしょう)。2番のマ社長の涼やかなボーカルも冴え渡ってポップで爽やかー。
からの快活な「Morning Paper」の突入にひときわ大きな歓声が上がりました、良い流れ! 2番のサビ前で、メンバーが楽器の掛け合いで遊び始めるという珍しいパターン。いったんクールダウンしてからアップへ戻る緩急、会場はめちゃくちゃ盛り上がりました。

・後半「ARMY」からの流れがすごく好きでした。まず「ARMY」が始まった時にびっくり。嬉しくて。くるりは明るく爽やかな曲も素敵ですが、ゆらゆらと水の底へ沈んでいくような、目を閉じて流れに身を任せたくなるような曲が真骨頂だと思っています。「ARMY」はそっち系。同じリズムでたゆたっているのだけれど、ベースの上がり方が絶妙な刺激となり快感を促進する。目を閉じて聞き入りながら、この感覚懐かしい、でも繁はんが間奏でフェイクを入れたりしている(多分前はしていなかった)、懐かしくもあり新しくもあるような、クアトロにゆらゆらとうごめく光を見ながら、なんて贅沢な時間なんだろうと浸りました。いつまでも音と共にゆらめいていたい欲。

・からの「永遠」も懐かしくてびっくり。繁はんは、なんとピアニカを持ち出して吹いていた(後のMCで、マ社長のものだと判明)。始まった時、リズム的に「ワールズエンド・スーパーノヴァ」かなと思ったのですが違った。その後「惑星づくり」かなと思ったら「永遠」だった、騙され過ぎる私。でもバックトラックは「惑星づくり」と通じるものがあると思いました。いずれにせよ全部大好き!

・で、次にまさに「ワールズエンド・スーパーノヴァ」が来たから、繋ぎがドンピシャで気持ち良すぎて「フー!」って声が出ちゃう、会場も沸きました。最強のコンボではないだろうかと思える爽快感。「ARMY」「永遠」「ワールズエンド・スーパーノヴァ」の流れは個人的にハイライトでした。どうしても自分がファンになり立ての頃に聞いていた曲というのは思い入れが強くなります。だから「TEAM ROCK」や「THE WORLD IS MINE」の曲にはひときわ沸いてしまうのです。
調べたら「ARMY」も「永遠」も、2015年の20th ANNIVERSARY「NOW AND THEN vol.2」ツアー以来だった模様です。9年の時を経てお帰りー!

なお、WESNでも繁はんはイントロをピアニカで吹いていました。ピアニカを気に入ってハマりそうだと話していましたが、WESNのど頭「ジャッ!」っていうキレ的にはいまいちだったようです(笑) 

・さらに「愛なき世界(TEAM ROCK)」から「花の水鉄砲(アンテナ)」も最高でした。私は「アンテナ」厨なのでね、アンテナの曲はなんぼあってもいいですからね! 異国情緒溢れる独特のリズムに身体が揺らされ、サビ前に重なりゆくコーラスに高まります。なんか不思議だよね。サビはインストみたいにも思えるのに、あの高揚感は何なのだろうか。さすが岸田節です。

・「感覚は道標」から、「朝顔」と「California coconuts」を続けて。また2023年に戻ってきました、その前の濃い世界はなんだったのだ?と思える世界観の違い。おもろ。「朝顔」が始まって、わかっちゃいるのに「ばらの花」だと思ってしまう現象。まっちゃんの逆回転しているみたいなギターが好き。
「California coconuts」は伊豆の風景が浮かぶので、映画『くるりのえいが』を思い出し(レコーディング合宿)、もっくんの笑顔を思い出してちょっと泣けてきました。タイミングがあったらまた一緒にやって欲しいと願っているファンはたくさんいます。

・割と定番とも言える「ロックンロール」の出だしを繁はんが間違えて変な和音が出たので止める、という珍しい事態。マ社長が「それもうやったから(笑)」って言ってたけど、WESNと間違えたのかな? 相変わらず後奏の豊かなセッションが最高。これぞ音楽のだいご味だなーっといつもハッピーになりますね!

・この流れで「東京」はやらなくてもいいのではとも思うのですが(濃いめセトリのワンマンでやるなんて「サービスかな」と思ってしまうので)、聞けたら聞けたで嬉しい1曲。いつの頃からか覚えていませんが、間奏で流麗なピアノソロが入るようになったと思いますが、これが本当に美しい。いつかのフジロック生配信を見た影響なのか、緑の濃い野外が思い浮かんで、キラリとしたピアノの音色が涼し気な風のように吹いていくイメージが沸きます。繁はんの"がこっ!"(レディへ)からのまっちゃんスライドギターのうねりが美しく穏やかでうっとりする。何度も聞いているけれど、やっぱりちょっとずつ進化しているのだなぁと思う。

・アンコールでは、マ社長による微妙にやっつけな物販紹介(恒例)、繁はんのピアニカBGMつきで。仲良しコンビだな(笑)
MCは本編でもちょこちょこしていましたが、マ社長が大谷翔平にハマっているという話が盛り上がっていました。最後に繁はんが「カープもよろしく」ってにこにこしてたのが可愛くて。

・アンコール、「Hello, Radio」は存在感が薄くて(私に)何の曲か思い出せずすみません。あー、FM802のCPソングでした。久しぶりに聞いたけど良い曲だな。ラジオを愛しているので、ラジオの曲って好きなんですよね(だったら忘れるなよ)。「琥珀色の街、上海蟹の朝」に収録していますが、発売当初「琥珀色の街、上海蟹の朝」があまり好きじゃなくて、聞いてなかったなー。今は好きですが、当時は何故か気に入らなかったのです、何でですかね、人間って勝手ですね。

・続けて「Natsuno」が披露されて、ゆったりほんわかのくるりを堪能していたら、突然「オールドタイマー」がぶち込まれて、友人も私も今日イチでテンション上がりました。ぎゃー!びっくりした!
この曲も調べたら2015年の20th ANNIVERSARY 「NOW AND THEN」ツアー以来だったわ。濃いめのお客さん達の腕が激しく上がる、良き光景。こういうことがあるから長生きして良かったと本気で思っています。翌日もしばらく脳内で「マイオ~ルドタイマ~」が響きっぱなしで疾走感に溢れまくっていた私(楽しい)。

ここで終わりかと思いきや、「またお会いしましょう、くるりでした」という定型文からの「潮風のアリア」で、くるりらしいゆったりとした締め。

・小さめライブハウスなので、お客さんの雰囲気もいつもより活発でした。コロナ期間は声出しできなかったこともありますが、エバーグリーンな曲きっかけにファンが増えたと感じる時は、客が大人し目というかおしとやかだなぁと感じることが多いです。でもこの日はノリノリの濃いめファンが多く、レア曲が始まる度に歓声が上がったのも愉快でした。ライブハウスはそういう雰囲気であって欲しい。

・前にいたお嬢さんが、微動だにせず双眼鏡で何度もステージを見ていました。Zeppクラスの2F席で双眼鏡を覗いている人はたまーに見るけど、クアトロ(800人)クラスのハコで双眼鏡持ってる人を初めて見たからカルチャーショックw ライブハウスにも新たな風が吹いているのでしょうね。私はライブハウス通い歴20年以上なので、そういう違いを肌身で感じます。お客が増えるのは良いこと。

・バンドあるあるですが、キャリアが長くなると出番が減ってしまう曲が増えます。だからこれからも「ヒット曲満載」のライブを楽しみにしています。

🔹セットリスト

鹿児島おはら節 (ベスト オブ くるり -TOWER OF MUSIC LOVER 2-/2011)
Hometown(アンテナ/2004)
リルレロ(魂のゆくえ/2009)
コンバット・ダンス(言葉にならない、笑顔を見せてくれよ/2010年)
麦茶(言葉にならない、笑顔を見せてくれよ/2010年)
In Your Life(感覚は道標/2023年)
シャツを洗えば(くるりとユーミン/2009年)
Morning Paper(アンテナ/2004)
スロウダンス(ワルツを踊れ Tanz Walzer/2007年)
BABY I LOVE YOU(2005年SG)
ARMY(THE WORLD IS MINE/2002年)
永遠(TEAM ROCK/2001年)
ワールズエンド・スーパーノヴァ(2002年SG)
愛なき世界(TEAM ROCK/2001年)
花の水鉄砲(アンテナ/2004)
朝顔(感覚は道標/2023年)
California coconuts(感覚は道標/2023年)
ロックンロール(アンテナ/2004)
東京(1998年SG)

en.
Hello, Radio(琥珀色の街、上海蟹の朝/2016年)
Natsuno(魂のゆくえ/2009)
オールドタイマー(さよならストレンジャー/1999年)
潮風のアリア(天才の愛/2021年)

なお、東京DAY1のアンコールでは、最近出たTM NETWORKのトリビュート「STILL LOVE HER (失われた風景)」をやったそうです。うらやましいー!DAY2もやって欲しかったです。いつか聞ける機会があるかしら。

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