青森県でホームレスになった話 3
どうも、ひかりちゃんです
少しでも節約する為に
ホテルではなくネットカフェを選び
シャワーを済ませて仮眠を取り
青森県へ来て最初の夜が終わりました。
翌日は、朝9時頃にネットカフェを
退店しリフレッシュした気持ちで
再び青森県、八戸市の街を散策することに。
具体的な地名が分からず
土地勘も一切無かったので
何処行きのバスに乗ると何処に着く
など分からず、移動手段は徒歩でした。
昨夜と違い、清々しい気分で
改めて眺める八戸の町並みは
昨日感じていた物悲しい哀愁が漂う町
ではなく、何処にでもあるような
住宅街やコンビニ
相変わらず人や車は少ないものの
人の気配や
町が活発に生きている。
という感覚さえ感じ始めました。
食に関しては疎いので
コンビニで買ったパンと飲み物で
軽食を済ませて海の見える場所へ。
海といっても、海水浴場のような
綺麗な場所ではなく
地元の漁船が停泊していて
魚の腐敗した匂いや
ゴミの浮いた緑色の海水
独特な香りのする港へ。
一見の旅行客が寄り付くことのなく
地元の老人や漁師しか足を踏み入れることが
ないようなディープな場所を見てこそだ
というねじ曲がった偏見を満たした後
そこら一帯を再び歩き回る。
田舎の、駅から離れた土地にありがちな
駐車場がバカみたいに広いパチンコ屋
大型電化製品店が数店舗
ショッピングモールというか
イトーヨーカドー
とにかく敷地が広い。
敷地の面積に対して
圧倒的に人がいない
スマホの地図上で見ると
道路を挟んだ隣同士の店舗でも
徒歩で移動するのは中々距離がある。
すぐ近くにある場所でも
物凄く遠い。
田舎の中でも、比較的栄えている
場所(だと思う)を歩き回ってる内に
入浴施設を見つけた私は
他人と浴槽を共有するのが
生理的に受け付けない
潔癖症気味だったにも関わらず
旅の醍醐味は温泉だ
ということで温泉へ行くことにしました。
温泉というよりは銭湯
地元の家族御一行がたまに利用するような
大衆銭湯施設だ。
健康ランド以上、温泉以下
という個人的見解がある施設へ。
それなりに大きな入浴施設で
施設内には銭湯の他に
ちょっとしたお土産コーナーや
お食事処があり
しっかり清掃が施されており
床のフローリングも綺麗な銭湯だ。
数百円の入浴券を買い
そこそこ若い、恐らくバイトであろう
女の子へ入浴券を渡す。
お昼前の時間帯だったので
利用客もおらず
浴場には私しかいなかった。
早速、身体を洗い湯に浸かる。
室内に何個かの浴槽があり
次々に浴槽をコンプリート
露天風呂もあるらしく
誰もいない露天風呂へ向かい
外の景色は見れないものの
風情を感じさせるような造りの
露天風呂を思う存分堪能した。
小一時間で入浴を済ませて
サッパリとした気持ちで服を着ようと
ロッカーを開けると異変に気付いた。
リュックサックがないのだ。
服はある、スマホもある。
しかしリュックサックがない。
隣や上のロッカーを見てみても
脱衣所の何処を探しても見つからない。
財布はリュックサックの内ポケットへ
入れており、当然ながら財布もない。
最後にリュックサックを見た記憶を探る
この入浴施設へ来た際には
確かにリュックサックを背負っていた。
しかし、何処にも見当たらず。
全裸のまま座り込み
改めて状況を整理してみるも
入店し、銭湯に入る前まではあった。
もしかすると、私物を
ロッカーにしまう際に忘れたまま
放置してしまい、後から来た誰かが
持ち去ってしまったのではないか?
そう考えてしまう反面
流石にこんな田舎町で自分が盗難に
合うはずがないし、わざわざ
脱衣所に置いたままのリュックサック
を持ち去るような人間はいない。
何処かに置き忘れたままになってるだろう。
もしかすると掃除の人が持っていき
受付で保管されているかもしれない。
そう思い、服を着て脱衣所を後にした。
この段階で、多少の焦りはあるものの
どうせすぐ見つかる。と、謎の確信が
あり現状を深刻に考えずにいた。
受付に問い合わせてみたものの
落とし物や忘れ物の中に私の
リュックはなく
入店から脱衣所までの道を
捜索しながら歩いてみるが見当たらない。
本来ならここで、受付の人に
詳しく事情を話してみたり
盗難の可能性も少なからず
あるかもしれないので警察に
通報するべきだったかもしれない。
しかし、段々と焦りを感じ始めて
軽いパニックに陥っていた私は
そのまま退店し、思い詰めた面持ちで
近くのベンチに座り込んで考えた。
この時点で
リュックサックを
無くしたこと、探し出すこと。
から
どうやって帰るか。
に変わってしまい、尚更
パニック状態が加速していき
血の気が引いていくのが分かった。
現在、自分がどういう状況に
陥っているのかを理解してはいるものの
あまりのショックからか
どうするべきか、どこにいくべきか
具体的な解決策を見出さず
ただ、ひたすら
うわぁ、どうしよう。
と考えることをほぼ放棄していました。
今、改めて考えると
退店してしまったとはいえ、もう一度
入浴施設へ行き、事情を説明した上で
探してもらったり、警察へ相談する
べきだったな。と反省しています。
それではまた次回