チケット転売とたたかい勝つには
こんにちは
演劇の制作を続けていく中で日々考えていることをツレヅレ書いていくnoteの3回目です。
お金の話が続きますが
チケット転売ヤーを撲滅するにはどうしたら良いかを考えます。
とはいえ、京都の小劇場でチケット転売に困ったなんて話はついぞ聞きません。どこか東京や大阪の大規模ライブイベントなんかの話じゃないでしょうか。
今回これについて考えるのは完全に趣味なので悪しからず……。
なぜ転売は起きるのか
簡単にいえば、そのチケットに需要があるからです。
ありがたい話ですね。
観に行きたい人が多い、収容人数が限定的であり、希少性が高いチケットは途端に需要が跳ね上がります。
とくに希少性というやつは、宝石や動物などに、実際の価値よりも何倍、何十倍という値段を商品につけることがあります。
転売されるチケットも、
その場所、その日、そのアーティストの、限定的な席数の競争に、転売目的の買い占めが起きるとさらに希少性は上がります。
そして、十分に需要があがったチケットは何倍という値段でも
売れてしまうのです。
なぜ転売してはいけないのか
とはいえ、ライブ主催には買い占められた分のチケット収入も上がっているのだから、損はしないのではないか?とお思いでしょう。
そんなことありません
主催側も損しまくりです。
なぜなら、ライブや公演の収入は、ほとんどのところで、チケット収入だけでは赤字になるからです。
そんなバカなとお思いでしょうがホントにそうなのです。
僕も不思議でなりませんがそうなのです。
納得できない方は近くの公演主催者に聞いてみてください。
おそらく原因としては
・そもそも収容人数に上限があるので売り上げにも上限がある。
・そこそこ大きい施設でのライブだと、そこそこ高い賃料を取られる。
・スタッフもそこそこエキスパートを雇うとそこそこ賃料を取られる。
(とくに、芸術分野に秀でたスタッフは賃料がめちゃ高い)
・何かのトラブルでライブが飛んだ時の払い戻し手数料がバカにならない。
そんなやればやるほど赤字になるようなライブ、どうやって成り立たせているのか???
それはグッズ販売です。
グッズの売り上げは大きな収入源であり、グッズを売るためにライブイベントをしているといっても過言ではないでしょう。
なので買い占めによって本来、来るはずのお客さんが来なくてガラガラなんてことになったらグッズも売れなくて想定したより大赤字なんてことにもなりかねないのです。(満席予想なら警備など追加予算が発生していることもあるでしょう)
また、転売チケットを買って来場したお客さんは相場の何倍も高いチケットを買っている場合があります。そのチケットの差額は、本来グッズに使えたかもしれないお金なのです。
主催者の売り上げとなったかもしれないお金を間に入って掠め取るのですから、結局、主催者にも、ファンにとっても、全然得にならないのです。
どうやって転売と戦うのか
いよいよ本題です。
最近では転売ヤーに罰金を課すなど、法整備が進んでいますが、そもそも転売はとてもバレにくい犯罪です。
なぜなら、転売は買う側も隠すからです。
転売という犯罪は、転売ヤーと買い手がいて初めて成立する犯罪です。
被害者はライブ主催と、買い占めによって買えなかった人たち。
この時点では転売ヤーと買い手は共犯です。
そして、チケットがどんなルートを通って来場者の手元に渡っているのか、それを追跡するようなシステムは、面倒だし、金がかかるし、割に合いません。
それでは、どうやって転売と戦えば良いのでしょう?
現状、転売と真っ向から戦って無事で済む方法はありません。
ですが、方法はあります。
それは
転売ヤーから買わないという方法です。
ありきたりで当たり前かと思いますが、最も実行の難しい方法です。
ただ、実行できれば、最も効果的な方法です。
先ほども言った通り、転売ヤーから買うということは、転売ヤーの共犯になるということです。自分と、転売ヤー以外の全員を苦しめることになります。
自分こそ、そのアーティストの真のファンを自負するなら、絶対に転売ヤーから買わないことです。
転売ヤーは利益の見込めないアーティストからは手を引きます。
ファンは、アーティストを守るために、転売ヤーの介在を絶対に許さないこと。
アーティストは、自分を守ってくれる、真のファンを育てることが唯一、転売ヤーと戦うための戦術なのです。
転売はなくならない
転売ヤーをどんなに厳しく取り締まる法律ができたとしても、絶対に撲滅することはできません。
それは世界中の警察が麻薬カルテルと100年戦い続けて未だ撲滅に至っていないことからもわかるでしょう。
どんなにたくさんの真のファンを獲得したとしても、裾野は広がり、新しいファンが転売ヤーに手を出してしまうこともあるでしょう。
転売は、ただの犯罪ではなく、国民全体のリテラシーを問われる、社会問題なのです。
いつか、転売のない理想郷を作るために、目の前の転売のみならず、社会全体をよくする方法も、同時に考えていかなければなりません。
河合厚志
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?