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暁に薮を睨む

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刀篤(かたなあつし)の厳選した詩集です。
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2022年2月の記事一覧

詩:『君はジーンズを履かない』

詩:『君はジーンズを履かない』

『君はジーンズを履かない』

メンスの満ちるように
私のロジックは満ちた

不死のエーテルのように
哀しい祈りは飲み干された

ビッグクランチに向かう
宇宙の最先端ファッション

天翔る炎のホイールに
全てが帰結するような

老人たちの聴くポップスが
蘇生蘇生蘇生と歌っていた

私の時空系列は周回しない
私はもうジーンズを履かない

詩:『棺姫』

詩:『棺姫』

『棺姫』

死にたいって心底そう思ったら
それが最高の詩になるんだろうな
全ての人の気持ちを代弁してるんだから
心の支えになるものが欲しかっただけだよ
別になんともないんだ僕は強い男だからね
汚いものを吸い込んで汚いものを吐き出して
そうやってゴミだらけの街で死体を拾って
棺のお姫様のような女性に生まれたかった

詩:『ホラー映画』

詩:『ホラー映画』

『ホラー映画』

「何故わざわざお金を払って、
怖い思いをしなきゃいけないの
吊り橋効果を期待して、
妄想に支配されてるんでしょ
最初にわたし、言ったでしょ?
下心を見せる度に、ぶっ殺すって」

彼女がチェンソーのエンジンを……そして、
これはデジャヴ、デジャヴなのだ