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私(母)の「頑張る」が子どもの「頑張る」に伝染していたお話
はじめに
不登校リカバリーCPCをお読みいただきありがとうございます。
不登校リカバリーCPCは、ACEスコア(その人の人生に影響を与えるトラウマの度合いを示すスコア)がハイスコア出身の3人の子育て中ママでもある3人(Isha、ゆみこ、Tomoko)のセラピストが、共同で配信しています。
私たち3人は年単位をかけながら、それぞれのトラウマ(痛み)に向き合いながら、その過程で子育ても行ってきました。
個人のトラウマの癒しが、我が子の子育て、学校や幼稚園への行き渋りや
不登校、パートナシップなどの課題に対して、家族との生活や自分自身にどのような影響を与えてきたのか。
その変化をそれぞれのフェーズで体験してきました。
3人のセラピストの体験の中で得た学びや知恵を、各々の目線から綴っているコラムマガジンになります。
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思春期に入った頃から感じてきた異様な疲れやすさ
さてさて、私自身の最近の育児を通したお話になりますが、
遡れば、今回お伝えする育児での課題は、実は私が学生時代から始まっていました。
本日はこの辺りから、お伝えしていこうと思います。
思春期に入った学生のころから私はとても疲れやすさを感じてきました。
しかし周りを見渡しても、私ほど疲れを感じている友達は見当たりませんでした。
休み時間も外でバレーボールをしたり、友達同士でお喋りしたり。
なんで皆、あんなに元気なんだろう・・・。いいな~~っと。
私自身には全くそんな元気はありませんでした。
重たい体を引きずりながら、
なんとなく一緒にいる友人たちとなんとなく会話して、
なんとなくくっついているような状況でした。
いつも「なんとなんく・・・」でそこに存在していたので
楽しんでいるなんて状況とは程遠い、
「孤独」で「寂しくて」「心底疲れた」ような状況でした。
けれども、当時は自分がそんな状況であるとは全く思っていませんでした。
なぜならその状態が私自身の「日常(デフォルト)」になっていたからです。
そして当たり前でもありますが、後にこれらが自分の人生に大きな影響を与えていたかなんて、全く知る由もありませんでした。
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年末年始に起きた出来事から課題が急浮上
昨年から今年にかけての年末年始。
我が家はインフルやら風邪やらで家族全員で次々にダウンしていきました。
帰省などの予定も全てキャンセル。
今年の元旦は、皆で寝正月。
帰省に合わせて冷蔵庫も空っぽにしてきたので、
自宅にあるものだけで食い繋ぎ、元旦の夜は吉牛のドライブスルーで、
外に出ることもなく車の暖房でヌクヌク温まりながら牛丼を購入。
食べた後の洗い物もほとんどなく、食後の片づけは牛丼が入っていた容器をゴミ箱に投入するのみ!!
なんて楽なの!!と!!(*´▽`*)
この出来事から次第に、自分自身がいかにこれまで頑張り、
疲れてきたのかを、身体の状況を通して繊細に感じ始めていきました。
日々の家事の中で自分の抱えてきた「信念」が見えてきた
家族が体調を取り戻し、平常運転に戻り始めたとき、ふとこんな感覚が
奥底から上がってくるのをキャッチしました。
「あ~、なんか疲れた・・・」と。
その時、私はいつもノンストップで根を詰めながら家事をしていることに気が付いたのです。
そして意識的に手を止めて、奥底から上がってきたその感覚に従って、
自分のために一杯のコーヒーを淹れて、椅子に座って休みました。
ホッとして「フ~~~」と息がつける。
家事をしているときに、こんな感覚を味わったことがなかったことに気づきました。
そしてなぜ、こんなにも何かに追われるように、焦ったように、
根を詰めながら家事を終わらせようとしたいのだろう・・・と、
考えてみたのです。
思えばそれは、結婚をして第一子を出産してからのことでした。
家事などをしている最中に手を止めて子どものお世話をすることは、当時の私にとっては、意識が分散して集中できなくて、とても難しいことでした。
なので、わが子が機嫌の良いときにできるだけの家事を終わらせて、
お腹が空いたり、眠くなったりした時にすぐに対応できるように手を空けておきたいという気持ちが、当時は自覚はありませんでしたが、実は強く働いていたことに気づいたのです。
しかしその根底には、
「完璧にこなしたい」
「間違いたくない」
「間違ってはいけない」
「抜かりなくやらくてはいけない」etc…
こんな意識が横たわっていたことにも気づきました。
これは私自身が抱えてきた「信念」でもあります。
体や心が疲れていても頑張って、頑張って、頑張って・・・。
そのために「イライラ」も募り、夫との関係も悪化。
私の中の「頑張る」意識は、その時の状況に合わせながら
子育てが始まる以前から、既に頑張り続けてきたのだと感じたのでした。
ふとした時に涙が滲む日々から気づいたこと・・・
そんな気づきを得た後から、私は家事以外の日々の生活の中でも、
自分の内側からの「疲れた、休みたい」をキャッチすると、意識的に手を止めて休むようにしてきました。
立ち止まって、腰を下して自分のために淹れたお茶やコーヒーを一杯飲んで一息つくと、ふっと体の力が抜けて落ち着くのを感じていました。
こんな数分の時間すら、自分を休ませることを許してこなかったんだな・・。
と感じた瞬間、目の前の視界が涙でぼやけていきました(´;ω;`)
私の頑張りとは、こういうことだったんだなぁ・・・。と
しみじみ、自分の「頑張る」状態を身体の感覚と共に味わう時間が少しづつ増えていく中で、学生時代からの「疲れ」も、実は、根底にある「信念」から追い立てられるように頑張り続けてきたであろうことにも、繋がっていったのでした。
そんな感覚を味わっていると、「もうこのやり方を辞めたい・・・」という気持ちが涙と共に奥の方から湧き上がってきました。
「頑張るというやり方」が私自身の生き方の一つになっていたのですが、
この生き方に限界を感じてきたのですね。
この場合の「頑張るという生き方」は、
自分自身を犠牲にしながら攻撃して、戦う「生き方」だったと思うのです。
この「頑張る」という生き方を、私は子どものころから「無意識」にずっと行ってきたことに気づきました。
そしてこの生き方は、私自身を幸せにはしてきませんでしたし、家族のことも幸せにはしませんでした。
「頑張る」ことで犠牲にしてきたこと
涙が出てくる時というのは、身体や心が緩んでいる状態であるといいます。
そんな時に、奥底から込みあげてくるものを感じました。
心と身体を固くしながら、
自分の本当の望みも埋もれさせてしまったのだなと。
子どもの頃から頑張り続けることで、
一体自分の中心から何を望んでいるのか。
何を大切にしたいのか。
自分が何なのかがわからない状態、麻痺させている状態であることに改めて気づいていきました。
それらを犠牲にしながら、表面は真っ当見えるように日々を生きてきたのだということを。
自分を苦しめる「頑張る」と自分のための「頑張る」は違う
これらのプロセスの中で、これまでやってきた私の「頑張る」は、
自分を攻撃、破壊、生命を削る方向へと矢印を向ける「頑張る」だったことに気づきました。
この「怒り」のようなエネルギーを生きていくための力にしながら、
なんとか生き抜いてきたのだと思います。
「よく頑張ってきたね・・・」としみじみと静かに内側で声をかけました。
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けれど、もうこの頑張りには限界であることもひしひしと感じてきました。
外側の皮を脱いで、脱皮をしたいと感じるほどの感覚を身体から感じていました。
これからは生命を削って生きる在り方から
「自分の人生を豊かにするために頑張る」在り方を学んでいこうと、頑張ってきた私自身に伝えました。
「頑張る」がわが子にも伝染していたことへ気づき始める
「意識は伝染する」ということをご存じですか?
特に子どもたちは、近くにある自分よりも大きな意識(特に親や大人)の影響を受けやすい。と言われています。
境界線を構築中の子どもたちは、誰かの意識を自分の意識として受け取りやすい。ということです。
これは世代間連鎖とも呼ばれています。
私は上記のようなプロセスを経ていく中で、
10歳の我が子のこれまでの歩みを思い出していました。
まだ僅か10歳ですが、ここに至るまでに色んなことがありました。
過去の息子の生活の中で気になる出来事と、
そこに関係する息子の様子が思い返されていました。
この子の生き辛さの一つは、私自身の生き辛さのその感覚と似ているように感じたのです。
私自身の頑張りの根底に横たわっていた「信念」
「完璧にこなしたい」
「間違いたくない」
「間違ってはいけない」
「抜かりなくやらくてはいけない」etc…
「〇〇しなくちゃいけない・・・。」という私の信念を
あらゆるところで受け取って、息子自身の「信念」となり苦しんできたのではないかと・・・。
ある時息子と話しているときに、大好きな野球教室のことについて、
こんなことを伝えてくれました。
「野球をしている時は、楽しい。
遊んでる時と一緒なんだよ。だから楽しいんだよ。」と。
野球をする中ではルールもあります。
ルールや約束を守るのが苦手な息子。
けれども、それでも野球は楽しい。遊んでいるような感覚だと。
その感覚は、生きていく上でとても大切なことだと感じ、
私はこんなことを伝えたのでした。
あなたはこれまで、すごく頑張ってきたとママは思う。
それは今だけじゃなくて、
小学校に入ってからも、そして幼稚園の時も。
そして本当はそのもっと前から
ずっとがんばってきたんじゃない!?
頑張っている時、本当はとっても辛かったんじゃない!?
本当に頑張ってきたよね。大変だったよね。
野球をしている時のその「楽しい」っていう感じを、
これからもたくさんたくさん、体験していくといいと思うよ。
小学校卒業までの残りの1年間、コーチや仲間とたくさん楽しい時間を過ごしておいで。
「楽しい」っていう感じが、きっとこれからのあなたを支えてくれると思うから、その感じを大切にしておくといいよ。
パパとママもたくさん、心からの楽しいを、体験できるように応援しているからね。
息子は、何も言わず静かに私の言葉を聞いていました。
私も息子の様子をから、言葉が伝わっているのを感じていました。
親である私自身が、自分のために頑張ることを。
そして自分を豊かにするために頑張るとはどういうことなのか。
これから私の在り方を通して息子に伝えていけるといいな思っています。
家族の中で起こる「家族の問題」について学ぶことの意義
ここまでの子育てやパートナーシップ、心的癒しの過程を、セラピー、ワークと並行しながら私の理解や気づきををサポートしてくれた学びの教材があります。
パートナーシップや子育てに現れる難しさは、
その家族を構成している親が過ごしてきた「家族の問題」でもあります。
「家族の問題」について、テーマ毎にわかりやすく丁寧に解説されたハートエデュケーションセンターが提供する「家族学」。
この中には様々な角度から家族の問題に光を当てて、
家族が引き起こす問題の根本原因について、深く切り込み解説しています。
それはご自身への理解、家族を構成している一人ひとりへの理解を深めてくれることでしょう。
動画ですのでご自身のペースで学びを進めていくことができるため、育児やお仕事、介護などでお忙しい方にも最適です。
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まだ一般には知られていない家族学のこと、トラウマのこと、心と体のつながりについて、体験談を交えながらお伝えしていきます。
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