【女性起業家対談】調査事業の必要性と複数名の最適チームとは?(グローバル・カルテット/城みのり様)
今回は、
グローバル・カルテット代表城みのりさんと、A-Co-Labo代表原田の女性起業家対談の様子をお届けします!!
城さんと原田は、女性起業家としてや事業内容も共通点があり、APT Womenでの出逢いがきっかけで意気投合し、今回の対談に至りました。
前編と後編2回に分けて対談の様子をお届けします!
APT Womenとは?
以前に、代表の原田が書いたnoteはこちらから↓
自己紹介と事業紹介
グローバル・カルテット代表城みのり
(Jo Minori)
城さんのTwitterはこちら🕊→https://twitter.com/minori_jo_gq
A-Co-Labo代表原田久美子
(Harada Kumiko)
原田のTwitterはこちら🕊→https://twitter.com/MQlabo_nochico
原田 今回、城さんと対談できることをとても楽しみにしていました。
我々のサービスについてや、女性起業家として感じていることを中心に、お話しを伺えたらと思います。
城 よろしくお願いします。
1.調査の必要性について
原田 ビジネス面や経済面、研究面での調査の必要性について城さんが感じていることを教えてください。
城 弊社は現在2つの事業を提供していますが、1つは国内外の市場調査をはじめとする市場動向を中心に、技術面、競合調査等、包括的な調査案件の受託です。
お客様自身がスポットコンサルサービスを利用してから仮説をもって依頼いただくこともありますが、なかなかうまく使いこなしている方は少なく、時間ばかりが過ぎてしまう状況があります。
ビジネスにおける調査は、クライアントがスピードを求めていることも多いので、スクリーニングに時間をかけられない、という点があると思いますが質の担保も重要です。
我々が持っている強みと、クライアントの方が+αで欲しい情報をかけ合わせ、早いスピードで対応をしたいものの、業界としてまだそこまで至っていないもどかしさもあります。
原田 そうですね。全ての分野において専門知識がある人はいませんし、企業内でも偏りがあると思います。その偏りがあるままでは事業は上手くいきません。
専門外の人との出会いや領域を超えた掛け合いが、今後事業開発を行うにあたってどの会社も必要になってくると考えています。
そんな時に専門外の人をどう探したら良いのか、という壁は誰しもがぶつかるところです。
また、研究開発や技術開発は市場に情報が出にくく、A-Co-Laboはブラックボックスになりがちな研究開発をサポートしています。
ただ、クライアントとして、問い合わせにハードルを感じているようにも思います。
城 確かに新規のクライアントにとっては、ハードルが高いと思います。
ですが、弊社としては軽い気持ちで相談していただきたくて、昨年新規サービスとしてウェブ上でプロフェッショナルに相談できるプラットフォームを立ち上げ提供しています。
まだ言語化できていないような、ふわっとしている早い段階からお声がけいただかないと、後になってあれもこれもと逆に時間を要することになります。
本質とずれていることが8割くらいあるので、たかが調査と思わず、もっと手前の段階で頼っていただくことの重要性を声を大にして言いたいです。
原田 具体的な課題は何だとお考えですか?
城 組織が大きければ大きいほど、社内である程度方針を固めないと予算取りが出来ないのが問題だと思います。
相談段階から外部に頼る=お金がかかるという思い込みが世の中にあると感じています。
実査手前まで自社で頑張れば安く良い調査結果につながるのかというとそうではなく、もっと初期段階の質にかかわる部分にこそ外部委託にこだわることが重要だと思います。
残念ながらまだ浸透しているとは言えないので、クライアントに理解してもらう難しさをいつも感じています。
原田 確かにそうですね。これまでの企業文化も関係しているかと思います。外部にお願いするならある程度まとまった状態でないといけないという習慣ですね。
また、自社に足りない知見を補完するなら、フィーが発生するのは当然です。
しかし、知識に対しての対価はあまり価値として認められていません。こういった思考が変わらないと、私達のサービスは広まっていかないと思います。
城 そうですね。私達の「初期から伴走する」サービスは専門的なアウトプットに近いのですが、調査の成果物は報告書などに依存していて、「相談」にお金を払う価値が受け入れられていません。
弁護士や税理士に「相談料」を払うといった感覚と同じなのですが、まだ日本は遅れているのかなと感じます。
原田 企業にいたので理解はできますが、納品物ありきでないと発注が出来ないという状況は少しづつ変わっていって欲しいです。
こういった現状の中で弊社に興味を持ってくださった企業様には感謝していますし、興味をもってもらえるように我々も動いていかなければ、と感じています。
2.なぜチームなのか?
原田 1人のフリーランスと研究者ではなく、複数名の専門性を持った方がチームでプロジェクトを行うにあたっての良い点や、感じていることをとを教えてください。
城 一人で出来る範囲や得意な部分は限られていると思います。
1から10まで出来る経験者であっても、2から3にあたる所はできれば任せたい、といったことがあると思います。
私自身もそういった経験がありました。
ですがチームを組めば、苦手なところを得意な人に任せられます。
例えば、10社調べなければならない時は、一人2社づつ分担しよう!と協力することで、一人だとトータルで数ヶ月かかるものもスピーディーな対応が可能となります。
これにより、短期的で大きなプロジェクトも安心して任せていただける様になります。
ただ、チームのメンバーのアウトプットに大きな差が出ないようにクオリティをコントロールする工夫は必要です。
今まで取り組んだ成果物を見せてもらったり、小さく切り分けた仕事にまず取り組んでもらい、その出来がこちらの望んでいるもの以上に至っているかのチェックを何回か繰り返します。
その上でチームの人と同じレベルで仕事ができると判断できたら、正式にプロジェクトにアサインしてもらうといった手順になります。
原田 良い点については、私も城さんと一緒です。
一方で、前提の共有を含め本人のスキルの評価や、こちらが望むものをどれだけ汲み取れるかといった能力も非常に重要だと思っています。
そうでないと、チームでやるより一人でやったほうが早いという事になってしまいます。
城 その通りですね。2伝えて8~9返ってくる人と、言われただけの事をそのままやる人もいます笑
読み取る力や、考えて提案する力、間を汲み取る力が大事です。
普段のコミュニケーションはSlackがメインなので、文章だけで上手くコミュニケーションがとれるのは、かなり貴重な能力だと思います。
原田 そうですね。20年近く社会にいると本当に様々な方がいて、分からないことを全て聞いてくる人もいらっしゃいます。
それはそれでウェルカムなのですが、自分が分かっていないことと、全体を通して分からないことの区別をつけてから相談してもらえたらと思います。
全体を通してある疑問が浮かぶのは良いことですが、文章の一文一文が引っかり質問をされてしまうと頭を働かせて欲しいなと思ってしまいます笑
私の伝え方もまだまだなので、自戒を込めて。
加えて、先回り力も重要ですね。
城 激しく同感です笑
俯瞰して物事を見れる力を持っている人は意外と少ないです。
私達の仕事にはその能力が必須なので、その能力が乏しい方と一緒に仕事をするのは難しいです。
クライアント自身も、物事を俯瞰して見ることが出来ていないこともあるので、クライアントが何を考えているのか、どうしてそう考えるのか、といった背景の部分まで想像して確認する等の補う能力が必要です。
クライアントが出来ないことを、我々が引き受けているという理解をしている必要があります。
原田 相手の立場に立てるかですよね。
城 相手は、「今こういう状況だからこれが知りたい!」とピンポイントで要求してくることが多いです。
ですがそれには必ずいくつもの背景があります。
クライアントも背景や目的を提示して下さいますが、それだけでは相談に至った詳しい経緯や想いまで汲み取ることは出来ません。
そのため、相手の立場に立って背景を理解して動けるかが重要です。
3.経験が浅い人でも出来ること
原田 経験のある方は、背景を読み解くことに慣れているかもしれませんが、まだ経験が浅い人はどのような姿勢で取り組むことが必要だと思いますか?
城 常に仮説を持ち、その仮説を疑い更新し続けながら行動する姿勢が大切です。
クライアントに仮説のない質問を投げるのではなく、「自分はこう考えているがこの認識で間違いないかと」といった様なコミュニケーションをとればスムーズに物事が進みます。
しかし、最初に設定した仮説も調査を進めていく上で”意外と違った!”と気づくこともあるので、常に疑いの目を持つ必要があります。
頼りになる存在の人は、そういった点がどんどん成長していきます。
最初は、ジュニアレベルでプロジェクトの切り取られた一部のみにコミットしていた人でも、今では自分でプロジェクトを回せるようになっていたりします。
そういった人達の共通点に、これが世にでたらどうなるのかと予測できる、知的好奇心があるのではないかと思います。
原田さんは、いかがですか?
原田 仮説をぶつけた上で、相手からどれだけ聞き出せるかも重要な能力だと感じています。
城 そうですね。ヒアリング力と想像力を養うには経験が必要なのかもしれないですね。
プロジェクトマネジメント出来ること自体、経験がないと難しいところはあります。
ただ、プロジェクトマネジメントにおいて優れた人が、実査においても優れているかと言うと、イコールではありません。
実査においては、没頭して取り組めることに加えて、疑問力、仮説構築力の高い人の方が向いています。
それぞれ別の能力が求められているので、そういった点でもチームでやることの意義があると思います。
原田 適材適所ですね。それがチームが上手くいく秘訣だと思います。
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対談の後編はこちらから↓
グローバル・カルテットについて
「ひとりのフリーランスより、複数名の専門性。」をミッションに掲げるフリーランスリサーチ集団、株式会社グローバル・カルテット。世界中のどこにいても働ける環境があります。
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