洗脳 第6章 我慢
学生時代
特に中学生の頃
朝礼が苦手だった
ずっと、立っていると
足元が揺れ始め
ふらふらとし始め…
同級生に
「寄りかからないで」と言われた事もあります
ふと見ると
しゃがみ込んでる子や
倒れる子もいました
朝礼が長すぎるんだよ
誰かがぼそっと…
先生が喋ってるのにしゃがみ込むなんて私にはできない
みっともない
立ちくらみにふらふらしながら
必死に立ち朝礼が終わるのを待ちました。
「ねぇ、調子悪いなら座っちゃえば?倒れるよりいいよ」
意地っ張りな私は、同級生の言葉にも
耳を傾けませんでした。
今は、朝礼は座って聞く
そうなったみたいですね。
でも、私達の頃は
きちんと、背筋を伸ばして
が当たり前でした
意固地で頑固な私は
「みつともない」と思っていましたが
実は「羨ましい」と思ってたのかもしれません。とても辛かったので。
昭和世代の私達は
「低血圧」と言ってましたが
血圧計で測っても、正常…という子がほとんどでした
実はこれ
『起立性調節障害』だったのかもしれません
ここ何年かで認知し始めた病気
少しずつ、研究が進んできてますが、
まだ、わからないことも多く、特効薬もありません。
まして
この時代にわかるはずもなく
『貧血』で悩んでいた子はたくさんいたと思います。
座り込むなんて恥ずかしい
この考え方は
とても危険だったわけです。
だけど
洗脳されてる私は、朝礼のたびに
『貧血』を起こしながら、必死に立っていました。
倒れなくてよかった…
親になり、子供が
『起立性調節障害』になり、学校への理解のために調べていて、
あー、あれも、そうだったのか…と思いました。
大人になり、改善されてきた貧血も
人混みに入ると、スーッと意識が飛ぶ、
というような事は続きました
思い込みって怖いですね。
あと
自分の体の不調には素直になって
助けを求める事も大事
この時の私に会えるなら
「無理しない!座りなさい!」って
言いたい。
我慢強い子になりなさい
母は私にいいました。
だから
私は『我慢する子』になろうと頑張りました。
我慢強いね…は
我慢しすぎになり…
数年後、
鬱という、苦しくて辛い病にかかってしまうのでした。