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洗脳 第4章 音痴

子供の頃
私のうちは音楽が溢れていた

父は大のクラシックファン

かといえば、
洋楽、邦楽も聞くという人だった

父が歌っていた記憶がない
鼻歌すらも

母は調子はずれの鼻歌を良く歌っていた

英才教育…
こんなに音楽が流れていたら
きっと、音楽の才能が…

なんて
言われたことも

だが、しかし…

全くダメだった

小学生の頃の音楽会
楽器が弾けない私は
音を出さないようにして
フリをした

歌も音程がずれる
ひょっとして
音程が低いのかな?と
アルトのほうに回った

だけど、どうも上手くいかない

口パクで歌ってるフリをした

人前で歌うのが怖くなる
自分の声が嫌いになる

人前で歌うのがトラウマになった。

職業訓練校で知り合った友人が
カラオケにハマり出し、
いこう、いこう、と誘うようになった

いや…下手だからなぁ…と避けていたが、
流れから行かざるを得なくなった。

まぁ、歌うフリして聞いてればいいか

そんな風に思って、ついて行った。

な、な、な、なんだと!

私はびっくりした

友人が歌う姿に…

友人には悪いが
下手だった、
めちゃくちゃ音程がずれていた

それを聞いて

私の何かが、弾け飛んだ

「あれ?あれ?」
音程ずれながら、友人が歌う

「歌えない曲、入れちゃった」
と笑う
「まぁ、いいか、適当に歌ってしまえ!」

友達は「作曲」して歌い出した

その姿をみても
誰も笑わないし、馬鹿にしたりしない

一緒に歌っていた

その姿を見て

「きちんと歌わなくてもいいんだ」

なんか、気持ちが晴れた

なんでもきちんと間違いなくやりきれないとダメ

そう言われてきた私は
この言葉に洗脳されていた

楽しければいいのだ

間違えることが悪い事ではないのだから

間違えても笑ってる友人を見て
今は完璧しなくてもいい時間なんだ

と私も気にせずに好き勝手歌った

友人もニコニコしながら
一緒に歌った。

だが、子供が生まれ
子供から、音がズレてる

そう言われると
また、トラウマが…

そして
また、歌えなくなる

そんなこんなで
人前で歌う事を避けていたが

また
人前で歌う事になった

しかも
初めて会う方もいるし
私の歌を聞いたことがない人もいる

…というのは、番外編に書いたので
結果として

ビクビク、ドキドキしながら
歌ったのだが、皆さん、優しくて

もう、楽しかった〜

選曲は多分、知らないだろうな
という所をついた。

これは
きっと
「知らない曲なら、突っ込まれない」
という
『無意識自己防衛』だったのかもしれない。

結果的に

「楽しかったですね」

で終わった。

上手い下手より楽しむ事を
もう少し
体験したら、トラウマは解消されるかも

…なんて、思ったりして…

歳がないもなく
普段聞いてるんだから
いける!と思った
ヨルシカ…撃沈だった…⤵️

あ、でもね、千本桜は歌えたよ

…って何自慢してるんだってね

この調子でトラウマを解消できたらいいな

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