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朝顔の、緑で贅沢なカーテン

この時期、緑のカーテンには憧れ続けてきた。

通り道で、庭の法面を使って、
高く高く、ヘブンリーブルーの青の見事な朝顔カーテンがあった。

昨年までの話。

家主の加齢か体調か、興味を失ったせいか、今年は作っていない様子。

もしやご近所の賞賛が足りなかったとか?

法面を抑えた見上げるコンクリートの壁が、すっぽり隠れるほどの見事さ。

楚々とした青がとても素敵。

今年こそは、と思ってしつらえた朝顔カーテン。

南側のサッシの上に緑の網を吊るして、ピンと張った。

しかし、風で飛ぶのか、百均で購入したパーツが悪いのか、
外壁のデコボコのせいか、落ちてくるので何度も作り直した。

で、結局、見かねた親戚が、
「細い竹を切ってくる」と腰をあげた。

というか、まずいところに出くわしてしまったのだと思う。


網はピンと張らないとツルものには、うまくない。

既に朝顔が一斉に伸びて、網に絡んでいるので面倒な作業。

両脇の網目にジグザグに青竹を通して、踏み台に登って、
上のところでもう一本の竹を横に渡して、両脇の二本を繋ぐ。

高い方の踏み台を持ってきたが、おじさんも私も高いところは苦手なのだ。

それで横に渡した竹は低めの位置になってしまい、
その分、二つの朝顔のプランターを少し外壁より離して、
斜めになだらかなカーテンを目指すことにした。

これはまるで富士山のフォルム。

(来年はこの竹を取って置いて、3本を網を通しながら組み立てよう!
それから外壁に立てかけて、端は土に差し込めばOK!)

いつでも、失敗は成功の母。

竹はなんにでも使えて、スーパー便利だと思う。

古くなったら、短く切れば、
どこかのお宅でストーブ用に引き取ってくれる。

朝顔は、赤紫と薄紫と白と紫の二色咲きが花を咲かせている。

ちょうど「朝に咲く朝顔」「昼にも咲き続ける朝顔」
「夕方咲く朝顔」の種セットを購入して蒔いたのだ。

葉の形も大きさも違う。

(一色だけより良かったのかも)

夏は鮮やかなはっきりした色が似合う。

それになんだか、夏の、情熱的なニュアンス。

競争のようにツルが伸びて、競争のように花が咲く。

朝顔なんて、種を蒔いたのはいつぶりだっけ?

緑のカーテンなんて、思いついたひとはどんなひとだろう?

来年は風船カズラも混ぜ込んで、もっと賑やかにしたらどうだろう?

植物の元気さにおいてきぼりを食らわないよう、
必死についていく自分がなんだかおかしい。

絶対、植物は私を手下だと思って、日常に抱き込んでると思う夏。


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野原 綾
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