束の間のナイチンゲール

雨の音で目覚めた朝は
いつもよりも神秘的
それが休みの日だったら
それはもう神話的

薄い灰色の光が
白い壁を反射して
ぼんやりとした明るさが
小さな部屋の中で漂う

少し窓を開ける
ひんやりした風が
少しずつ少しずつ
流れ込む

ベットの温もりと
朝の空気の冷たさの
あまりにも心地良いコントラストの中で
大きかったり小さかったりする
思い出をぽつぽつと思い出しながら
雨の音に耳を傾ける

しとしととコンクリートを跳ねる雨の音
ふぉんふぉんとどこかの家の換気扇の音
たまに通る救急車サイレン
どうか無事でありますように
と、突如舞い降りる
フローレンス・ナイチンゲール

人の幸せを
心の底から願える人だありたい
人に幸せを
思いっきり与えられる人でありたい

静かな静かな雨音の中で
灰色に包まれた部屋の
白いシーツのベットへ
また溶けてゆく
休日の、昼寄りの朝

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1枚目の花:クレオメ

2枚目の花:白いポピー