(お時間ある時にでも読んでやってください…)


???「『外国とかキョーミねーよ。』

そうお思いの方も、ぜひお立ち寄りくださいませ。

皆さまの目の前にございますこちらの建物、本日限りオープンする特別なお店でございます。」



???「あ、そちらのお客さま! そうです、あなたさまです。」

——え? 自分のこと?

急に呼び止められる。

建物の外観は、少し古めかしいレンガ造り。
入り口には『レストラン musique』と書かれた看板が掲げられている。
フランス料理屋……なのか? でも、どこか違和感がある。


「少しだけお時間をいただけませんでしょうか? きっとお楽しみいただけることと存じます。」


まるでマジシャンのような話し方をするその人物は、フード付きの黒いコートをまとっている。
顔はよく見えないが、口元がわずかに笑っているようだ。

不思議な雰囲気に飲まれ、気づけば足が勝手に動いていた。

???「おや、ご興味をお持ちいただけましたか? 誠にありがとうございます。」

扉がギィィ……と重く軋む音を立てる。

中に入ると、思いのほか薄暗い。
壁にはアンティーク調の燭台が並び、そこに揺れる炎の光だけが辺りをぼんやりと照らしている。まるで中世のヨーロッパに迷い込んだかのような空間。

「館内は少々暗くなっておりますので、どうぞ足元にお気をつけてお進みくださいませ。」

促されるまま奥へ進むと、中央に一つだけライトアップされた円卓が置かれている。


「それでは、こちらのお席へ。どうぞ、ごゆっくりお楽しみくださいませ。」

そう言うと、フードの人物は静かに姿を消した。



??????「皆さま、ようこそお越しくださいました。」

突如、穏やかで落ち着いた声が響く。

視線を向けると、そこにいたのは…… 雪だるま だった。

え????????

「私、このお店のオーナーを務めております、ゆ・きだるま と申します。」


いやいやいやいやいや。

雪だるまが喋ってるんですけど!!?!??!


思わず周りを見渡す。隠しカメラでもあるのか? どこかのドッキリ番組か? いやそもそも、雪だるまって溶けないのか?ここ、暖房ついてないのか?

「驚かせてしまい、誠に申し訳ございません。」

ゆ・きだるまは、まるで本物の紳士のように深々とお辞儀をした。

「しかしながら、何分、現代は多様性が尊ばれる時代でございます。
雪だるまの一体や二体、言葉を発することがございましても、不思議ではございませんでしょう。」


いや、不思議です。大いに不思議です。
オラフだけでしょ。


「……ここ、何? 表の看板にはフランス料理屋って書いてあったけど?」

混乱しながらも問いかけると、ゆ・きだるまはにこやかに微笑んだ(ような気がする。何せ顔はただの雪と人参でできている)。

「よくぞ聞いてくださいました。

こちら『レストラン musique』は、フランス語の音楽を皆さまにお召し上がり(お聴き)いただきながら、
フランス語という言葉の持つ美しさを存分にご堪能いただける空間となっております。」

フランス語の……音楽?

「フランス語って、そんなに綺麗なの?」

ゆ・きだるまはゆっくりと頷いた。

「左様でございます。
もっとも、あくまで私個人の所感ではございますが……。」

そう言うと、そっと手を差し出し、銀の蓋がされた皿を示した。

「とはいえ、これより皆さまに当店自慢のメニューをお召し上がり(お聴き)いただければ、
その美しさを自然とご理解いただけるのではないかと存じます。」

カチャンッ

銀の蓋が持ち上げられると、そこには……。

一冊のメニュー表が乗っていた。



「さぁ、こちらが本日限りの特別メニューでございます。」

その瞬間、どこからともなく流れ出す旋律。

柔らかく、それでいてどこか情熱的なメロディーが、ゆっくりと空間を満たしていく。


目を閉じると、フランス語のリズムが心地よく耳をくすぐる。まるで、言葉が踊っているようだ。

……これは、いったい何を食べて(聴いて)いるんだ?


ゆ・きだるま「曲のメロディーや雰囲気、フランス語独特の美しい響きに注目しながらお召し上がり(お聴き)ください。(前菜は歌詞が入るまで少々時間がかかります。)」


不思議な感覚に包まれながら、ゆ・きだるまの微笑む姿を見つめる。




前菜

Je te laisserai des mots ーPatrick Watson

〜優しさの余韻を閉じ込めて〜




メインディッシュ

Love Story ーIndila

〜哀愁のソースとオリエンタルの香りを添えて~


(TikTokでもたまに流れてくるから、耳にしたことある人も多いのでは??
めっちゃ好きこの曲♡
おしゃれすぎる。こういう世界線に行きたい。
フランス!って感じ!!)



デザート

poison ーchloe stafler

〜ミステリーのソースと反逆のアクセントを添えて〜





薄ら寒い冬の夜。
街灯の光が、凍てつく地面に映し出される。

「あれ?さっきまで… 」

辺りを見渡しても、奇妙な建物は見当たらない。

「夢だったのかな?」

そう呟きながら、いつもの道を歩く。足元が冷える。
そうだよ、2月だ。外にいたら寒いはずだ。
「早く家に帰ろう。」そう思って歩みを進めていた時、
近所の家の玄関先に、一体の雪だるまが置かれているのが目に留まった。

「あれ?なんか見覚えあるなこの雪だるま… 」

視線を向けると、雪だるまが一瞬、こちらを見たような気がした。


ゆ・きだるま「お楽しみいただけましたでしょうか? 皆さまの異文化に触れる、ささやかなきっかけになれば幸いです。

——また、どこかでお会いしましょう。」




勢いでばーーっと書いてしまった、、

怪談レストランの影響です。
似てるなって思った?笑

ちょっとやってみたかったの。

普通に曲紹介するだけじゃつまんないかなとか思って。


※ちなみに私歌詞の意味わかるほどフランス語力ないので、〜𓏸𓏸〜みたいにカッコつけて書いた文章はそれっぽく書いただけなのでとても適当です。
※加えて日本語弱者でもあるので敬語を正しく使えてる自信がありません。間違ってても見逃してください。


長かったですがここまで読んでくださった方いらっしゃったら本当にありがとうございます。大感謝です。


今回はここまで

また次回、お会いしましょう


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