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【短歌】えんとつ町のプペル

七夕の 見上げる空に 厚い雲
無煙火薬が 欲しくなる夜


今月7日は七夕でしたね。
七夕といえば天の川ですが、毎年七夕の夜は空が曇っていて、天の川を見ることができないような気がします。

今年も案の定曇り空を見上げるばかりの夜でしたが、
そのときふと、ミュージカル「えんとつ町のプペル」に登場していた無煙火薬を思い出し、それで厚い雲を吹き飛ばして、美しい天の川が見られたら良いのになあ、と思ったのでした。

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ミュージカル「えんとつ町のプペル」は、キングコングの西野亮廣さんが描いた同題名の絵本をミュージカル化した作品です。
昨年上演されたものですが、現在はYouTubeにて全編無料で観ることができます。

社会のはぐれ者同士がタッグを組んで、社会の外側へと飛び出していく物語。

秩序だった私たちの社会では、少しでもはみ出るような真似をすれば後ろ指をさされ、非難される。


秩序を守りながら、社会の中で目立たず平和に生きていくことも1つの道かもしれないし、それができる能力も十分素晴らしいけれど、

批判や非難に耐えながら、自分の信じる道を進み続けた"愚か者"にしか見えない外側の世界があるのだと思います。

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この「えんとつ町のプペル」の中で、私がどうしても惹かれてしまうキャラクターはアントニオです。

現代社会では「エリート」と呼ばれるような人々を象徴しているキャラクターだと私は思います。


人一倍夢やロマンを愛しているのに、その頭の良さゆえに誰よりも社会に適応し、地位を築き上げ、その外に出られずにいる人たち。

一生懸命築き上げてきた地位を失いたくないがゆえに自分の夢に目を瞑り、
"あの日諦めなかった自分"に出会いたくない一心で、はみ出そうとする愚か者に対し羨望と憎しみを込めて非難する。


そんな人々が本来持っているはずの聡明さや美しさ、純粋さを思うと、それを抑えなければ生きていけない社会の息苦しさに悲しみを覚えます。

現代のアントニオたちが真っ直ぐに夢を持ち続け、自分らしく生きていける世界になっていけば良いなあと、このミュージカルを観ながら改めて思ったのでした。


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