見出し画像

本来の私


思い返すと

かなり小さい子供の頃から
私は私を作ってた

人前に出て何かをするのはとても恥ずかしくて
数人のお友達の中にいて意見を言うことも恥ずかしくて
褒められることも
関心をもたれることも
色んなことが恥ずかしかった

でも、そんな私は誰にも求めてもらえてなくて

活発で
自分の思うことをみんなの前で話せて
みんなのリーダーで
絵を描いても
作文を書いても
かけっこしても
何をしても褒められる結果を出して

色んなことを楽しんで挑戦する

そんな私でいられるよう頑張った
それが求められている私だったから


ピンクのフリルのついた服は着られない
スカートよりもパンツ
好きな色は黄色やオレンジ
ふふふ、と笑うより
あはは、と笑う

全部、父が望んだ私

小さな頃から繰り返し繰り返し言い続けられてきた

「お前はスカートよりパンツが似合うんだ」
「お前は髪の毛はロングよりショートが似合う」
「お前は」
「お前は…」

「お前はなんでも出来る子だ」

それは呪縛のように私を縛り、洗脳となって私を変えた

私は私を封印して
父の望む私で生きていくことをするしかなかった

期待を裏切ると
何も言ってくれなくなる
こちらを見なくなる

「パパの言う通りにしてれば間違いないんだ」

そう言って縛ってきて
突然こちらを見てくれなくなることが
私にとって恐怖になるのは必然だった

私はいつも父の望む私を作った

学校でいじめに遭って、帰り道泣いてしまっていても
家に着く頃には笑顔をつくる

大きな声を出して
すごく楽しそうに笑い
活発な私でいる日々は

私の精神を削っていくだけで

学校でいじめに遭っているより
家にいるほうが苦しかった

本来の私がどんどんいなくなり
私の内へ内へと沈んでいき
私はいつも私の声を聞いていた

「タスケテ」って

私は何もしてあげられなくて
だから鏡の中でお友達になって

それでも助けてあげられなくて


小学生のとき家のベランダから飛び降りようとした


苦しくて
辛くて
私が私でいられなくて

存在を認めてもらえなくて
本来の私は必要なくて

存在している理由もなく
存在しなくてはいけない理由もわからなくて

いなくなることを選ぶしかなかった


結局、私の願いが叶うことはなく
それからもずっと生きて


今でもきっと

本来の私は私の内にいるのかもしれない

今の私が本来の私かもしれない


どちらかなんてもうわからないけど



いまだに私は

存在している理由はわからない


そして
どの私が本来の私なのかわからないのに

「タスケテ」

という声はいつも聞こえている



助けてあげられなくてごめんね



それでもそばにいるからね





✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?