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その意味のまじめとは
もうすぐアラサー、彼氏いない歴1年半(正式に言うと3ヶ月)、地方出身。
これ、物語じゃなくてわたしの話。
漫画、『まじめな会社員』を読んだ。
ヒロインの菊池あみ子は、30歳、彼氏いない歴5年、派遣社員で、東北出身。
あらすじはこちらに置いておきます。
コロナ禍における、新種の孤独と人生のたのしみを、「普通の人でいいのに!」で大論争を巻き起こした新人・冬野梅子が描き切る! 菊池あみ子、30歳。契約社員。彼氏は5年いない。いろんな生き方が提示される時代とはいえ、結婚せずにいる自分へ向けられる世間の厳しい目を、勝手に意識せずにはいられない。それでもコツコツと自分なりに築いてきた人間関係が、コロナで急に失われたら…!?
どこぞの雑誌の漫画ランキングで1番になっていたのは、そのリアルさゆえだと思う。だから読んだのですが、、
コロナ禍の生活、感染対策と言うのに満員電車に乗ることも、諸々のあっけなさも、
異常に思えるくらいの自意識過剰さも、
分かってしまうから不思議だ。
DMMブックスのささやかなGWセールで買った。
購入時の商品ページに、毎回同じ人の書き込みがあって、そこには愚痴のようなものがあって。これこそがなんだか、あみ子のように思えてしまった。
あみ子は、スルスルと言葉が出てくるタイプで、だからこそライターをやろうと思うわけなんです。要領もいいし、合理的に考えて仕事はできちゃう人で、考えたら自分なりの真理にも辿り着けてしまうし、有能じゃん、って思う、個人的には。
だからこそ、バラバラとマシンガントークして、言葉が出てくるのが友人たちと距離を作っていたり、突発的に告白しちゃったりもして。分かり合えないけれど、わかってしまう感じが妙に心地悪かった。1巻を読んだ時はボロボロ泣いて、進んでいくごとに冷静に読めるようになっていった。
出てくる人みんな悩んでいるのは世間も同じだけど、あみ子のフィルターを通すとこう見えて、綾ちゃんのフィルターを通すとこう見える。他の人もそうで。
仕事や恋愛という観点でしか見られないから、それで勝ち負けは決められないのにどうしたって負けているような気になる。
コロナで実家に戻るのも、それで生活が中心になるのも、どうしようもなくリアルだった。
今、どうして働いているのか謎なんだけれど、実家に戻ったらそれこそアルバイトだってよくなってしまう。お洒落して着る服も要らなくなるかも。今だって服を買ってお洒落して何がしたいかと聞かれると答えられない。東京に住んでいるからって、なにがいいんだろう。(あみ子と違って実家には帰りたい人間です)
この漫画の真面目は「他人の快適さのために律儀に行動できるまじめ」を指すらしい。空気を読んじゃうことなんでしょうね。こういうタイプは自分を雁字搦めにしてしまうような気がする。考えたって仕方ないのに、考えてしまう。
あと、ライター関係の業界人たちが気分悪い。こういう人って本当にいるのかな。
勝手に解釈して、意見を押し付けるのはしないようにしようと思った。
では、最後に、心に残った部分だけ残しておきます。(また追加するかも)
コロナだから人に会えないって思ってたけど
私以外のみんなは普通に会ってたりして
綾ちゃんだって同棲してるし
ていうか世の中のカップルが馬鹿正直に自粛とかしてるわけないし
自粛中でも例外的に会える相手
友達以上家族未満
気軽に迷惑をかけ合う前提の相手
3.11のときもそうだった
別れたばかりの元彼に電話して切られた
辛い時こそひとりなんていつものこと
それが私の宿命
彼氏を作ることは誰にも強制されてないし
元々恋愛体質でもない
なのにこの
「もう好きにさえならない」
ことが残念な感じはどこから来るんだ
恋愛の学習性無力感?
と心の中であみ子は思っているコマが続く。
人を好きになれないことが怖い、誰からも求められないことも怖い。だから思い出して誘ってくれる人に縋ってしまうけれど、大抵はクズな人ばかり、、
あみ子のような選択をするとは思わないけれど、突発的な行動をするところは似ているので、グサグサ刺さっていた。そういう意味では似ているのかも。何となくモヤモヤしている方におすすめです。
何回も読み返したくなるお話ではないけれど、書きたいと思うくらいには、衝撃的でした。
また読んでいる本について書きます📕