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"おまけ"の魔力

"はい、これおまけね"
私は、この言葉に弱い。

どういう性格なのか、行きつけのお店がたくさんできてしまう。
お店の人と仲良くなることが多く、いろいろとサービスをしてくれ、いつも通ってしまうのだ。

その代表例が、最寄駅の駅前にあるお肉屋さんである。
週3回ほど、帰り道に寄っては、唐揚げかロール、串カツを購入するのがお決まりだ。
もうすでに、6年ほどの付き合いになるのではないか。
コロナの時期はほとんど行かなかったが、最近では再びお世話になっている。

高校2年の終わりの頃だったと思う。
おまけがつくようになった。
唐揚げを頼む。
"レバーつけといたからね"
当たり前のように伝えてくる。
"え??いいんですか?"
最初はとても戸惑っていたが、当たり前よという表情を見ていると、特殊なものではないと錯覚しそうになった。

毎回ではもちろんない。
3回に1回くらいだろうか。
おまけ狙いなわけではないが、もらえるとやはり嬉しい。

夜遅くなるにつれ、おまけをもらえる可能性は高くなる。
長年の経営の経験から、もうこの商品は売れないと分かるらしい。
レバーに限らず、その時の判断で、色々なものをつけてくれた。

ラーメン二郎で大食いをした、などの特殊な事情がない限り、たいてい顔を出すようになっていた。

途中から、いろいろな情報をお互いに話すようになった。
名前、目指している大学、部活など。

私が大学に合格したことを伝えると、なんと商品の中ではかなり高い部類の、シフォンケーキをつけてくれた。
とても嬉しかった。

大学生になっても、この夜のひとときは大切なものだった。
家に帰ればご飯がある。それは正論だ。

でも、正論だけじゃつまらない。
ちょっとした会話と、ちょっとしたギルティ。
これは、大事だ。

将来の夢についても、語るようになった。
街のお肉屋さんが、パイロットの選考過程を詳細に知ることになる。
なかなか不思議な事態だろう。

自分の航空大学校進学が決まった時は、カツをくれた。
大きなカツだ。お金ことで申し訳ないが、400円近くする。
"これ食べてこれからも頑張るのよ"
そんなことを言われた。
"ありがとうございます"
心からお礼を言ったのを、よく覚えている。

最近、こう言われた。
"航空大学校、いつ行っちゃうんだっけ?"
"あ、まだ来年です!"
"あら〜じゃあまだ大丈夫ね!"
と。
商売人の発想と言われれば、それまでだ。常連客が地方に行くのは、困るだろう。
しかし、自惚れかもしれないが、少し本心も混ざっていると思う。
6年という年月は、決して短くはない。
その間、お互いに色々なことがあり、それでもなお元気に生活している。
愛着は湧くものではないか。

これからも、通う日々が続きそうだ。

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10月23日(金)
○久しぶりに6時間以上寝た
○バタバタしたけど、やるべきことはかなり終わった
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では、また。

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