Anaal Nathrakh - Forging Towards The Sunset 解釈、和訳 +EVP来日公演祈願(→開催決定!!)
All citations in this article are from:
Hunt, D. and Kenney, M. Lyrics to “Forging Towards The Sunset.” Performed by Anaal Nathrakh, Candlelight Records, 2012.
DarkLyrics.com, http://www.darklyrics.com/lyrics/anaalnathrakh/vanitas.html#2.
エクストリームメタルの中で私が一番好きなバンド、ANAAL NATHRAKH。
イギリスはバーミンガム出身です。
ジャンルはインダストリアルブラックメタルとかブラッケンドデスコアとか色々言われますが、壮絶発狂ブラックメタルって呼称が一番しっくり来るサウンドです。
そんな彼らの曲の中で一番気に入っているのが、この"Forging Towards The Sunset"です。
「日没に向かって突き進め」ってなタイトルですが、恐らくこの曲の歌詞の基本アイデアって「超高速で夕陽を追いかければ永遠に日は沈まない」的なことだと思うんですよね。
まあこれはもちろん比喩で、本当に伝えたいメッセージは「この世の終わりのように思える絶望的な状況でも、現実を甘受せず明るい未来へと走り続けろ」みたいなことだと思います。
というわけで、ボーカルは完全にイっちゃってるものの意外と前向きな歌詞ですのでご心配なく。
YouTubeのコメント欄にも"what a nice calming lullaby"(なんて心地良い穏やかな子守唄なんだろう)って書いてあります。
理解不能___。
太陽より明るいと謳うものなど全て虚構に過ぎぬ
闘争に身を捧げよ、神について沈思せよ
沈み行く陽に向かって突き進め
残酷な現実を否定するのだ
絶望が迫る刹那まで
真の理解を突き付けられるその時まで
闇の世界を虚構に変えるのだ、衆生よ
発狂___。
酷く滑稽なことよ、貴様は愚かにも自らの変容の扉を閉ざし続けた
跪き奉仕するがいい、過去の醜穢なる濁液に浸りながら
※get on your knees; cum: 卑語。
※flaming: ((英口語)) 酷い、忌々しい
虐げられ、それに甘んじ続けてきた屈辱を自覚しろ みたいな意味だと思います。
落日に向かって突き進め
苛烈な実相に異を唱えよ
絶望が迫る刹那まで
真理を突き付けられるその時まで
闇の世界を顕現させてはならぬ、衆生よ、
群生よ!
貴様が欲したもの、
貴様が愛したもの、
貴様が神聖と看做したもの、
絆、意志、資質、背信、肉欲
其れらは皆等しく無価値である。
「…である」「…すべき」というあらゆる感覚に疑義を抱け。
※明らかにイギリスの哲学者ヒュームによる「ヒュームの法則(Hume's law)」を意識したものです。
事実(~である, is)から規範(~すべき, ought)は導けない、という原理です。例えば「男なんだから泣くな」「女なんだからおしとやかにしろ」「メタラーなら○○を聴け」みたいな言説はモロにこの法則違反です。
絶望や歓喜に支配された時こそ、自らの事実認識や価値判断に誤りが無いか疑え、ということだと捉えました。
落陽に向かって突き進め
残酷な世界を受容れるな
絶望が迫る刹那まで
悟りを突き付けられるその時まで
闇の世界など虚構に過ぎぬと証明するのだ、衆生よ、
群生よ!!!
(サビ終わりの"Make the darker world a lie everyone"という表現ですが、呼び掛けとしての"everyone"なのか、"everyone"の前に"for"が抜けているのか迷いました。
今回は前者の解釈を採りましたが、後者の場合「闇の世界を万人のために虚構に変えるのだ」となります)
と思っていたら、なんと彼らをまた日本で
観られるかもしれないとのこと!
初回(2016年)と2回目(2017年)の来日公演を観に行きましたが凄まじかったのでまた観たいです。
クラファン的プロジェクトのため、十分な支援が集まらないと開催が確定しません…。これが最後の来日公演になる可能性もあるので興味ある方は是非。
チケットはこちらから。
[2023.11.16 21:54追記]
記事を書き上げたその日に、クラファンが目標額達成し、東京公演は開催決定となりました!
[2023.11.17 追記]
大阪公演も無事100%達成、開催決定です!
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