〈NIKIのホリスティック研究室〉 ブタナ l 学名 Hypochaeris radicata
日本のタンポポが綿毛になる頃、替わりに草原の主役になるのがこのブタナ(Hypochoeris radicata)です。
ブタナはタンポポと同じキク科の野草ですが、エゾコウゾリナ属に分類される多年草です。花がタンポポに似ているため、「タンポポモドキ」とも呼ばれます。
学名のHypochaeris は、ギリシャ語の「キクヂシャ(Hyosiris)」+「ブタ(choiros)」から構成された言葉と考えられているようです。
ブタナはヨーロッパを原産とします。日本では昭和8年に北海道で初めて発見され、「タンポポモドキ」と命名されました。
その翌年に六甲山で発見されて「ブタナ」と名付けられ、今ではこのブタナのほうが一般的な呼び名になっています。「ブタナ」というフランスでの俗名 Salade de pore(ブタのサラダ)を翻訳したものが元になってるそうです。
また、英名の Catsear は、葉の形がネコの耳 (Cat's ear) に似ているところから付けられたと言われています。
タンポポと見間違えるブタナの特徴は下記の通りです。
1タンポポのようなロゼットがある。
2.葉のない細い緑色の非中空の茎が長く伸びており、一本だけの茎ものもあれば、途中で枝分かれしている茎もある。
3.それぞれの茎の上端に花が一つつく。
4.花が終わるとタンポポのような綿毛になる。
ブタナは全ての部分が食用可能とされます。
原産地であるヨーロッパではハーブとして親しまれています。ブタナの若葉は特に食べやすく、サラダやおひたしとしても利用されます。根っこはタンポポ同様、コーヒーの代わりとしてハーブティーにして飲用します。
ブタナはキク科。キク科(Compositae)植物は テルペノイド成分を豊富に含み、かつ、薬用として 用いられるものが多いとされています。
そして、キク科の植物は、精油もハーブも主に花から成分が抽出され、癒しや落ち着きを与えてくれます。鎮静させ、免疫を整え、体を浄化してくれます。※キク科アレルギーの人は注意が必要です。
ブタナに花部分にも、タンポポやカレンデュラのような同じキク科としての効能があるかもしれないと思い、油につけて脂溶性分を抽出する実験をしています。