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自分を大切にする旅:絵本作家、金澤麻由子さんに導かれて

私は先日、金澤麻由子さんの個展に足を運びました。金澤さんは、私が絵本作家を目指すきっかけとなった絵本「ぼくぱぐ」の作者です。その個展での体験は、絵本を読んだとき以上に心に深く響き、私の人生において大きな転機となったと感じています。
金澤さんは、深い愛と温かさを持った素晴らしい方で、ぜひ彼女の作品に触れて、その魅力を感じてほしいと思います。

【大阪】出版記念原画展
期間:2025年2月17(月)〜2月25日(火)12:00〜19:00
会場:MANIFESTO GALLERY(マニフェスト ギャラリー)
〒540-0021 大阪府大阪市中央区大手通1丁目1−10
京阪・地下鉄「天満橋駅」4番出口より徒歩8分
地下鉄「谷町四丁目駅」4番出口より徒歩8分

購入したグッズはこちらです。金澤麻由子さんが『かがやくチカラ☆』とサインを添えてくださり、その気持ちがとても嬉しかったです。

絵本「ぼくぱぐ」との出会い

「ぼくぱぐ」は、幸せは探し求めていても気づけない、探すことをやめた時にふと気づくものだというメッセージが込められた絵本です。柔らかいタッチの絵と優しい文章が心に染み渡ります。

私がこの絵本と出会ったのは、ちょうど自分の人生に違和感を覚えていた時期でした。

このままでいいのか?
専業主婦として子どもや旦那のために時間を使う人生でいいのか?
孤独を抱えたままでいいのか?
私は何のために生きているんだろう?
使命ってなんだろう?宿命ってなんだろう?

自問自答を繰り返す日々。専業主婦として家族のために時間を使う生活にどこか満たされない気持ちを抱えていました。孤独を感じ、自分の存在意義を見失いかけていたのです。

そんなことを考え、答えを求めて「やりたいことの見つけ方」の本で有名な八木仁平さんの動画や、禅語を用いた「一問一答」の大愚元勝さんの動画などを見漁っていました。そんな時、大愚さんの動画で、「使命は何か、宿命は何か? そう考えるようになったら、その思いを手放しなさい」と語られていたんです。すごく苦しかったけれど、大愚さんがそう言うならこの思いを手放そうと思いました。そんな時、子どもと一緒に訪れた児童館で、子供に読んでとせがまれて手に取ったのが「ぼくぱぐ」でした。

絵本が私の日常に彩を与えた

絵本を開いた瞬間、「あ、これ、私のために描いてくれた絵本だ」と思い、涙が溢れ、絵本を抱きしめました。その時、ずっと蓋をしていた感情に気づきました。「私は和太鼓がしたい」と心から感じていたのに、環境や時間、お金を理由に我慢していた自分に気づいたのです。

私は人に話しかけるのがとても苦手でした。でも、「ここで勇気を出さなきゃダメだ」と思い、児童館のスタッフさんに「和太鼓がしたいんですけど、できるところ知っていますか?」と声をかけてみました。すると、「知り合いがやっているよ」と思いがけず紹介してもらえました。その団体は通いづらい場所だったのでご縁はなかったものの、この一歩があったからこそ、今私が所属している和太鼓団体「るんびに太鼓」に出会い、2025年7月13日、大阪・関西万博の1000人太鼓に参加することが決まりました

絵本を読んでから、日々の家事や料理が「家族のため」から「私がしたいからする」に変わりました。子どもが笑顔でいることが何よりの喜びとなり、何気ない瞬間の幸せに気づけるようになったのです。

承認のコップと私の歩み

私は、すべての人に「承認のコップ」があると思っています。このコップが満タンでないと、人は「もっと欲しい、もっと満たされたい」と求め続けます。時には、間違った方法でその渇きを癒そうとし、他人を傷つけることもあります。でも、どんなに承認を求めても、コップが満たされることはありません

では、どうやってこのコップを満たすのでしょうか?それは、少しずつ「承認の水」を注いでくれる人が必要です。誰もが、この水を必要としていて、時には争ってしまうこともあります。でも、争っている限り、本当に大切な「承認の水」の存在には気づけません

ありがたいことに、この「承認の水」はさまざまな形で私たちに届きます。先生の言葉、近所の人の優しさ、絵本や映画のメッセージ。それぞれ違った形で届きますが、どれも同じことを伝えています。

「あなたはそのままで価値がある。だから、ありのままでいいんだよ。」

私自身の「承認のコップ」

私は長い間、「承認欲求」に苦しんできました。誰かに認められなければ、自分には価値がないのではないかと感じ、常に「誰かのために」と行動していました。しかし、挑戦しては失敗を重ねるたびに、「どうしてこんなこともできないんだろう?」と自分を責め、自己攻撃を繰り返すようになり、最終的には引きこもりがちになっていました。

そんな中で、多くの作品に触れることで、「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージを受け取り、少しずつ外の世界へ出る勇気をもらいました。まるで、知らぬ間に誰かが私の「承認のコップ」に水を注いでくれていたかのように。

そして、ついに私のコップを満たし、溢れさせてくれたのは、金澤麻由子さんご本人と、個展で購入した絵本『ポワン』でした。

承認の水が溢れたとき

承認の水がコップから溢れた今、私はようやく「自分が幸せになる権利を手に入れたように感じています。そして同時に、「誰かに承認の水を注ぐ義務も生じたのではないかと思っています。

承認の水の注ぎ方は人それぞれ違います。得意なことが異なるからこそ、それを磨き続けることが大切だと感じています。私にとって、その承認の水をわかりやすく注いでくれたのが、金澤麻由子さんの絵本でした。だからこそ、私は絵本作家になりたいと強く思っていました。しかし、私が誰かに承認の水を届ける方法は、必ずしも同じではないかもしれません

金澤さんが、私の投稿を見てこうつぶやいてくださいました。「小野さんは文章を書く方なのかもね……

私は多くの人に支えられて生きています。それは、絵本や本、漫画、ゲーム、音楽、周りの人たち、そして私の投稿を読んでくださる皆さん、素敵なポストをしてくれる方々。これらの支えに心から感謝しながら、私なりの方法でその恩を返していきたいと思っています。どんな形であれ、私が誰かの「承認の水」を注ぐ存在になれるように。

それが、今の私の使命なのかもしれません。


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